パソコンの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)

2012/04/28 12:00

先日【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】で、内閣府の【消費動向調査】にて2012年4月17日に公開された2012年分最新情報を元に、携帯電話(スマートフォン含む)の買い替え年数の動向について検証した。今回はその手法を踏襲する形で、「パソコンの買い替え年数」についてまとめておくことにした。

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消費動向調査では年1回3月分において、他の月よりは細かい内容を調査している。その中に「第6表 主要耐久消費財の買替え状況」という項目がある。これは「対象品目を買い替えしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果であり、直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。

今回は「パソコン」の買い替え年数を抽出する。「パソコン」という表記に関して詳しい説明は回答用の質問用紙には無く、デスクトップ・ノート、そして人によってはタブレット機も該当しうる。要は回答者が「パソコン」と判断したものに対する状況の確認(【タブレット機はパソコンか携帯か】も参照のこと)。

世帯区分は「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そしてそれを合わせた「総世帯」の3つが用意されているが、長期時期系列データが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)

やや凸凹感はあるが、全般的には赤い破線で引いた補助線の動向からも分かるように、買い替え年数は伸びる傾向にある。もっとも古いデータの2002年から始まる平均3年では4.2年、最新の2012年に終わる平均3年では5.7年。1年半ほど伸びている。パソコンそのものの高性能化やOSのサポート期間延長などで、新製品への買い替えへの魅力が薄れたことが要因と思われる。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)

全般的に「単身世帯」の方が買い替え期間が短い。ほぼ1年の差が生じている。それだけ単身世帯の方が、使っているパソコンのライフサイクルが短い事実を表している。また2012年は多少短縮した感はあるが、誤差の範囲と見て問題ない。

次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去5年間の買い替え年数推移をまとめたもの。

↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)

↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)
↑ パソコン買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)

「一般世帯」では男女に差異はほとんど無いが、「単身世帯」では男女間に大きな開きがある。前者の女性は配偶者の男性に色々とアドバイスを受けたり購入をうながされる場合もあるが、後者の場合はその機会が少なく、自然と手持ちの機種を長く使い「こなして」しまうものと考えられる。あるいは「一般世帯」では女性は、男性配偶者に気兼ねをしてしまうのかもしれない。

また「一般」「単身」共に若年層ほどパソコンのライフサイクルは短い。特に30歳未満層ではそれより上の世代と比べ2年ほどの違いがある。やはり若年層の場合、新機種・新OSに目移りしてしまうのだろうか。

最後に「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて見たグラフ。

↑ パソコン買い替え理由(一般世帯)
↑ パソコン買い替え理由(一般世帯)

↑ パソコン買い替え理由(単身世帯)
↑ パソコン買い替え理由(単身世帯)

両体系世帯とも年々「上位品目」が減り「故障」が増えているが、これはパソコンが故障しやすくなったからでは無い。「上位品目」の回答率が減ったため、相対的に回答率が上がったまでの話。上でも述べているが、パソコンそのものの高性能化やOSのサポート期間延長などから、上位機種への買い替えの意義を見出しにくくなったことが原因と思われる。

「一般世帯」ではこの5年間に10ポイントほどしか「上位品目」が減っていないのに、「単身世帯」では20ポイントも減っている。結果として「一般世帯」と「単身世帯」間の差異がほとんどなくなってしまっている。配偶者によるサポートの有る無しに関わらず、パソコンそのものの買い替え必要性が薄れている(と判断されている)可能性はある。かつてのような「新OSが出たので良い機会だから新しいパソコンを買って環境を云々」という必然性を見出す人が、少なくなっているのだろう。



最初のグラフにある通り、パソコンの高性能化、買い替え必然性の高い新技術・OSが登場しなくなったこともあり、パソコンの買い替えサイクルは少しずつ伸びる傾向を見せている。先日も【VistaとWindows7の延長サポート期限が延びていた】でも触れたように、主要OSの延長サポート終了期日が延び、OSのトレンドに伴うパソコン本体の買い替え「特需」は発生しにくくなったという話があるほど。

むしろ昨今では冒頭で「判断しにくい」と評したタブレット機のように、技術の進歩・高性能化で果たせるようになった、高機動化に熱い視線が注がれている。アメリカではすでに逆転現象が確認されているが、日本でも利用端末としてのパソコン稼働数・率において、デスクトップをノートパソコンが上回る日が遠からずやってくる。買い替え特需が発生する、あるいはうながすのなら、機動力関連にスポットライトを当てるのも一つの手だろう。

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