ブルーレイは3世帯に1世帯にまで普及…テレビやパソコンなどの普及率推移(下)(乗用車やエアコン、デジカメなど(2012年分))

2012/05/07 12:10

先に【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2012年分データ反映版)】で解説したように、内閣府の【消費動向調査】を元にした、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率をグラフ化する企画記事の下編。今回は三種の神器「カラーテレビ」「クーラー」「自動車」の後者二つに代表される、一般的な耐久消費財をターゲットにする。一部特別編さんした別記事とダブる部分があるが、それは事前作成したグラフを流用し、その場で解説を加える。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

さて、最初に「三種の神器」のうち「クーラー」に該当する「ルームエアコン」について。「クーラー」そのものは今夏の節電問題とも絡み重要案件のため、別途先行する形で【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】にて詳しく解説している。

統計データでは1973年までは「クーラー」(冷房のみ)について尋ねており、厳密には1973・1974年間にデータの連続性は無い。しかし当時はほとんどエアコン(冷暖房)は普及していなかったと思われるので、実質的には無視できる誤差。

↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)
↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(再録)

統計データで取得内容を「エアコン」に切り替えたあたりから普及率は上昇を見せ、「2世帯に1世帯がエアコン持ち」の、いわゆる過半数に達したのは1985年、普及率急上昇の真っ盛りの中。そして約30年をかけて「5世帯に4世帯まではエアコン装備」の状態になった。その後上昇率は緩慢となり、90%あたりで横ばい。

続いて空気清浄機。

↑ 空気清浄機普及率(一般世帯)(3月末時点)
↑ 空気清浄機普及率(一般世帯)(3月末時点)

↑ 住宅所有関係別空気清浄機普及率(2012年3月末)
↑ 住宅所有関係別空気清浄機普及率(2012年3月末)

空気清浄機の普及率は5世帯に2世帯までに上昇。また、圧倒的に単身世帯よりは一般世帯の方が普及率が高い。これはひとえに複数人数が同時に利用する(特に子供の事を考慮した可能性が高い)ためのもの。逆説的に考えれば「一人暮らしだから、空気清浄機のような大げさなモノまで要らない」との考えが働くものと思われる。

続いてややデジタル色のある、デジカメについて。

↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)
↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(一般世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)

↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2012年3月末)
↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2012年3月末)

2004年から2005年にかけて大きな減少が確認できるが、これはグラフタイトルにもあるように、2005年以降は「デジカメ内蔵の携帯電話を除外した」ため。デジカメそのものはデジカメ機能搭載の携帯電話の普及と、その機能の高性能化により、汎用機は市場で非常に厳しい立場にある。しかし昨今では逆に「携帯デジカメをはるかに超える超高性能・多機能」化を推し進め、難局を乗り切ろうとしている。

現状では普及率は漸増中。それと共に保有者における保有台数も増えている。複数台を同時に使う状況は考えにくく、兄弟なり親子が別々に保有しているという状況か。

映像媒体録画再生機器。最近はブルーレイなど高画質化が進み、順調な伸びを示している。

↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(一般世帯)(3月末時点)
↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(一般世帯)(3月末時点)

2005年からは「再生専用機」「再生録画兼用機」のそれぞれについてのデータも取得されている。そして2010年分からはBD(ブルーレイディスク)も追加されている(逆に2009年まではBDは光ディスクプレイヤー・レコーダー全体にカウントされていない)。全体的には光ディスク再生・録画機は3/4の家計が保有している計算。再生も録画も出来るタイプは4割強、再生専用機は1/3、そしてBDも1/3。単純に足すと計算があわないので、世帯によっては「再生専用機」「再生録画兼用機」「BD」のうち複数、あるいは全部を持っている可能性もある。

地デジへの切り替えもあり、今後映像媒体録画再生機器の普及率は高まるはず。しかし総合値が2009年から2010年においては減少している。同時に「DVD再生録画兼用機」も大きく減少しているので、テレビそのものをDVDと共に廃した可能性もある。一方でBDは大きく飛躍。今後DVDからの切り替え、新規導入者の多くはBDを手にすることから、BDは伸び、DVDは減退するという動きが容易に想像できる。実際2012年ではBDは早くもDVD再生専用機を超え、録画兼用機に追いつく勢いを見せている。昨今ではこのBDの伸びが、レコーダー全体を支えていると評しても過言ではない。

最後は三種の神器の一つ、乗用車について。

↑ 乗用車普及率(一般世帯)(3月末時点)
↑ 乗用車普及率(一般世帯)(3月末時点)

新車購入と中古車購入については1983年からデータが取得されている。また、2006年から2007年にかけて、中古車と新車に大きな変異が見られるが、これは調査票上の表記を単純な「新車」「中古車」から、「新車で購入したもの」「中古車で購入したもの」に変更したのが原因。つまりそれ以前の「中古車」区分では「新車として買ったが、現在は自分が使っているから中古車なので『中古車』区分に」と勘違いして回答した人が少なからず含まれていることになる(これは元データでも注意書きとして明確に言及されている)。

1961年には2.8%でしかなかった普及率も1960年代後半から急速に上昇。1978年には51.7%に達し、「2世帯に1世帯は自動車持ち」となった。その後も普及率は上昇を続けるが、1990年以降はほぼ横ばいに転じている。必要と考えている(あるいは他の項目と天秤をかけて「乗用車」側に傾く)世帯にはほぼ普及してしまったのだろう。

気になるのはこの数年、新車購入者が低減し、中古車が増えていたこと。さらに直近の2012年では再び上昇の気配を見せている。後者については、電気自動車の普及が影響していると考えれば道理が通る。



最後のグラフ、乗用車の普及率が横ばいを続けていることからも分かるように、多くの世帯で既存の耐久消費財は十分に普及した様子が見られ、今後急速な販売増加は見込まれにくい。消費(国内の普及率なので≒内需)を拡大するには、

・イベントによる既存耐久消費財の切り替え(例:地デジ、ビデオからDVD、BD)
・新しい、あるいは既存の仕組み以上の便益やサービスをもたらす新商品の展開(例:太陽光発電)
 (&それらを後押しする仕組み(例:エコポイント))

を生み出し、消費者に提供して行く必要がある。これらの項目にてこ入れをすることで産業が活性化すれば、回りまわってもう一つの重要な要素である「消費者の可処分所得の増加」にもつながっていく。

生活を楽にしていく、そしてコストパフォーマンスに優れた、商品やサービスとして魅力的な「現状の大規模改良」と「新分野の開拓」は、どのような市場にも欠かせない。耐久消費財においてもまたしかり、ということだ。

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