電子書籍リーダーでKindleのシェア6割強…米電子書籍リーダーとタブレット機のシェア率
2012/04/25 06:50


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調査要項は先行する記事【テクノロジーは読書のアプローチに…デジタル機器と米の読書性向との関係】で解説している。
電子書籍を読むことをメインに設計されたタブレット機を、総じて電子書籍リーダーと呼んでいる(電子書籍リーダーとしての機能しか無いものもある)。昨今では安価なタブレット機としての認識もされており、【タブレットマシンの特性と選択肢】にもある通り、iPadとKindle Fire(アマゾン発の電子書籍リーダーのカラー版)で、タブレット機の需要は二分されつつある。
まずは電子書籍リーダー保有者における、現行保有機のシェア比。Kindleシリーズ(今件調査ではKindle Fireは対象外)が62%、そしてNookが22%を占めており、事実上この2シリーズによる寡占状態にある。

↑ 電子書籍リーダーシェア率(米、18歳以上、保有者限定、2012年2月)
【去年の年末年始に大いに上昇…米タブレット機保有率推移の詳細】などで示したように、昨年末からの年末年始商戦=ブラックフライデーで、電子書籍・タブレット機は大きく保有率を高めるセールスを挙げている。そのブラックフライデー前のシェア比はKindle・Nookそれぞれ63%・23%で、ほぼシェアに変動は無い。
一方タブレット機では大きな変動が見られる。

↑ タブレット機シェア率(米、18歳以上、保有者限定、2012年2月)
直近の2012年2月ではiPadが61%、そしてKindle Fireが14%と二番目についている。本文解説によれば2011年12月の時点でKindle Fireのシェアはわずか5%でしかなく、ブラックフライデー前後で大きな伸びを示したことになる。
アマゾン側は公式発表をしていないものの、米専門誌Computer Worldの観測では2011年第4四半期だけで550万台ものKindle Fireが売れたとのこと。その多くはブラックフライデー期間によるものであることは明らかで、ここまでシェアが急速に拡大するのも理解はできる。
Kindle Fireはタブレット機扱いされているが、当然電子書籍リーダーとしての機能は大いに充実しており、電子書籍の購読端末としてフルに活躍させることが可能。「ソフト市場を広げるには、そのソフトを動かすハードの普及が欠かせない」という大原則を思い返せば、今後アメリカにおける電子書籍市場が「これまで以上に」急速に加速していく様子は容易に想像できる。
一方日本では何度と無く「発売決定報道」「続報無し、たち消え」が繰り返された後、【三度目の正直かな...「キンドル、日本で年内展開」との報道】にもある通り、2012年中の展開が米アマゾンCEOからの言及として明らかにされた。具体的な日取りが未確定ということもあり、まだ安心はできないが、「ようやく」という感は否めない。
Kindleの展開が始まれば、出版、書籍・雑誌業界における競争の加速と市場活性化は容易に想像できる。日本における早期の発売・普及を願いたいものだ。
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