単身世帯でも3/4達成…携帯電話の普及率推移(2012年)

2012/05/11 06:50

先日から2012年5月6日に掲載した【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】などにもある通り、内閣府の【消費動向調査】で公開されている値を基にした、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率に関連する分析・グラフ生成記事の最新値へのデータ更新を行っている。今回は以前掲載した携帯電話の普及率推移をグラフ化した記事の更新、すなわち最新の2012年分データを反映したものを生成することにした。「消費動向調査」のみに限らず他調査・報告に絡む値もあるが、逐次解説を加えて行くことにする。

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まずは、別記事で毎月契約数の確認をしている電気通信事業者協会(TCA)の契約数推移。これを日本の総人口で割れば、単純な「契約数上の」普及率は算出できる。日本の人口は【総務省統計局内の「人口推計」】から該当する年月のものを取得し、計算したのが次の図。

↑ 携帯電話・自動車電話契約数と契約数を元にした普及率(毎年年末現在、2012年は3月末)
↑ 携帯電話・自動車電話契約数と契約数を元にした普及率(毎年年末現在、2012年は3月末)

年次ベース(2012年は3月末のもの)でグラフ化したが、今世紀に入ってからやや伸び率が低下しているものの、右肩上がりであることが分かる。ただしこれは自動車電話も含み、さらに「契約数」であり、「保有・利用数」ではないこと(一人、あるいは1グループで複数保有している場合など。特に携帯電話の保有状況、携帯電話以外の端末の浸透)も考えると、普及率としてはあまり正確とはいえない。また、2011年では上昇カーブの勾配が急になっているが、これはひとえにスマートフォンの浸透によるもの(通常の携帯電話と併用する人も少なくないため、契約数は単純利用人口以上になる)。

続いて政府関連機関のデータをベースにしたグラフ。まずは【内閣府の消費動向調査】。2002年以降の年次(3月末)データではあるが、携帯電話の普及率が掲載されている(「主要耐久消費財等の長期時系列表(EXCEL形式で掲載)」)。計測開始年度がやや新しいのが残念だが、グラフ化。

↑ 携帯電話世帯普及率(消費動向調査)(単身/一般世帯)
↑ 携帯電話世帯普及率(消費動向調査)(単身/一般世帯)

縦軸の最下方が0.0%ではなく60.0%であることに注意してほしい。また、単身世帯は2005年分からのデータ公開となっている。その上でよく見直すと、2004年から2005年にかけて(一般世帯では)3ポイントほどの減少が見られる。これの原因は不明。可能性としては内閣府の消費動向調査では項目名が単純に「携帯電話」となっており、PHSの項目そのものが見当たらないことから、統計の上でPHSが含まれている可能性がある(この減少時期は、PHSの主力メーカーであるアステルの支部が次々にサービスを停止した時期と一致するからだ)。最新のデータでは一般世帯が94.5%・単身世帯が75.1%。昨年からは1.6ポイント・1.3ポイントの増加。一般世帯では9割を超え、間もなく「20世帯中19世帯までが携帯電話保有者のいる世帯」の時代となる計算。

なお「内閣府の消費動向調査」では同時に「保有数量」についても触れているが、こちらも漸増状態にあり、直近の2012年3月末では「一般世帯・1世帯あたり2.369台」「単身世帯・1世帯あたり0.822台」という計算になる。ここから「保有世帯あたり」の保有台数を試算すると、それぞれ「一般:2.51台」「単身:1.09台」となる。一般世帯では夫婦それぞれが保有し、さらに子供に持たせる場合もある、というあたりか。

携帯電話の普及率が急速に高まっているのは理解できる。しかしもう少し前、NTTドコモによる携帯電話市場の独占状態が崩れた1980年後半あたりからのデータが欲しい。ということで総務省の「電気通信サービスの加入契約数等の状況」(最新は【電気通信サービスの加入契約数等の状況(平成23年12月末)】)からデータを拾い集めてグラフ化したのが次の図。こちらは単身者を含み、携帯電話「のみ(PHS含まず)」のものである。

↑ 携帯電話普及率(総務省調査・単身者含む)
↑ 携帯電話普及率(総務省調査・単身者含む)(「電気通信サービスの加入契約数等の状況」ベース)(2011年は3月末と12月末(現時点で最新))

1995年まではほぼゼロに等しい値で横ばいだった普及率も、それ以降は急速な上昇カーブを見せ、10年後の2005年には約20倍の68.1%にまで拡大しているのがわかる。特に1999年前後以降の伸びが著しいが、この時期には「インターネット接続サービスの開始」「カメラ付携帯電話の登場」など、現在に至るまで携帯電話を支えている主要な機能が相次いで導入されており、これらが大きな成長の支えとなったことは間違いない。そして最新データ(2011年12月末時点)では98.0%。今月中には2012年3月末のデータが公開されるはずなので、その時はあらためてお伝えすることにしよう。



以前【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2012年分データ反映版)】でも触れたように、テレビの普及率はほぼ100%。それと比べればまだ数字的に劣るものの、携帯電話の普及率9割超は、事実上「ほぼ全員」と見なしても良い値。利用する際の技術的なハードルはテレビと比べれば高いが、普及率を見る限りでは「携帯電話が調査母体だから特殊な事例」「携帯電話保有者を対象にしているから、この結果は特異な事例であり一般には当てはまらない」という考え方は、終わりにしても良い。

もっともシニア層の保有率がまだ低めなので、その層を中心とした調査の場合は考慮する必要があるが……。

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