携帯電話と「今、すぐここでこの情報が欲しい」との関係

2012/05/19 12:00

携帯電話アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年5月7日、インターネット接続機能を持つ携帯電話と「リアルタイムで、今その場で欲しい情報を手にしたいとの需要」(要は「ジャストインタイム」、必要なものを・必要な時に・必要な量だけ的な需要)に関する調査報告書【Just-in-time Information through Mobile Connections】を発表した。今回はその中から、「携帯電話所有者全体における『情報のリアルタイムな需要・取得行動性向』」についてチェックを入れることにする。

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今調査は2012年3月15日から4月3日にかけてRDD方式で選ばれた電話番号に対して電話によるインタビュー形式で、アメリカ国内に住む18歳以上の男女を対象として英語とスペイン語で行われたもので、有効回答数は2254人。回答した電話のうち固定電話は1351人、携帯電話は903人(そのうち固定電話を持たない人は410人)。インターネット利用者は1803人、携帯電話(スマートフォン含む、特記無き限り以下同)所有者は1954人。回答結果には国勢調査の値によるウェイトバックが行われている。

冒頭で触れたように携帯電話における普及率の向上と、インターネット接続を容易にした環境整備は、人の「情報への願望」における姿勢に小さからぬ変化をもたらした。移動中でもリアルタイムで情報を取得し、発信できる環境が言葉通り「手のひらに納まる」ことで、人々の情報との接し方、要望は変わりつつある。

今調査では現状認識として、携帯電話保有者(調査母体の86.7%)に対し、住宅内やオフィスなどのような一か所に留まらなくとも、情報を取得できる状況に際し、どのような行動をしているかについて確認している。

最初は「過去一か月間」に「調べたい」と思った事が生じた際にその願望を満たすため、携帯電話経由で何らかの調査確認をした経験があるかないかというもの。全体では7割の人が「携帯電話経由で自分の好奇心・必要性を果たすため、調べ物をした」と答えている。

↑ 過去30日間に「調べたいことがある」と思った時に自分の携帯電話でその内容を調べたことがあるか(米、2012年3-4月、携帯電話保有者限定)
↑ 過去30日間に「調べたいことがある」と思った時に自分の携帯電話でその内容を調べたことがあるか(米、2012年3-4月、携帯電話保有者限定)

全体では70%の人が「過去一か月に『調べたい』と思った時に携帯電話を使って調べ物をした」ことがあると答えている。男女別では男性の方がやや多い。

興味深いのは各属性毎の動きで、デジタル系のアイテムの所有比率と似たような動き、すなわち「若年層」「高年収」「高学歴」ほど高い割合で「携帯電話で自分の情報需要を充足させるために調べ物をした」と答えている。実業における必要性、デジタル機器への傾注度がそのまま「携帯での調べ物」につながっているのかもしれない。また、子供がいる世帯の方が7ポイントほど高めなのは、子供のいる世帯の方が「調べねばならない情報・機会」が多いから、と考えた方が無難である。

これをいくつかの具体的事例に区分し、それぞれ「過去一か月間にしたことがあるか」否かで聞いたのが次のグラフ。上のグラフの世代別動向を見れば分かるように、一般的には若年層ほど高い値となっている。

↑ 過去30日間に次のような理由で「調べたいことがある」と思った時に自分の携帯電話でその内容を調べたことがあるか(米、2012年3-4月、携帯電話保有者限定)
↑ 過去30日間に次のような理由で「調べたいことがある」と思った時に自分の携帯電話でその内容を調べたことがあるか(米、2012年3-4月、携帯電話保有者限定)

全般的に40代までは高めの値を示し、50代以降は回答率が急激に落ちる。携帯電話を使った、リアルタイム性が高い情報取得行為性向は、40代あたりで一つの境目がありそうだ。

一方で今件項目では唯一「困った時の対策、手立てを携帯電話経由で探した」が世代間格差が比較的低い値を示している。緊急事態における「わらをもつかむ思い」ならぬ「携帯電話を操る思い」は世代を超えるようではある。


■関連記事:
【ツールを使ったコミュニケーションは「通話」から「メール」「サイト」へ(2011年版情報通信白書より)】

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