去年よりはやや改善…大学生の今年3月末時点での就職率は93.6%・前年比2.6ポイントのプラス

2012/05/16 06:45

厚生労働省は2012年5月15日、2011年度(2011年4月1日-2012年3月31日)大学等新卒者の就職状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2012年4月1日(3月末)時点での大学新卒者の就職率(就職希望者に占める就職(内定)取得者の割合)は93.6%だったことが明らかになった。これは昨年よりは2.6ポイント改善されている(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職(内定)状況】も発表されており、それによれば高校新卒者の就職(内定)率は96.7%となり、昨年同期から1.5ポイントの上昇を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2012年4月1日時点で大学の就職率は93.6%。前年同期と比べて2.6ポイントのプラスとなる。

↑ 中卒-大卒の就職率(2012年3月末時点と2011年同時期)
↑ 中卒-大卒の就職率(2012年3月末時点と2011年同時期)

元々短期大学の就職率は低い傾向にあるが、今年は幸いにも他の学歴同様に多少ながら上昇した。とはいえ、就職を希望している人の1割強が「就職したいのに就職先が見つからない状態」と厳しい状態なのが分かる。就職率が最も高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2011年版)】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。また今回では文部科学・厚生労働両省で定められた、中学卒業予定の学生に対する内定開始期日(2012年1月1日以降)を過ぎているため、中学卒業予定者のデータも盛り込まれているが、昨年同様厳しい状態にある。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職率(2012年3月末時点と2011年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2012年3月末時点と2011年同時期)

昨年同時期と比べていずれも高い値を見せている。そして今回においては国立・私立共に女性が男性よりも高い就職率を示しているのが分かる。

直近9年間における内定率推移をグラフ化すると、次の通りとなる。昨年・一昨年よりは改善しているのがうかがえる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

今件グラフ範囲内だけで見ると「ようやく状況は回復してきたか」との感想を得られる。一方でこのグラフの左側に位置する2003年以前は、21世紀初頭のいわゆる「IT不況」の時期にあり、大学生の就職率も91-92%での低迷をしばらく続けていた。今回の93.6%と比べると1-2ポイント低く、その観点では「10年ほど前の低迷期と比べれば状況はまだまとも」なのが理解できる。



高卒者の内定率もわずかに上昇している。内容を確認すると高校新卒者においては、

・求人数は20.9万人。前年同期で6.5%増
・求職者数は16.0万人。前年同期で2.1%増
・就職(内定)者は15.5万人。前年同期で3.7%増

という値となっている。求人数が大幅に増え、求職者は増加。結果として(高卒者側から見れば)就職状況はやや改善の動きを見せている。求人倍率は1以上(1.30)と、「求人数>>求職者数」ではあるが、企業と求職者のマッチングを考えれば、未だに厳しい状態に違いは無い。

また【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】でも指摘しているが、中高生は正社員以外(非正規雇用)の雇用形態比率が大きいことから、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性も多分に考えられる。さらに【3年で中卒者は2/3、高卒者は4割が離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2011年版 子供・若者白書)】で指摘している通り、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い傾向にある。一概に諸手を挙げて喜ぶのは、時期尚早のようだ。

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