デジカメの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)

2012/04/30 12:00

先日【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】で、内閣府の【消費動向調査】にて2012年4月17日に公開された2012年分最新情報を元に、携帯電話(スマートフォン含む)の買い替え年数の動向について検証した。今回はその手法を踏襲する形で、「デジタルカメラ(デジカメ)の買い替え年数」についてまとめておくことにした。

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消費動向調査では年1回3月分において、他の月よりは細かい内容を調査している。その中に「第6表 主要耐久消費財の買替え状況」という項目がある。これは「対象品目を買い替えしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果であり、直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。

今回は「デジカメ」の買い替え年数を抽出する。「デジカメ」という表記に関して詳しい説明は回答用の質問用紙には無い。昨今の携帯電話・スマートフォンではデジタルカメラ機能実装がほぼ標準化されているが、これは別途「携帯電話」項目に該当するため無関係。また、ホームビデオ用などの「ビデオカメラ(デジタルビデオカメラ含む)」も一項目独立して創られており、「デジカメ」には該当しない。

世帯区分は「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そしてそれを合わせた「総世帯」の3つが用意されているが、長期時期系列データが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ デジカメ買い替え年数推移(年、一般世帯)
↑ デジカメ買い替え年数推移(年、一般世帯)

やや凸凹感はあるが、全般的には赤い破線で引いた補助線の動向からも分かるように、買い替え年数は伸びる傾向にある。もっとも古いデータの2005年から始まる平均3年では3.2年、最新の2012年に終わる平均3年では4.4年。1年強ほど伸びている。デジカメの高性能化が進み手持ちの機種の買い替え必要性が薄れたこと(例えばより高性能化しても、それを使いこなせる技術・環境・必要性が本人には無い)、携帯電話搭載のデジカメ機能が高レベル化したためデジカメそのものは買い替える必然性を覚えなくなったことなどが挙げられる。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ デジカメ買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)
↑ デジカメ買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)

他のデジタル系アイテム同様に、全般的に「単身世帯」の方が買い替え期間が短い。ほぼ半年の差が生じている。それだけ単身世帯の方が、使っているデジカメのライフサイクルが短い事実を表している(嗜好品に近いこと、配偶者の視線を気にしなくて済む、お財布事情の問題などが考えられる)。また2011年から2012年にかけて多少短縮した感はあるが、誤差の範囲と見て問題ない。

次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去5年間の買い替え年数推移をまとめたもの。

↑ デジカメ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)
↑ デジカメ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)

↑ デジカメ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)
↑ デジカメ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)

「一般世帯」の「29歳以下」でイレギュラー値が確認できるが、それ以外はほぼ一様に全属性で「最近になるに連れて買い替え年数が延びる」傾向にある。機種の高性能化や周辺環境の変化に伴う、デジカメの買い替え年数の伸長は、属性を問わずに影響を及ぼしているといえる。

また男女間では「一般世帯」が「男性が長い」、「単身世帯」では「女性が長い」動きを見せるのは「パソコン」と同じ。趣味娯楽性が高いデジタル系アイテムの買い替えは、女性においては配偶者男性に気兼ねする部分があるのかもしれない(パソコンと違いデジカメの場合、男性配偶者に本体をカスタマイズして利用時期を延ばしてもらう云々は望めない)。

また「一般」は若年層ほどデジカメのライフサイクルは短いが、「単身」ではさほど違いが出ていない。パソコンほど高価でないため、買い替えのハードルが低く、それを「一般」以上に容易に飛び越せる「単身」では、世代間の格差が出にくいのだろう(単年で比較すれば、それなりに差異が生じている年もある)。

最後に「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて見たグラフ。

↑ デジカメ買い替え理由(一般世帯)
↑ デジカメ買い替え理由(一般世帯)

↑ デジカメ買い替え理由(単身世帯)
↑ デジカメ買い替え理由(単身世帯)

「一般世帯」は比較的理由が安定しており、分かりやすい動きが見える。大体半数強が「上位機種への乗り換え」、3割が「故障」、そして残りはその他。一方「単身世帯」はかなりばらつきが見えるが、「上位品目への乗り換え」が概して多く(「故障」要因では全年で「一般世帯」が上)、「一般世帯」と比べて気軽に、趣味趣向の対象として買い替えを進めているようすがうかがえる。



【スマートフォンでの写真撮影、一般携帯より頻度は上】などでも触れているが、一般携帯電話よりも撮影の上で与しやすい、そしてデジカメそのものの性能としても上の場合が多いスマートフォンの普及率上昇に伴い、ますますデジカメの存在意義は「以前と比べて」薄れ、また特化されつつある。写真を趣味にしている人、こだわりを持つ人、仕事で使う人にはデジカメが必要不可欠なことに違いないが、ある程度以上割り切れる人、こだわりを覚えない人には、デジカメの買い替えを止め、携帯・スマートフォンのデジカメ機能に頼る動きを見せている。

ただでさえデジカメは他のデジタル系アイテム同様、高性能化によって買い替え年数が延びる状況下にある。ライバルたるモバイル系端末の成長は、さらにデジカメのライフサイクルを伸ばすことになる。すでに一部のメーカーではその気配も感じられるが、現在の環境・市場動向に即し、デジカメも色々と新しい戦略、施策が求められる時期に来ているといえよう。


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