世代間の「お金の現状」の違いをグラフ化してみる(2011年分データ反映版)

2012/05/31 06:55

2012年5月22日に掲載した記事【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】を手始めに、総務省統計局が公開した【家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成23年平均結果速報(二人以上の世帯)】の掲載値をベースにした過去の記事を確認し、最新の値となる2011年分を反映させた上で記事内容の更新・再精査を続けている。今回は番外編として、【世帯主の年齢別貯蓄総額分布をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】などでも用いた「詳細結果表」の値を基に、二人以上世帯における2011年時点の家計動向を、色々な切り口から眺めることにする。

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今「家計調査」の調査要項などは「年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)」ですでに説明済み。詳しくはそちらを参考にしてほしい。

今回使うデータは【家計調査(貯蓄・負債編)調査結果】から「詳細結果表(e-Stat)」を選び、「<貯蓄・負債>貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高」の中から選択した「8-5 世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯・勤労者世帯」。調査母体の世帯主年齢別の世帯数や貯蓄額などが記載されている。

まずは世帯主の世代別、生体構成人数。あくまでも平均値によるもので、概念レベルのものだが、状況を把握する参考値にはなる。

↑ 世帯主年齢階級別・就業別世帯構成人数(二人以上世帯、2011年)
↑ 世帯主年齢階級別・就業別世帯構成人数(二人以上世帯、2011年)

子供の数は大体1.5人で、世帯主が50代になるまでにはほぼ一人立ちして該当世帯の人数カウントからは外れる。また、世帯主だけの専業就業なら「18-64歳有職」は1.0人となるはずなので、20-40代は大体二世帯につき一世帯、50代になるとそれ以上の高い比率で共働き世帯となる。また、50代は「18-64歳有職」「18-64歳無職」を足すと2.70人となるため、両親に加えて18歳以上の子供が同一世帯内におり、少なからずが無職であることも想像できる。

一方、世帯主の世代別貯蓄構成は次の通り。これまでの貯蓄周りの記事で説明したように、今件は「貯蓄のみ」の値であり、負債はまた別の話・合算はしていないことに注意。

↑ 世帯主年齢階級別・貯蓄構成(万円)(二人以上世帯、2011年)
↑ 世帯主年齢階級別・貯蓄構成(万円)(二人以上世帯、2011年)

↑ 世帯主年齢階級別・貯蓄構成(万円)(二人以上世帯、2011年)(構成比)
↑ 世帯主年齢階級別・貯蓄構成(万円)(二人以上世帯、2011年)(構成比)

定年退職を迎えるまでは経年と共に貯蓄額が増加し、定年後は貯蓄の切り崩しが行われるために減退する。この動きはすでに家計調査回りの記事で解説した通り。また、経年=貯蓄額の増加と共に、通貨性預貯金比率が減り、定期性預貯金の比率が増加していく。有価証券の比率も上乗せされるが、定期性預貯金と比べれば微々たるもの。

また、50代までは比率、60代までは金額面で生命保険の値が増加するものの、それ以降は漸減していく。保険料が高くなることや、保険金とのバランスを考えて組み換え・解約していく事例が増えてくるからだろう(保険に入っても病症リスクそのものが減るわけではない。発病時の金銭的サポートが保険の存在理由である)。

続いて世帯主の世代別「負債」の構成内容。住宅ローンが大きな負担ということがよく分かる内容。

↑ 世帯主年齢階級別・負債構成(万円)(二人以上世帯、2011年)
↑ 世帯主年齢階級別・負債構成(万円)(二人以上世帯、2011年)

あくまでも平均的な世帯での話だが、負債の多くは住宅取得のための借財であり、多くは30代-40代にローンを組んでいることが把握できる。そして60代までにはほぼ完済し、それに伴い負債そのものも大きく減っていく(やや余談でグラフ化は略するが、別データによればすでにローンを完済していたり、相続などで住宅を取得済み、賃貸住宅住まいで住宅購入予定が無い世帯などは住宅周りの負債は小さく、当然負債額全体も小さな額面に留まっている)。

なお世代毎の純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)はすでに【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】で示した通り。住宅ローンの重みがそのまま30代までの「純貯蓄額がマイナス」という状態に結びついている。

最後に世帯主世代別構成比と、貯蓄額の比率。こちらもまた現状認識のための概念図に近く、一世帯別の貯蓄額は上にある通りで、しかも「二人以上世帯」に限定されたものだが、貯蓄の片寄り具合が分かる図となっている。

↑ 世帯主の世帯数と年齢階級別貯蓄総額・全体比(2011年、二人以上世帯限定)
↑ 世帯主の世帯数と年齢階級別貯蓄総額・全体比(2011年、二人以上世帯限定)

負債が大きいと貯蓄の運用自由度は下がるので、(若年層は負債も大きいことから)実質的な「余力としての貯蓄」はもう少し青系統色の面積が大きなものとなるだろう。

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