米タブレット機・電子書籍リーダーの非保有者、最大の理由は「欲しくない・要らない」

2012/04/26 06:50

欲しいかな米国大手調査機関【Pew Research Center】は2012年4月4日に、電子書籍をメインターゲットに据えた、同国の読書性向に関するレポート【The Rise of E-Reading】を同公式サイト上に公開した。モバイル端末、中でも昨今では伸び率が筆頭となっている電子書籍リーダーの登場・普及で大きな変化にある、同国の読書の現状をかいまみられる貴重な調査結果が、多数盛り込まれている。今回はその中から「電子書籍リーダーとタブレット機、それぞれの”非”保有者における、非保有の理由」にチェックを入れることにする。

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調査要項は先行する記事【テクノロジーは読書のアプローチに…デジタル機器と米の読書性向との関係をグラフ化してみる】で解説している。

先に【非保有者の「今後欲しい」は1-2割、要らない理由は「そもそも欲しくない」…米電子書籍リーダーとタブレット機「非」保有者の思惑】などで触れているが、電子書籍リーダーやタブレット機の保有比率は2割足らず。現在持っていない人も今後の購入意向はさほど高くない。

↑ 直近調査におけるデジタル機器保有率(米、18歳以上、2011年5月-2012年2月)
↑ 直近調査におけるデジタル機器保有率(米、18歳以上、2011年5月-2012年2月)(再録)

↑ 電子書籍リーダー非保有者の今後の購入(米、電子書籍リーダー非保有者、16歳以上、2011年12月)
↑ 電子書籍リーダー非保有者の今後の購入以降(米、電子書籍リーダー非保有者、16歳以上、2011年12月)(再録)

↑ タブレット機非保有者の今後の購入以降(米、タブレット機非保有者、16歳以上、2011年12月)
↑ タブレット機非保有者の今後の購入以降(米、タブレット機非保有者、16歳以上、2011年12月)(再録)

非保有者における心情を推し量れるのが、次に示すグラフ。これは現在電子書籍リーダー、タブレット機それぞれを持たない人に向けて、「なぜ今持っていないのか」の最大の理由を尋ねたもの。回答率こそ違えど、両者ともトップには「欲しくない・要らない」という半ば曖昧な回答がついている。

↑ 何故今電子書籍リーダーを持っていないのか(米、16歳以上、2011年12月、非保有者、最大理由)
↑ 何故今電子書籍リーダーを持っていないのか(米、16歳以上、2011年12月、非保有者、最大理由)

↑ 何故今タブレット機を持っていないのか(米、16歳以上、2011年12月、非保有者、最大理由)
↑ 何故今タブレット機を持っていないのか(米、16歳以上、2011年12月、非保有者、最大理由)

原文での表現は「Just don't need one/don't want one」。必要性を覚えない、欲しくない。何らかの好奇心をそれなりに抱いている可能性はあるが、欲しいと思わせるだけの魅力を感じない、必要な事象を想定できないということになる。しかもそれぞれの機種の第二位以降の具体的内容を持つ選択肢ではなく、あえて「欲しくない・要らない」を選んだということは、「なんとなく」あるいは「強度の低い複数要素」の域で保有に至らない、持っていないことを意味する。

さらに興味深いのは、双方とも第二位に「高過ぎる」がついていること。これは単純に絶対額が高いのに加え、自分が考えている使い方・有益性では割が合わないことをも意味する。例えば電子書籍リーダーが1万円台しかしなくても、読書が嫌いな人にとっては「わざわざ1万円を出して、自分が嫌いな読書をする必要など無い」ということになる。

第三位以降の回答上位層は、それぞれの機種の特性、事情をかいま見れる結果となっている。具体的には

・電子書籍リーダー
「紙の本がよい」という媒体へのこだわり、「本を読む習慣が無いので、そのツールも必要ない」との必然性、そして「電子書籍リーダーを知らない」という啓蒙不足によるもの。

・タブレット機
デスクトップパソコンやノートパソコン、スマートフォンなど既存の手持ち端末で満足してしまい、タブレット機保有の有意性を見いだせない「手持ちの端末で十分」。単に「要らない」、「高い」以外ではタブレット機の不必要性を表す言葉としてもっとも理解できる。

などが挙げられる。

もっともこれらの「現在非保有」の理由の多くも、微妙なバランスの天秤の上にある。「市場価格がこの価格帯なら欲しいとは思わないが、ここまで下げるのなら買ってもいいかな」という、流動的な意思を持つ人も少なくない。そして【去年の年末年始に大いに上昇…米タブレット機保有率推移の詳細をグラフ化してみる】などでも示している通り、タブレット機や電子書籍リーダーは価格を少しずつ下げる気配を見せている。特に電子書籍リーダー(とりわけKindle)は、「普及台数を増やすことで顧客を増やし、ビジネスを成立させる」というプラットフォーム活用型ビジネスモデルを採用しているため、今後ますます廉価な版の展開が予想される。

それにつれて現在「欲しくない・要らない」「高過ぎる」と判断している人も、少しずつ、少なからずが「いつかは買いたい」「半年以内に買うつもり」に意向していくに違いない。

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