シニア層の単身世帯では6割台に留まる…携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2012年版)

2012/05/13 06:40

2012年5月6日に公開した記事【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】などにある通り、内閣府の【消費動向調査】にて公開されている値を元にした、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。「長期」とは1年以上を指す)の普及率に関する分析記事の、2012年分へのデータ更新を行っている。今回は番外編として、過去には作成しなかった視点からの切り口、最新の2012年分の値から携帯電話の普及状況について見て行くことにした。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

全般的な世帯普及率だが、単身世帯は75.1%、一般世帯は94.5%。一人身は4人に3人、二人以上世帯では20世帯に19世帯が携帯電話持ちという計算になる。

↑ 携帯電話世帯主性別普及率(2012年3月末)
↑ 携帯電話世帯主性別普及率(2012年3月末)

女性の方が普及率が低いのは意外に見える。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯における」では無いので要注意。保有状況の把握としては、こちらの値の方がイメージしやすい。

↑ 携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)
↑ 携帯電話世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)

単身世帯はほぼ1台。本人自身しか世帯に居ないのだから、当然の話。一方一般世帯では2台を超えた保有状況。回答者に加えて配偶者、さらには子供の保有も想定される(もちろん本人などが複数台保有の事例もある)。

続いて世代別保有率。単身世帯に限り、より詳しい区分の値も用意されているので、二つまとめて生成する。

↑ 携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)
↑ 携帯電話世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)

↑ 携帯電話世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)
↑ 携帯電話世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)

高齢者でも一般世帯は比較的高い普及率を有している。これは子供、あるいは配偶者が保有している場合(ただし配偶者の場合には世代的に同じ可能性が高く、「若いから」という理由にはならない)、さらには回答者本人が保有していても使い方などを教えてもらえるなど「使える環境」が整っていることを意味する。

一方で単身世帯では高齢層の保有率がグンと下がる。これは下の「単身世帯だけの詳細世代別普及率」のグラフからも明らか。60代で10ポイントほど、そして70代でさらに20ポイント以上の下落が起きている。携帯電話の使用スタイルを想定すれば、「昔使っていて今は使っていない」状況は考えにくく、高齢者ならなおさら「今まで自分の携帯電話を保有・利用したことは無い」という事例は多数あるものと考えられる。そのような立ち位置の時、周囲から操作方法を教えてもらえるような環境がなければ、保有に躊躇してしまうのは理解できる。

無論携帯電話関連会社は各社とも、そのような状況の改善に向けてさまざまな施策を打ち出している(一例:【ケータイ安全教室】)。今後はさらにこの動きを強化させるだけでなく、自動車免許のように定期講習を受講させて、クリアした人に疑似免許と携帯電話本体を渡す(購入させる)ような、ソフトとハード一体型のサービスの検討もなされてしかるべきだろう。

最後に世帯主年収別普及率。

↑ 携帯電話世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)
↑ 携帯電話世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)

世帯年収が300万円を超えると、普及率は9割を超える。後は400万円超でほぼ100%。単身世帯では93%台で頭打ちになるのは、上記にある「単身世帯での高齢者の保有状況」を反映してのものと考えてよい。

問題なのは300万円未満の単身世帯層。この仕切りによる属性分けでは唯一7割を切っている。先の高齢者層と比べればまだ高い方だが、それでも携帯電話の必要性を鑑みれば、10人に3人強が非保有という状況は、デジタルデバイドの観点からすれば、良い状況では無い。



「消費動向調査」には他にも区分分けによる結果が示されており、例えば「年金生活者は保有率が低い」(年収や世代と深い関係)、「無業者はそうで無い人と比べて保有率が低い」(年収との関係)、「関東地区居住者は他地域と比べて保有率が高い」などの動きが確認できる。

今や日常生活には欠かせない存在となりつつある携帯電話。その普及状況を推し量る事は、社会全体の流れを知る上で欠かせない。その検証の際、「消費動向調査」の各値はきっと役に立つに違いない。


■関連記事:
【数字の上では「国民全員が携帯電話かPHS保有者」…総務省2011年12月末の状況を発表】

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