「非鉄金属」「機械」の上昇は昨年のリバウンドか・前年同月比でプラス5.1%(2012年4月分大口電力動向)

2012/05/20 06:45

電気事業連合会は2012年5月18日、2012年4月分の電力需要実績の速報を発表した。それによると同年4月の電力需要(使用量)は10社販売電力量合計で701億kWhとなり、前年同月比でプラス1.0%を記録した。産業用の大口電力需要量は前年同月比でプラス5.1%を記録し、2か月連続して前年同月の実績を上回ることになった。先月に続き、前年同月が大きく下げた反動も多分にあるものと考えられる(【発表リリース、PDF】)。

スポンサードリンク


今調査の概要および用語解説は過去の記事をまとめた一覧ページ【大口電力使用量推移(電気事業連合会発表)】で説明をしている。そのページでチェックしてほしい。

2012年4月においては大口全体で前年同月比プラス5.1%。「前年同月比」というしばりがあるが、それだけ工場の施設の稼働率が(昨年の同じ月と比べて)増えたことになる。

大口電力使用量産業別前年同月比(2012年03月-2012年04月)
↑ 大口電力使用量産業別前年同月比(2012年03月-2012年04月)

今月は複数項目で前年同月比プラス、特に「非鉄金属」「鉄鋼」1割強のプラスを見せており、頼もしい結果に見える。ただし1年前の記事を見ればお分かりの通り、2011年3月以降は東日本大地震・震災の影響を受けて物理的な電力需要の減退、さらには電力需給の問題からの節電を余儀なくされており、その反動によるプラス化もあるため、一概に諸手を挙げて喜ぶわけにもいかない。特に今回大きく上げた「鉄鋼」「非鉄金属」「機械」のうち後者二つは、1年前は大きく下げており、単なるリバウンドに過ぎない感は否めない。

先月比のグラフでは短期はともかく中長期の流れをつかむことは難しい。そこで記録保全の意味も含め、2007年1月以降の全産業別の前年同月比推移グラフを掲載しておく。

大口電力使用量産業別前年同月比推移
↑ 大口電力使用量産業別前年同月比推移(2007年1月以降)

中期的な大口電力使用量の動向としては、「2010年4月を天井に、同年3月までの急速回復傾向がやや失速に転じた後の、安定成長期に移行したように見え」た動きが2011年3月で止まり、それ以降は大きく下落しているのが改めて確認できる(無論東日本大地震・震災を直接・間接起因とするもの)。また直近数か月ほど前までは多くの項目でマイナス圏での推移が続いており、工場の物理的な損害以外に、(原材料の調達不足、タイムシフト・デイシフトをはじめとする各種節電対策など)多種多様な稼働率・生産調整が影響している様子が見て取れる。

先月以降は「震災による大きな減少」からの反動の色合いが強く、多数の項目で大きく跳ねている。しかしリバウンド的な跳ねも一時的なもので、早くも今月4月では失速状態が見て取れる。今回の2012年4月・全体値の「前々年」同月比はマイナス0.11%という計算になる((100%-0.62%)×(100%+0.51%))ことも合わせ知っておいて損は無い。。

今件大口電力は国内景気(内需)を推し量る物差しとなる指標の一つ。被災した工場の物理的復興は相当率なものとなったが、(電力の安定供給を含めた)回復を望めず生産施設をたたんでしまった事例をはじめ、節電対策による消費電力減退、景気低迷に伴う生産調整など、生産力の数字的低迷は否めない。そして先日夏期における対策が発表されたように、電力周りの問題はクローズアップされていく。

今後も全体の需給の流れと共に、特に製造業の動向を間接的に確認できる、大口電力の動向は注意深く見守っていきたい。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー