貯蓄額が多い=色々と余裕が?… 貯蓄額別・日頃のお金の使い道をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)

2012/05/24 06:55

先日の【年齢階層別の収入や負債の推移をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)】を皮きりに、総務省統計局による【家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成23年平均結果速報-(二人以上の世帯)】を元にした各種記事について、2011年分のデータ更新を反映させた上で、グラフの再構築や記事内容の再検証などを行っている。今回は「二人以上世帯」という限定はあるが(元々「家計調査」の貯蓄・負債項目のデータは「二人以上世帯」のみ)、貯蓄額別・日頃のお金の使い道をグラフ化した去年の記事の更新を行うことにする。

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今「家計調査」は全国のすべての世帯(学生の単身世帯を除く)を対象として家計収支の調査を行い、各種世帯の特性による集計結果によって、日本国民生活の実態を毎月明らかにし、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を得ることを目的としている。調査期間は原則毎月。対象は毎月6分の1ずつが差し替えられる。調査方法は基本的に調査票を用い「調査員による質問」「記入された調査票の回収」などによる。

データの取得方法手順は【家計調査(貯蓄・負債編)調査結果】から要約ファイルを選び、「IV 貯蓄・負債現在高階級別の収支 1.二人以上の世帯の状況」の各データを用いる。過去データが必要な個所は昨年までの入力データを流用する。

今件記事で取り上げる「消費支出」について説明しておくと、次の通りとなる。

・(実)収入……世帯主の収入(月収+ボーナス臨時収入)+配偶者収入など
・支出……消費支出(世帯を維持していくために必要な支出)
     +非消費支出(税金・社会保険料など)
     +黒字分(投資や貯金など)

要は「手取りの中から、実際に色々と社会生活の中でお財布から出していく金額」を意味する。

まずは「一か月あたりの」貯蓄現在高階級別消費支出。要は現在貯蓄をどれだけ持っているか別・一か月にどの程度の生活費を費やしているかの違い。少々考えれば分かるように、そして「家計調査報告」にも「貯蓄現在高が多くなるに従って消費支出も多くなっている」と記載されている通り、「貯蓄現在高が大きい人ほど収入も大きい」傾向がある。そして税金や社会保険料なども収入が上がれば増えるが、完全な正比例なわけではないので、当然「貯蓄現在高≒収入が大きい方が、消費(できる)支出額も大きくなる」という理屈になる。

↑ 貯蓄現在高階級別消費支出(万円、2009-2011年)(一か月あたり)
↑ 貯蓄現在高階級別消費支出(万円、2009-2011年)(一か月あたり)

実際、貯蓄額の違いにより最大で6割強の消費支出の違いが出ている。また、2010年の値と比べると、全般的に額が減少しており、少なくとも金額面では生活が厳しくなったことがうかがえる。

以前【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】の「エンゲル係数」の考え方でも触れたが、何人ものメイドさん・執事さんを抱えるようなよほどの富豪でない限り、多少収入が大きくても「食費」が跳ね上がり「光熱・水道費」が急上昇するわけではない。よって、消費支出そのものが大きくなれば、「食費」「光熱・水道費」の”割合”は漸減していく。

↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比
↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比(2011年)

逆に「貯蓄現在高≒収入」が大きいほど「その他の消費支出」「教養娯楽」の2項目(一番上と上から二番目)比率が増加しているのも確認できる。「その他の消費支出とは」「諸雑費」「こづかい」「交際費」「仕送り金」などから構成されており、要は「色々雑多に自分の自由意思で使えるお金」。消費支出額そのものも増え、それに占める割合も増えるのだから、当然「貯蓄現在高≒収入が大きい方が色々と自分の思う通りにお金を使い回せる」ことになる。当然といえばそれまでなのだが、今件はあらためて、その「当たり前」に数字的な裏付けをした形となる。

一方で昨年2010年分との違いを算出すると、最初のグラフにあった「貯蓄額階層による差異無く、生活が厳しくなっている」様子がうかがえる結果が出てくる。

↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比(2010年から2011年への変化)
↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比(2010年から2011年への変化)

多分にイレギュラーな動きも確認できるが、全般的には「食料」「住居」「光熱・水道」など必需品的な項目での支出率が増加し、「交通・通信」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」のような「優先順位が低い項目」の比率が落ちている。これは「やりくりの過程で”どうしても必要なもの”を優先するあまり、”後回しにもできるもの”への配分が減っている」ことを多分に意味している。無論「優先順位が高い項目」の商品において大きな値上げが行われた可能性もあるが、消費者物価指数の動向などを見る限りにおいては、そこまで大きな影響は確認できない。



今回提示したデータも合わせ、家計調査報告のデータはあくまでも平均値なので、すべての事象に当てはまるわけではない。平均値を大きく外れる事象も無論多数存在する。しかし社会全般の動向として、グラフや数字を眺めていると、他にも色々な事柄、世の中の平均的な動向が見えてくるはずだ。

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