若年層では単身世帯の方が高普及率…パソコンの世帯主年齢階層別普及率動向(2012年)

2012/05/10 06:50

2012年5月6日に掲載の記事【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】に代表される通り、内閣府の【消費動向調査】の最新公開値をベースにし、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率に関するグラフ生成記事、さらには状況の精査の更新を行っている。今回は昨年掲載した、パソコンの世帯主年齢階層別普及率をグラフ化した記事の更新、すなわち最新の2012年分データを反映したものを生成することにした。【午前からお昼過ぎまでパソコンタイム…男性シニアのパソコン・インターネット利用率はピーク時でも7%】【お年寄りのネット嫌い その理由は?】などと合わせ、今後のシニア層におけるパソコンライフを検証する上でも、役立つデータとなるはずだ。

スポンサードリンク


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

「内閣府の消費動向調査」で年齢階層別の調査が行われているのは2004年4月以降各年3月次。そこでそれらのデータを元に、世帯主年齢階層別・パソコン普及率(総世帯)をグラフ化したのが次の図。

また、直近データにおいてはタブレット機の存在が気になるところ。【タブレット機はパソコンか携帯か】でも考察しているように、「タブレット機に関して明確な区分が提起されない時点では、世間一般のイメージからパソコン扱いされるものと判断」しておく(スマートフォンは携帯電話扱いと推測される)。

まずは普及率について。【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2012年分データ反映版)】で提示したパソコン普及率は「一般世帯(2人以上の世帯)」についてであり、今件はそれに「単身世帯」も加えた「総世帯」のものである事に注意。

↑ 世帯主年齢階層別パソコン普及率(総世帯)(3月末時点)
↑ 世帯主年齢階層別パソコン普及率(総世帯)(3月末時点)

「一般世帯(二人以上の世帯)」と比べると10ポイント前後低い値であることが確認できる。逆算すれば容易に分かるのだが、そして後述するが、「単身世帯」のパソコン普及率が低いことが、総世帯の普及率を押し下げている。

また、経年別で見ると、2009年-2010年にややイレギュラー的な動きがあるものの、総じてどの階層でも時間の経過と共に普及率が上昇している。

中堅層の伸びは、普及率ではなく保有数量でも明らか。

↑ 世帯主年齢階層別パソコン保有数量(総世帯)(1世帯当たり)(3月末時点)
↑ 世帯主年齢階層別パソコン保有数量(総世帯)(1世帯当たり)(3月末時点)

特に2009年以降の伸びが著しい。ノートパソコン、ネットブック、そしてタブレット機まで含めた、機動力のあるパソコンの保有によるものと考えてよい。シニア層も増加の動きはあるものの、増加率は極めて緩やかなものに留まっている。ただし2012年に限れば、60歳以降でやや大きな上昇機運があり、今後の動向が気になるところではある。

ちなみに直近2012年における、単身・一般世帯それぞれのパソコン普及率・「保有世帯当たりの」保有台数を示したのが次のグラフ。

↑ 世帯主年齢階層別パソコン普及率(2012年3月末)
↑ 世帯主年齢階層別パソコン普及率(2012年3月末)

↑ 世帯主年齢階層別・パソコン保有世帯当たり保有数(2012年3月末)
↑ 世帯主年齢階層別・パソコン保有世帯当たり保有数(2012年3月末)

全般的には単身世帯よりも一般世帯の方が、パソコンの環境は整備されている。しかし30歳未満に限れば単身世帯の方が高い保有率を見せており、いわゆるマニア的な層による値のかさ上げが想像される。また60歳以上の単身世帯での保有率は異様なまでに低く、「一人暮らしの高齢者が、教えてもらう人もおらず、パソコンに興味があったとしても保有できない状態」が容易に想像できる結果となっている(無論、経済的な面も理由の一つとして考えられる)。

「お年寄りのネット嫌い その理由は?」にもあるが、シニア層がパソコン≒インターネットを苦手とする理由は、環境を整えるためのコスト高に加え、むしろそれ以上に「必要性が感じられない」「使い方が分からない、教えてもらえる人がいない」など、啓蒙・情報伝達部分によるところが大きい。「どのようなものかよく分からないし、小難しいし、やったところで何か得するわけでもなさそうだし」というわけだ。見方を変えれば、適切な指南と環境の整備を行うことで、この層がインターネットに触れる、利用を始める可能性は高い。

↑ 自宅でインターネットを利用しない理由(複数回答)(インターネット未利用者、一部項目抜粋)(年齢階層別)
↑ 自宅でインターネットを利用しない理由(複数回答)(インターネット未利用者、一部項目抜粋)(年齢階層別)(再録)

今後ますます増加する高齢者に向けて、インターネット環境を有効に活用し、便利さを享受してもらうには、言葉通り「手取り足取り」学んでもらう場が求められる。例えば学校や塾のようなものを、公営で運営するのもありかもしれない。また利用ハードルを押し下げる工夫を凝らしたハードの展開(タブレット機が適切だと個人的には考える)も必要であり、その方面での状況の進展が期待される。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー