夫婦世帯では84.2%、単身世帯だと…乗用車の普及率現状(2012年)

2012/05/14 06:40

先日の記事【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】を皮切りに、内閣府の【消費動向調査】で取得できる公開値を元にした、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率に関連する分析記事の、2012年分へのデータ更新を行っている。今回は【携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2012年版)】のパターンを継承する形で、直近2012年3月末時点における乗用車の普及(=保有)状況について見て行くことにした。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

全般的な世帯普及率だが、単身世帯は42.5%、一般世帯は84.2%。一人身は5人に2人、二人以上世帯では5世帯に4世帯強が乗用車持ちという計算になる。

↑ 乗用車世帯主性別普及率(2012年3月末)
↑ 乗用車世帯主性別普及率(2012年3月末)

必要性・運用経費の負担を考えると、単身世帯の普及率が低いのは当然といえる。特に単身女性は10人に3人という低い普及率なのが確認できる。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯における」では無いので要注意。保有状況の把握としては、こちらの値の方がイメージしやすい。

↑ 乗用車世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)
↑ 乗用車世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)

単身世帯はほぼ1台。本人自身しか世帯に居ないのだから、当然の話。中には趣味趣向で、あるいは仕事の関係で複数台保有している単身者もいるため、1台をわずかに上回る値が出ている。一方一般世帯では大体1.6台前後。世帯主以外に配偶者が別途保有している事例が多々あることを意味している。【「子供の送迎」「家族旅行」そして何よりも……ママドライバーの自動車利用方法とは?】にもある通り、子供の送迎や買い物への利用などで使われるパターンである。

続いて世代別保有率。単身世帯に限り、より詳しい区分の値も用意されているので、二つまとめて生成する。

↑ 乗用車世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)
↑ 乗用車世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)

↑ 乗用車世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)
↑ 乗用車世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)

どの世代でも単身世帯よりも一般世帯の方が普及率は高い。また、女性一般世帯の「100%」はややイレギュラーな感があるが、それ以外は概して中堅層、単身世帯で細かく示されているところでは40代の保有率が一番高い。金銭的余裕・行動力の高さ・必要性の増加など、多種多様な要因がこの世代での普及率を押し上げている。

高齢層の動向では男性が単身世帯でもそれなりの普及率を示しているのに対し、女性が極端に低い値となるのが印象的。「自分自身のための移動手段」としての自動車への考え方の違いが表れているのかもしれない。

次に世帯主年収別普及率。

↑ 乗用車世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)
↑ 乗用車世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)

一般世帯では「400-550万円未満」までは年収と共に増加する動きを見せ、それ以降はほぼ横ばい。最高年収区分でやや下がるのは、該当する世帯の世代と浅からぬ関係(高年収≒高齢のため、乗用車の保有・運転を敬遠している)があると見た方が妥当。

気になるのは単身世帯。年収「300-400万円未満」以上はほぼ横ばいだが、「300万円未満」では普及率が一挙に33.5%に下がる。必要性が薄い以上に金銭的に抱えきれないのが理由と考えて間違いないが、厳しい現実でもある。

最後に世帯主の居住地域別普及率。

↑ 乗用車世帯主居住地都市規模階級別普及率数(2012年3月末)
↑ 乗用車世帯主居住地都市規模階級別普及率数(2012年3月末)

「別掲大都市」とは県庁所在地以外の大規模な都市を意味し、具体的には「札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京23区、横浜市、川崎市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市」が該当する。

「-の自動車離れ」という話が出てくる毎に言われている、「それは大都市圏だけ。地方では自動車が生活必需品であることに違いは無い」という話。それがある程度裏付けられる結果が出ている。人口5万人未満の市町村では、人口5万人以上の市よりも概して普及率が高く、さらに自治体の規模による差異はあまり無い。

ところが人口5万人以上の市では「規模が大きな自治体居住世帯ほど、乗用車の保有率が下がる」傾向がある。特に単身世帯の別掲大都市では、その傾向が顕著に出ている。

もちろんこれらは「大都市圏ほど公共交通網(バス、電車など)が普及している」「多種多様な施設が近場にある」などの理由で、居住者にとって乗用車を保有する必然性が低くなるのが要因である。同時にそのような地域では、駐車場の確保の点でランニングコストが高くなるのも、普及率を押し下げている(大都市圏の駐車場代で、地方では賃貸住宅が借りられるという、冗談にもならない話が往々にしてあるのが実情)。



最後のグラフで触れた「-の自動車離れ」と「地方圏では自動車離れは起きていない」という話。これは自動車の販売動向、さらには自動車文化そのものを語る際にも挙げられる、興味深いテーマではある。

この点については今回のデータを元に、機会をあらため、もう少し別の視点から眺めていくことにしたい。


■関連記事:
【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(下)……乗用車やエアコン、デジカメなど(2012年分反映版)】

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