若年層の若年層新車普及率低下、3割を切る…年齢階層別乗用車普及率動向(2012年)

2012/05/09 06:50

2012年5月6日に掲載した【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】などにある通り、内閣府の【消費動向調査】の公開データをベースとし、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率についての分析・グラフ生成記事のデータの最新値への更新を行っている。今回は以前掲載した年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化した記事の更新、すなわち最新の2012年分データを反映したものを生成することにした。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)

若年世帯主の普及率が低いのは相変わらず。昨年まで続いていた上昇機運も2012年には反転して下落。再び60歳以上の値を下回る結果が出てしまっている。昨年2011年の記事では「もう数年かけて動きを見守る必要がある」としたが、上昇傾向は早くも打ち止めとなったようだ。現状として、30歳未満では大体5世帯に3世帯のみの保有。それに対して30-59歳の世帯では5世帯のうち4世帯以上となる。

これを新車で買ったのか、中古車で買ったのかで見ると、次の通りとなる。

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(新車購入)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(新車購入)

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(中古車購入)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(総世帯)(中古車購入)

まず最初に気が付くのは、若年層の新車購入率の低さ。2007年に一度逆転現象が起きているが、それ以外は「中古車購入>>新車購入」となっている。新車へのこだわりがあまり無いのか、あるいはふところ事情によるものと考えてよい。さらに若年層では中古車の購入・利用状況が少しずつ増加しているのが確認できる。これも新車と比べた際の価格の安さがポイント。

ただし2012年では若年層において、新車・中古車共に減少する動きが見える。単なる誤差の範囲にしては、やや大きい流れであり、今後注視する必要がある。

そして直近数年の動きを見ると、新車では「中堅層以降が低減」「若年層はやや増加」、中古車では(直上での言及にある若年層の変化以外では)「中堅層で漸増」の動きが見て取れる。しかしながら2012年に限れば、新車は「中堅層以降増加」「若年層減少」、中古車では「全世代で増加」の変移が確認できる。

若年層の
保有率減少顕著。
一時的か
新たな動きか
中堅層は新車・中古車共に積極的に購入し利用しているが、高齢層は新車へのこだわりが強く、若年層とは逆に「新車購入>>中古車購入」の継続傾向がある。

また、全体のグラフからお分かりの通り、若年層では「新車」と「中古車」を足したものがほぼ「乗用車普及率」に近い値なのに対し、中堅・高齢層になると「乗用車普及率」<<「新車」+「中古車」の傾向がある(特に中堅層で差異が大きい)。これは「中古車も新車も数台持っていても、全体の普及率としてはある・なしでしかカウントしない」ことに起因する。言い換えれば「若年層が世帯主の世帯は乗用車を1台しか持っていない場合が多いが、中堅・高齢層、特に中堅層は複数台持っている世帯が多い」ことを意味する。

二世代家族や、まだ親離れしていなくとも乗用車を持つ子供がいることを考えれば、これは当然の結果といえよう。また【新成人がもっとも欲しい自動車は「キューブ」、女性はコンパクトカーがお好き】でも触れているが、買物や子供の送迎、パートの出勤のため、妻が夫とは別に自分自身の乗用車を購入している事例も十分考えられる。



ついでに、というわけではないが、「総世帯」を構成する「単身世帯」「一般世帯」それぞれにおける、直近2012年分の世代別普及率は次の通り。

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(一般世帯)(2012年)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(一般世帯)(2012年)

↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(単身世帯)(2012年)
↑ 世帯主年齢階層別乗用車普及率(単身世帯)(2012年)

全般的に一般世帯の方が単身世帯よりも普及率が高い。所得の余裕さや自動車の必要性を考えれば当然の話。また、差異はあれど両タイプの世帯とも、「若年層は中古車」「中堅層以降は新車」という流れがよく分かる。

「中古」「新品」という区分では無く「軽」「小型」「普通」という区分で、世帯主の年齢階級別自動車数量について、以前【年代別の自動車保有数とその変化をグラフ化してみる】で解説したが、やはり若年層ほど軽・小型といった本体・維持費共に安価な選択肢を選んでいる。

一般的には、世帯主の年齢が若いほど年収・貯蓄額も少なく、収入に余裕がない。単年度で考えれば、「若年世帯主層の方がお金のかからない選択をする」のは、これもまた当たり前。無理に背伸びをしないライフスタイルで生活しているだけの話。若年層の新車普及率が低いのも、「金銭面で背伸びをしない」という点で常識的な考えの結果によるもの。

無い袖は振れないし、先行きが五里霧中ならば、一歩一歩ゆっくりと歩いていかないと、危険極まりない。ごく当たり前の選択を取っているだけの若者に対し、大人たちが「もっと速く走れ」と後ろから蹴りを入れて急かすような行為は、くれぐれも慎むべき。そのようなことをする余裕があるのなら、若者の行く手を明るく照らすなどの選択を「人生の先輩」「大人」たる人たちは取るべきである。

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