タバコ値上げの反動と震災の影響が…コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年5月更新)

2012/05/21 12:10

コンビニ以前コンビニ(コンビニエンスストア)の売り上げ動向をチェックしたが、その記事展開からちょうど一年が経過したこともあり、今回はそのデータを更新する。一昨年のたばこ値上げによる「値上げ直前の特需とその直後における反動による大きな動き」の影響や、昨年3月に発生した東日本大地震・震災が、コンビニの売り上げにどのような変化が生じたか。前者については「たばこ」が属する「非食品」項目に注意しながら、商品構成別売り上げ推移をグラフ化してみることにしよう。

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使うデータは【経済産業省の商業動態統計調査】のもの。ここから【統計表一覧】を選び、コンビニ販売額について2012年3月まで時系列(確報)データを抽出し、それを利用することにする。

まずは年次データ。合計値は既存店のみ、各項目は全体(既存店に新店舗含む)を対象とし(公開値では「各項目・既存店」が存在しない)、データが公開されている1999年以降のものをグラフ化する。

↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(1999年-/前年比、全店=既存店+新店舗
↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(1999年-/前年比、全店=既存店+新店舗)

2008年は「タスポ効果」で大きく売り上げを伸ばしたコンビニ業界。2009年においても前半期ではその効果が継続しており、「非食品」はプラスだったことが分かる。しかし他にプラスを維持できたのは「サービス」のみで、「日配食品など」「加工食品」はマイナス、そして「合計」はギリギリでプラスのところまで落ちている。

2010年に入るとタスポ効果も終息。10月の値上げ直前による駆け込み需要も値上げ後の反動で吸収され、年ベースでは2009年よりもさらに「非食品」の伸び率は低下。「加工食品」「日配食品」の健闘のおかげでどうにか「合計」も伸び率の上ではプラスを維持出来たが、動きとしてはさえない。一方2011年はその「さえない」動きを見せた2010年の反動(「前年」比で計算されるから)に加え、震災起因による一部商品の特需が発生し、特に「非食品」(乾電池や懐中電灯なども含む各種雑貨もこの項目)が大きく伸びることとなった

また、次のグラフにあるように、既存店のみの売上(前年も存在した店舗の売り上げのみを計上し、新規店舗分は付加しない)は、1999年以降は「1999年」と「タスポ効果が明らかな2008年」以外はすべてマイナスとなっていた。そして直近の2011年は「たばこ値上げ騒動の反動」と「震災特需」で大きくプラスに転じたことになる。いずれにせよコンビニでは「よほどの突発的な出来事が無い限り、新展開の店舗の売上の積み増しで全体額のアップを支えている」感がある。

↑ コンビニエンスストア売上推移(1999年-/前年比、既存店のみ)
↑ コンビニエンスストア売上推移(1999年-/前年比、既存店のみ)

続いて月次データを。今件ではリーマン・ショック云々はさほど関係がないので、取り扱い範囲を2007年1月以降にする。タバコの値上げ絡みの動きや震災の影響がより分かりやすいよう、2010年以降に限ったグラフも併記しておこう。

↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2007年-/前年同月比、既存店)
↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2007年-/前年同月比、全店)

↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2010年-/前年同月比、既存店)
↑ コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2010年-/前年同月比、全店)

「タスポ効果」(タスポ導入により、コンビニでたばこを買う人が急増した)によりもたらされた2008年5月以降の「非食品」の急激な伸びがひとめで分かる。合計売上も大きく伸びており、他の分野でも一部プラスを見せていることから、相乗効果も合わせてコンビニの業績に大きく貢献している。一方で2009年後半以降は反動で、非食品がマイナスに転じ、他の項目もそれにつられる形でマイナスに転じたり、マイナス幅を大きくしているのが確認できる。

また、「タスポ効果」以前に「非食品」の大きな上下が起きているが、これはグラフ中に記したように、2007年6月は1年前のたばこ値上げ直前の駆け込み需要の反動、2007年7月はたばこ値上げ後の買い控えの反動によるもの。似たような動きがもっと大規模に、2010年10月のたばこ値上げに伴い発生している(2010年9月に大幅増・10月に大幅減)のも見て取れる。

2011年はやや状況が複雑で、「2010年のタスポ効果反動」の反動による底上げでややプラスへ、震災以降は特需発生によるプラス化・「サービス」の自粛行動によるマイナス化、そして2011年9月以降は「2010年10月のたばこ値上げに伴う乱高下」の反動による大きな振れが生じている。「非食品」の動きだけを見ても、「震災起因の需要増加も小さからぬ影響を与えているが、それにも増して2010年10月のたばこ値上げの影響は大きく、持続性は低いものの2008年のタスポ効果すら上回っていた」のが改めて実感できる。



グラフの形で売上推移を見ると、昨今の「タスポ効果」「値上げ前後の動き」だけでなく、コンビニの売上が「たばこ」(や【「タスポ効果」が一目瞭然・コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる】で記述した「ハイウェイカード」)に代表される、「世の中の1システムの変更」で左右されることが多いことが分かる。とりわけここ数年においては、「たばこ」に影響を受けている。

また今般の震災による影響も確認でき、特に「サービス」部門での4月以降の減り様は注目に値する。コンビニがいかに日常生活に密着しているかを再確認できる次第ではある。


■関連記事:
【コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる(2011年1月時点)】

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