そろばんやスポーツ、外国語会話など…高校生までの学校外活動費動向をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/12/27 15:50

中学、高校になると子供の学校外学習は塾や家庭教師がほとんどになるが、小学生までではスイミングスクールやサッカー、習字やそろばんのような、勉強とは直接結びつきが無い「習い事」にいそしむ場合も多い。これらの費用は平均でどれほどのもの額なのだろうか。今回は文部科学省が2015年12月24日に公開した、最新版となる2014年度版「子供の学習費調査」の概要を基に、これら野外活動やスポーツ系・文化系の習い事がメインの「学校外活動費内・その他の学校外活動費」(要は「学校外活動費」のうち、「補助学習費」=「家庭教師や学習塾」以外)について学年別の詳細をまとめ、状況を確認していくことにする(【発表リリース:結果の概要−平成26年度子供の学習費調査】)。

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私立学校通いは習い事への出費も多い


子供の学習にかかる費用は「学習費(総額)」と呼ばれている。これは「学校教育費(授業料やPTA会費、制服、遠足代など)」「学校給食費」「学校外活動費(家庭内学習費や各種塾月謝、図書費など)」から構成されるものである。今回はこのうち最後の「学校外活動費」のうち、家庭内での自主勉強用費用、家庭教師費、学習塾費(これらを合わせて「補助学習費」と呼ぶ)「以外」の費用、具体的にはボーイスカウト・ガールスカウトの経費、絵画教室やピアノ教室の月謝、そろばんや習字、各種スポーツ系の習い事の月謝などを対象とした「学校外活動費内その他の学校活動費」について確認をしていく。

まずは学年別の全体額だが、文化芸術系への習い事の参加は小学生時期に多く、結果として活動費も小学生の期間で高い値を示している。

↑ その他の学校外活動費(万円)(2014年度)
↑ その他の学校外活動費(万円)(2014年度)

全般的には公立(学校在学者)よりも私立(学校在学者)の方が高め。しかも小学生の時期には差異がかなり大きなものとなる。公立よりも私立の方が高い理由としては多種多様なものが想定できるが、「私立に通わせるほど保護者が教育熱心」「私立に通わせるほど教育費に充てられる家計上の余裕がある」などが主なものと考えられる。実際、公開されている詳細値を見る限り、公立・私立それぞれにおいて世帯年収が高い世帯ほど、さらに同一世帯年収層では公立よりも私立の方が「学校外活動費」は高めの値が出ている。

これらの額について、やや詳細区分化した上で積上げた形のグラフを、私立・公立別途に作ったのが次の図。比較がしやすいよう、額面を表す縦軸は同じ仕切りで作成してある。

↑ その他の学校外活動費(公立)(円)(2014年度)
↑ その他の学校外活動費(公立)(円)(2014年度)

↑ その他の学校外活動費(私立)(円)(2014年度)
↑ その他の学校外活動費(私立)(円)(2014年度)

公立より私立の方が、そして小学生の期間で特に額が積み増しされているのが改めて確認できる。私立でもっとも大きな額面を示しているのは小学1年生。総額34.4万円のうち、「芸術文化活動」だけで11万円強、「スポーツなどの活動」で9万円強を年ベースで出費している。それ以外の項目の費用もそれぞれ公立と比べて大きな額となり、私立の活動費を公立と比べて大きなものにしているのがしっかりとつかみとれる。

一方で公立・私立共に「その他の学校外活動費」は学校種類区分では小学校がピーク。中学校、高校と進学するに連れ、額面は減少していく。先行記事にある通り、同時に塾や家庭教師費用などから成る「補助学習費」が上昇していくことと合わせて考えれば、子供の学校以外での学習が、各種文化スポーツから勉学へとシフトしていく状況が理解できよう。

公立は私立の何倍にあたるか


次に示すグラフは、単純に各年・各項目別の私立・公立の額面を比較し、私立は公立の何倍に当たるかを計算したもの。あくまでも「同じ状況下で同じ対象に、私立・公立通いをさせている世帯の活動費の比率の上での違い」を表しているのみのものとなる。頻度や時間は一切考慮されていない。

↑ その他の学校外活動費・私立額面の公立額面に対する割合(何倍か)(2014年度)
↑ その他の学校外活動費・私立額面の公立額面に対する割合(何倍か)(2014年度)

中学3年生の「体験・地域活動」の値が大きなものとなり、あまり体裁の良くない図が出来上がってしまった。昨今導入された「ダンス」によるものかとの判断もできそうだが、それならば他学年でも似たような動きがあるはず。それ以前に「体験活動・地域活動」は具体的定義として「ハイキングやキャンプなどの野外活動、ボランティア活動、ボーイスカウト・ガールスカウトなどの活動に要した経費」とあり、ダンスは含まれていそうにない。ダンスはむしろ「芸術文化活動」(ピアノ、舞踊、絵画などを習うために支出した経費、音楽鑑賞・映画鑑賞などの芸術鑑賞、楽器演奏、演劇活動などに要した経費)が該当しそうだ。

前回、前々回調査分と合わせ、「体験・地域活動費」の動向を見ると、公立はほとんど変化が無いが、私立では中学三年生で漸増している様子が分かる。

↑ 体験・地域活動費(中学生)(2010年度-2014年度、円)
↑ 体験・地域活動費(中学生)(2010年度-2014年度、円)

「体験・地域活動費」の具体的項目内に、私立中学校で導入が活性化したような項目は見つからない。あるいは内申書の評価の底上げを狙った動きかもしれない。ただし「体験・地域活動」は元々額面自身が小さいため、私立における公立比の倍率は高くとも、「その他の学校外活動費」全体に与える影響は小さいものとなっている。

その「体験・地域活動費」を除けば、「芸術文化活動」「スポーツ等活動」「教養・その他」は大体2倍前後までに収まっている。ただし「芸術文化活動」「スポーツ等」は小学生の前半期において、やや高め、つまり公私の差が大きい結果が出ている。



私立・公立共に中学、そして高校に進学すると、「その他の学校外活動費」は小さなものとなる。学校で本格的に部活動が始まり、勉学の面でも学校の授業そのものやそれに関連する学習塾・家庭教師との勉強に注力する必要があり、「その他の学校外活動」に充てる時間が無くなるのが実情。

見方を変えれば、時間にある程度余裕がとれる小学生時分のうちに、子供自身は(費用をかけるか否かは別として)「その他の学校外活動」にも勤しんで欲しいものである。保護者も配慮をしてほしいものだ。


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