乗用車(新車)の買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)

2012/04/23 12:10

先日【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】で、内閣府の【消費動向調査】にて2012年4月17日に公開された2012年分最新情報を元に、携帯電話(スマートフォン含む)の買い替え年数の動向について検証した。今回はその手法を踏襲する形で、「乗用車(新車)の買い替え年数」についてまとめておくことにした。

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消費動向調査では年1回3月分において、他の月よりは細かい内容を調査している。その中に「第6表 主要耐久消費財の買替え状況」という項目がある。これは「対象品目を買い替えしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果であり、直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。

今回は「乗用車(新車)」の買い替え年数を抽出する。保有台数項目では「新車購入」「中古車購入」に区分されているが(その結果は【年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化してみる(2011年データ反映版)】などにある通り)、買い替え状況では「乗用車(新車)」とだけ記述されている。今件は後者なので、中古車購入の場合は対象外となる。

世帯区分は「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そしてそれを合わせた「総世帯」の3つが用意されているが、長期時期系列データが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、一般世帯)
↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、一般世帯)

やや凸凹感はあるが、全般的には赤い破線で引いた補助線の動向からも分かるように、買い替え年数は伸びる傾向にある。もっとも古いデータの1992年から始まる平均3年では6.13年、最新の2012年に終わる平均3年では8.07年。2年近く伸びている。自動車の性能向上などが起因と思われるが、売り手からすれば頭の痛い話。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ 乗用車(新車)年数推移(年、単身/一般世帯)
↑ 乗用車(新車)年数推移(年、単身/一般世帯)

全般的に「単身世帯」の方が買い替え期間が短い。そして2010年はややイレギュラーな感はあるが、「一般」「単身」共に期間は伸びる傾向にある。2009年から導入された、いわゆる「エコカー減税」は”買い替え年数の動向においては”、影響を及ぼしていないように見える。

次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去5年間の買い替え年数推移をまとめたもの。

↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)
↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)

↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)
↑ 乗用車(新車)買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)

「一般世帯」ではやや大きなぶれがあるが、「30歳未満は新車買い替えサイクルが短い」「30代以降は長め」「昔より今の方が長い」などの動きがある。それと共に「単身世帯は女性の方が長い」「一般世帯は男性の方が長め」などの動向も確認できる。

特に「単身世帯」の30歳未満における買い替え年数の短さは特徴的。「新車トレンドを追い求めやすい」他に、免許取得は18歳からでも可能だが自動車を購入する(しかも新車で)のは20歳前半では(金銭的に)難しく、後半での取得が主になること、そしてその購入時期からさらに「30歳未満の時点で」買い替えられる人は、必然的に買い替え年数も短くなるという事情があると考えられる。要は「20代で自動車の新車を買い替えできるような人は、半ば必然的に買い替え年数も短くなってしまう」という理由によるものといえる。

最後に「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて見たグラフ。

↑ 乗用車(新車)買い替え理由(一般世帯)
↑ 乗用車(新車)買い替え理由(一般世帯)

↑ 乗用車(新車)買い替え理由(単身世帯)
↑ 乗用車(新車)買い替え理由(単身世帯)

「エコカー減税」が新車乗用車の買い替え直接・最上位要因ならば「その他」、あるいは回答者の勘違い(「減税効果もあるのだから、今の機種より高性能のハイブリッドカーにしよう」という思惑)で「上位品目」を選択し、それらの項目が大きく伸びることになる。

確かめてみると、2009年以降「一般世帯」では「2009年-2010年の『その他』が3.6ポイント増加」、「単身世帯」では同じく「2009年-2010年の『その他』が16.0ポイント増加」で大きな変化が確認できる。一方で上記にある通り「買い替え年数の動向」にはさほど変移が見られないことから、「元々何らかの他の理由で買い替えを考えていた人が、エコカー減税の導入で買い替え決断を後押しされた」事例が多数あったものと思われる。



最初のグラフにある通り、自動車そのものの耐久性の向上や、利用周辺環境の整備もあり、自動車の買い替えサイクルは少しずつ伸びる傾向を見せている。【新車希望者は6割強、予算は約200万円…自動車保有者の買い替え需要をかいま見る】などにもある通り、電気自動車やハイブリッドカーのような「劇的な変化」が得られない場合、現状の環境を維持することが多くなる(買い替えのメリットがあまり無いため)。

例えば一般世帯で子供が生まれ、あるいは育ち、送迎が必要になる場合。また、パート先までの行き来に必要な場合など、世帯環境の変化に伴い買い替えをうながされる場合もある。しかし少子化が進む中では、その「変化」の可能性も小さくなり、必然的に買い替え機会も減少する。この動きもまた、買い替え期間が伸びる一因であろう。

単純計算だが今のペースが継続すると、大体10年で平均買い替え年数は1年伸びて行く。実際には市場の複雑な要素が絡んでくるため(最大の要因は中古車の問題。今件には(元々調査対象に無いため)中古車は考慮されていない)一概にはいえないが、自動車の新車販売はますます厳しさを増していくと考えて間違いない。何か発想の切り替えが求められている時期なのかもしれない。

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