世界的な広告や公式情報への信頼度をグラフ化してみる

2012/05/03 12:00

屋外広告定期的に送られてくるリクエストの中の一つに、【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】の最新情報への更新がある。データ元の『世界主要国価値観データブック』を見れば分かる通り、次号の発売は早くても来年なので、それまでは当方では手の打ちようが無いのだが、先日米調査機関のNielsenから関連する内容として検証に値するデータ【Consumer Trust in Online, Social and Mobile Advertising Grows】と、その大元の「世界規模での広告やブランドに対する信頼度調査(Global Trust in Advertising and Brand Messages)」が公開された。今回はその中から、「広告・情報への信頼度」にスポットライトをあてることにする。

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今件はNielsenが2011年9月に全世界56か国・計2万8000人に対し、インターネット上の消費者に対して行われたもので、性別・世代別は個々の国のインターネット利用者の実情に伴いウェイトバックが行われている。

今件では個々の広告や情報(今件での情報は多分に広告的要素を含む)に対し「完全に信頼・信用している」「それなりに信頼している」「あまり信頼していない」「全然信頼していない」の4つの選択肢を用意して選ばせ、そのうち前者二つ、つまり「信頼派」率を換算したもの。例えば「知人からの推薦」は92%とあるので、知人から推薦を受けた内容について「完全に信頼・信用している」「それなりに信頼している」という肯定的な意見が、合わせて92%に達していることになる。

↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)
↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)

口コミのパワーは絶大で、信頼するとの回答が唯一9割を超えている。次いで大きな信頼を寄せられているのは「ネット上での『消費者の声』」。いわゆる利用体験談の類のものだが、見方を変えれば「ネット上での口コミ」とも解釈できるため、納得は行く。

意外なのが新聞記事などの編集された(報道)記事への信頼度の高さ。いわゆる「タイアップ記事」的なものを多分に指すのだが、ブランドの公式サイトに匹敵する信頼度が確認できる。一方、SNS、オンラインビデオ、モバイル端末など、一般的なネット系「広告」の信頼度は概して低い(「消費者の声」などリアルと直接結び付く非広告などは別格)。特にモバイルが絡むと信頼度はさらに下がる。

これを主要地域別に再集計したのが次のグラフ。国単位での区分が公開されていないのは残念だが、非常に特徴のある違いを見せている。

↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)(各地域-1)
↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)(各地域-1)

↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)(各地域-2)
↑ 該当項目の広告・情報を信頼するか(世界全体、2011年Q3、Nielsen)(する派の人の割合)(各地域-2)

まず最初に気がつくのは口コミこと「知人からの推薦」がどの地域でも高い信頼性を持っていること。口コミパワーは万国共通。ネット上での「消費者の声」も、ラテンアメリカでやや低い傾向があるものの、押し並べて高い動きを見せる。

それ以外は概して北米・欧州、特に欧州の低さが目に留まる。先の【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】などいくつかの広告や記事に対する信頼度調査でも、欧米が低い値を示すことは多々あるが、今件も同じ流れ。対象媒体の質が低いからなのか、受け手のメディアリテラシーのレベルが高くなり、本来の質を確認理解できるようになったからなのかまでは今件だけでは判断できないが、広告や企業情報への猜疑心の強さは注目に値する。

一方でラテンアメリカや中東、アフリカ、アジア太平洋地域、なかでも特にラテンアメリカの信頼度の高さも非常に目立つ形となっている。民族的・世相的にこのような動きを持つものなかにまでは判断できないが、商用メディアの広告に対する信頼度が欧州の2倍前後に達しているのは、驚くべき値といえる。

2つ目のグラフの一番右、モバイル系広告2つについては、むしろ中東・アフリカ地域の方が高い。これは【アフリカにおけるモバイル経由のブロードバンド加入者数推移をグラフ化してみる】などで解説しているように、アフリカでは携帯電話がインターネットの窓口として急速に普及していることが要因として考えられる。



今件対象は概してマーケティングとして送り手から「広まって欲しい」という隠れたメッセージと共に伝えられるもので、何らかの偏見・操作・過大過小表現があると思われてしまう。それゆえ、多くの値が5割を切ってしまうのだろう(元々の選択肢は信頼する派2つ・信頼しない派2つなので、信頼する派が5割を切った時点で信頼しない派が過半数に達してしまう。「無回答」「どちらでも無い」は無い)。

なおNielsenの古い記事(3年前)の似たような調査結果との比較で見ると【Global Advertising: Consumers Trust Real Friends and Virtual Strangers the Most】、単純比較はできないものの、口コミは高いまま、企業系の一般広告や公式サイトの信頼性は落ち込んでいる雰囲気が見受けられる。インターネットの普及で口コミがさらに気楽に取得披露できるようになり、相対的に広告への信頼が落ちたのか、あるいは元々の質が暴露されたのか、質そのものが劣化したのか、そこまでは分からない。

あるいはいずれも正解、ということも考えられよう。

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