50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収費の移り変わりをグラフ化してみる(2011年分データ反映版)

2012/05/27 06:45

お金の推移とグラフ先日の【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】を皮きりに、総務省統計局による【家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成23年平均結果速報-(二人以上の世帯)】を元にした各種記事について、2011年分のデータ更新を反映させた上でグラフの再構築や記事内容の再検証などを行っている。今回は「二人以上世帯」という限定はあるが(元々「家計調査」の貯蓄・負債項目のデータは「二人以上世帯」のみ)、50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収比の移り変わりをグラフ化した過去の記事の更新を行うことにする。

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今「家計調査」は全国のすべての世帯(学生の単身世帯を除く)を対象として家計収支の調査を行い、各種世帯の特性による集計結果によって、日本国民生活の実態を毎月明らかにし、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を得ることを目的としている。調査期間は原則毎月。対象は毎月6分の1ずつが差し替えられる。調査方法は基本的に調査票を用い「調査員による質問」「記入された調査票の回収」などによる。

また、今回グラフ化したデータのうち、2000年までは「家計調査」の附帯調査として実施されていた「貯蓄動向調査」のものを参照しており、「家計調査」そのものへは1年の準備期間をおいた上で移行された。2001年分のデータが空いているのはそのためである。

さて、データとして用意された1959年以降の二人以上の世帯における「貯蓄現在高」「年間収入」、さらには「貯蓄の年収比」の推移を示したのが次のグラフ。物価上昇と共に年収や貯蓄現在高が上昇していること、さらにはそれらとは別に貯蓄の年収比が少しずつ増えていることが確認できる。

↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)
↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)

↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2002年以降限定)
↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2002年以降限定)

1990年以降年収が横ばい、ややむしろ減退気味なのは【過去60年にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる(2012年3月分までデータ反映版)】にもあるように、物価そのものが横ばい、さらには多少ながらも下がっていることからも把握できる通り、日本の成長率が鈍化したのが大きな要因。2001年以降の漸減は物価安定に加えて、デフレ感の進行、そして【日銀レポートによる「なぜ好景気でも賃金は上がらなかったのか」】【大企業の配当金と人件費の関係をグラフ化してみる】にもあるが、多種多様な要因による結果。

↑ 消費者物価指数推移(1950年-2012年)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(2012年は3月まで)
↑ 消費者物価指数推移(1950年-2012年)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(2012年は3月まで)(再録)

一方、年収は横ばい-漸減しているにも関わらず、貯蓄高は横ばい-漸増。従って貯蓄年収比も漸増しているのが分かる。貯蓄額が変わらず、比率計算の際のベースとなる賃金が下がれば、倍率が上がるのは当然の話(もっとも金融危機が始まった2007年以降は貯蓄の切り崩しが起きたせいか、額面そのものも減っている)。これは単純に貯蓄性向が高まっただけでなく、ある程度の貯蓄を成している中堅層-高齢者の世帯の全体比が増えているをも意味する。



ちなみに最新の2011年分データでは、平均貯蓄額1664万円・平均年収612万円・平均貯蓄年収比は278.0%となっている。あくまでも平均値であり、中央値とは別ものだが、参考値として、あるいは目標値として覚えておくとよいだろう。

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