2割強は”知ったかぶりで「オトナ語」を使ったことがある”

2012/05/04 19:30

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会話ライフネット生命保険は2012年4月25日、社会人が使う独特な言い回しを意味する「オトナ語」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、相手から・周囲で「オトナ語」を使われて困った経験がある人は5割近くに達していることが分かった。不慣れな若年層の方が高回答率を示している。また意味をよく理解していないにも関わらず、知ったかぶりをして「オトナ語」を使った経験がある人は2割を超えていた。普段から「オトナ語」を使っている人に限れば4割近くに達している(【発表リリース】)。


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今調査は2012年1月20日から27日にかけて、携帯電話経由のインターネット調査にて会社勤めをしている人に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は20代・30代・40代でほぼ均等割り当て。

大人、特に一般企業などで働く社会人において良く使われる、独特な言い回しを「オトナ語」と呼ぶとのことだが、この「オトナ語」について調べたのが今回の調査(結果)。回答者自身が使っているかいないかを尋ねたところ、自らが使っている人は4割強を数えていた。

↑ 自分自身が「オトナ語」を使う(話す・メールする)ことはあるか
↑ 自分自身が「オトナ語」を使う(話す・メールする)ことはあるか(再録)

この「オトナ語」の使用について、意思疎通の難しさの点でスポットライトをあてたのが今回のテーマ。まずは「オトナ語」を相手周囲が使い、あるいは聞かされ、見せられて困ったことがあるか。大体半数程度の人が「困った経験がある」と答えている。

↑ 「オトナ語」を使われて・聞いて・見て困ったことがあるか
↑ 「オトナ語」を使われて・聞いて・見て困ったことがあるか

この設問の言い回しだと、「相手が使った『オトナ語』の意味が分からずに困った」と「相手の『オトナ語』が間違っている、使う場面では無いもので、フォローに困った」との2通りの解釈が出来る。とはいえ、直後で「発言者自身、意味が良く分かっていない-」の切り口による設問がなされているので、相対するものとして前者、つまり「『オトナ語』を使われたが自分では意味が分からない」と解釈して問題は無い。

さて、「相手の『オトナ語』が分からずに困った率」だが、若年層ほど高い肯定値を示している。自分が知り得る「オトナ語」の総量が少なく、言葉通り「未知との遭遇」をしやすいのが要因と考えられる。一方で「全く無い」との意見も若年層ほど回答率が高く、こちらは若年層では単にまだ「オトナ語」と接する場面そのものが少ない可能性がある(【「午後イチ」「たたき台」「ポシャる」……擬音や疑似表現、省略語の「オトナ語」、どれだけ使われてる?】にもある通り、年上の方が利用率は高い)。

また、普段「自分が」「オトナ語」を使うか否かでは、一見すると意外に見えるが「自分で使っている人」の方が、今件肯定意見の回答率も高い。「オトナ語」を使う人は使うような場面に顔を出しており、必然的に相手も使ってくる、その中には自分の知らない、ニュアンスをつかみきれないものも出てくると考えれば良い。

逆に、自分から「オトナ語」を発する際、本当は意味を良く分かっていないのに、知ったかぶりをして使った経験はあるだろうか。これには2割強が「ある」と答えている。

↑ 意味が良く分かっていない「オトナ語」を知ったかぶりをして使っていたことがあるか
↑ 意味が良く分かっていない「オトナ語」を知ったかぶりをして使っていたことがあるか

こちらも若年層ほど高い肯定意見率を示している。人生経験が長いほど「オトナ語」と接する機会が増え、習得経験を得て、意味の分かる「オトナ語」が増えて行く。そう考えれば納得もいく。同時に歳を経るほど「全く無い」の意見が減少するのは、「知ったかぶりをしなければならない」「思わずしてしまった」的な場面に遭遇する事例が、歳と共に増えてくるからだろう。

「オトナ語」を使う人の方が「知ったかぶり度」が強いのも、「知らずに困った率」と同じ。使う場面が多い人ほど、つい、あるいは意図的に「知ったかぶり」をしてしまう、せざるを得ない場面に遭遇しやすくなると考えれば、道理は通る。



注意したいのは、自分が耳にした「オトナ語」の意味が分からない場合においても、自分が知ったかぶりで「オトナ語」を使った場面でも、相手との意思疎通に齟齬を生じている可能性があること。その場を繕うためにいい加減な対応をしていると、後で大きなトラブルの元になる(例えば「午後イチ」という言い回しを使ったら、自分は「午後一時」という意味だったのに、相手は「夕方まで」と認識していた、など)。

誤解釈をしにくい、内容が画一化しているものならともかく、そうでない「オトナ語」の場合は、使用の際には十分に注意することをお勧めしたい。そして意味が分からない時には恥ずかしがらず確認を求める、調べるなどで、内容を明確化しておくべきである。


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