私立学校の学費は公立の約2倍から5倍近く…幼稚園・小中高校までの年間学習費総額をグラフ化してみる(最新)

2018/01/04 05:08

2018-0103文部科学省は2017年12月22日、2016年度版「子供の学習費調査」の概要を発表した。それによれば子供の学習費総額は学校の段階種類別で違いがあるものの、私立は公立と比べて大体2倍から5倍近く高額となることが分かった。特に小学校時代は差が大きく、4.74倍もの差が生じている(【発表リリース:結果の概要−平成28年度子供の学習費調査】)。

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公立は中学校、私立は小学校が一番かかる学習費


今回取り上げる「学習費総額」とは、「学校教育費(授業料やPTA会費、制服、遠足代など)」「学校給食費」「学校外活動費(家庭内学習費や各種塾月謝、図書費など)」で構成される。要は子供の学習関連で発生する費用の総計。直近2016年度(2016年4月1日-2017年3月31日)における学習費総額だが、幼稚園が公立23.4万円・私立が48.2万円(年次、以下同)。小学校が公立32.2万円・私立152.8万円で、私立の方が高い結果が出ている。

↑ 学校種類別子供の学習費総額(万円/年)(2016年度)
↑ 学校種類別子供の学習費総額(万円/年)(2016年度)

↑ 学校種類別子供の学習費総額(各学校の公立額を1.00とした場合の私立額)(2016年度)
↑ 学校種類別子供の学習費総額(各学校の公立額を1.00とした場合の私立額)(2016年度)

↑ 学校種類別子供の学習費総額変移(2014年度→2016年度、万円)
↑ 学校種類別子供の学習費総額変移(2014年度→2016年度、万円)

公立と比べて私立に通う子供の学習費がかかるのは、あらゆる面で経費がかさむため。特に授業料の差が著しい。前回調査2014年度分と比較すると、高等学校以外では私立の額が多少下がっているが、その分高等学校が大きく上昇している。公立では幼稚園や小学校がやや上がったが中学校では下落、しかし高等学校では私立同様に大きな上昇が見受けられる。

相対比率を見れば分かる通り、幼稚園・中学校・高等学校では公立と私立の差異が2倍台に留まっているが、小学校では5倍近くの差が開いている。これは「学校教育費」の差もさることながら「学校外活動費」の差が大きなものとなっているため。

↑ 小学校における公立・私立の学習費内訳(万円/年)(2016年度)
↑ 小学校における公立・私立の学習費内訳(万円/年)(2016年度)

今件データに限れば、小学校での学校教育費は公立と私立で14.5倍もの差が生じていることになる。またこれらの値はあくまでも「年額」であることに注意。例えば小学校課程は6年のため、小学校を卒業するまでには(単純計算で)この6倍がかかることになる。私立ならば学習費は総額で920万円近く。

経年で金額の変化を確認する


これを経年推移で見たのが次のグラフ。私立小学校は未調査期間があるため一部欠けているが、それ以外は多少の起伏はあるものの、高校の近年期間を除き、ほぼ横ばいで推移している。他方、この数年では特に私立でいくぶんの上昇傾向も見受けられる。

↑ 学校種類別学習費総額推移(万円/年)(幼稚園・小学校)
↑ 学校種類別学習費総額推移(万円/年)(幼稚園・小学校)

↑ 学校種類別学習費総額推移(万円/年)(中学校・高等学校)
↑ 学校種類別学習費総額推移(万円/年)(中学校・高等学校)

高校の動向にはやや特殊な事情がある。まず私立高等高校の2008年度の減少だが、詳細を見ると「学校教育費」に変化は無く「学校外活動費」が大きく削られた結果である。単なるイレギュラー、あるいは2007年夏に始まる金融不況に伴い、塾など習い事の切り詰めが起きた可能性が高い。

そして2010年度における私立・公立双方高校の減少は「学校教育費」の減少を起因とするもので、これは「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(いわゆる「高校無償化法」)の施行に伴うもの。学習費の上では明らかに減少しており、非義務教育ではあるものの、高校就学にある生徒を持つ世帯の負担軽減が確認できる。

一方で世帯全体としての負担の軽減に役立ったか否かは、「事実上義務教育化しているとはいえ、公的には義務教育では無い高等学校就学に対する授業料を国費で負担する必要があるのか否か」との問題なども併せ、さらなる検証が必要とされる。

他方中学校以下では、私立小学校と私立中学校で漸増の傾向が見受けられる。「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3項目すべてて漸増しており(私立中学の学校外活動費は横ばいだが)、何か特定の要因によるものでは無い。私学はますますコスト高となりつつあるようだ。


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