米スマートフォン保有率の属性別保有率と伸び具合をグラフ化してみる

2012/04/30 06:50

スマートフォン米国大手調査機関【Pew Research Center】は2012年4月13日に、同国内でのインターネット(モバイル端末経由含む)の普及状況、さらに整備環境に伴って生じる各種格差などをまとめたレポート【Digital differences】を公式サイト内で発表した。そこには中長期に渡る利用率の変化、利用性向、デジタルデバイドの数々、インターネットと心理の傾向を推し量れる、気になるデータが多々見受けられる。今回はその中から「属性別のスマートフォン保有率と、直近1年ほどの動向」にチェックを入れることにする。

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調査対象母集団に関する詳細は先日の4月21日に掲載した【アメリカでもさほど変わらず…米インターネット「非」利用者の、その理由】ですでに解説済み。詳しくはそちらで確認してほしい。

以前【モバイル保有者の6割強がスマートフォンの世代も…アメリカのスマートフォン浸透率の推移をグラフ化してみる】【10代後半から20代は過半数…アメリカのスマートフォン保有率をグラフ化してみる】でも示したように、アメリカの(大人における)スマートフォン普及率は4割前後に達している。これはいまだに漸増する動きを見せており、5割を超えるのも時間の問題。

今レポートでは2011年5月時点、そして2012年2月時点の属性別スマートフォン保有率を公開しているが、それによると前者では35%、後者では46%。まもなく半数に達する状況にある。

↑ スマートフォン保有率(米、18歳以上、各属性内でスマートフォンを持っている人の割合)
↑ スマートフォン保有率(米、18歳以上、各属性内でスマートフォンを持っている人の割合)

他のデジタル機器やサービス同様、「世代」「年収」「学歴」による差異は明らかで、それぞれ若年層・高年収・高学歴の方が利用率は高い。一方この1年足らずの間に、それぞれの属性で大きく普及率は上昇し、「18-49歳」「年収7万5000ドル以上」「大学就学・大卒以上」の階層で、スマートフォン保有率が過半数となったのが確認できる。

個々の属性での伸び率に大きな差異はないが、あえて言及するなら「世代」「学歴」では低率保有層の伸びは小さく、「年収」では低率層の伸びが大きい。「年収」属性で低い層を大きく底上げする事情を考えると、端末価格・ランニングコストの低下が想像されるが、これは現状の市場動向とも一致しており、道理が通る。

「世代」「年収」「学歴」の3属性を、マトリクス的に眺めたのが次のグラフ。

↑ スマートフォン保有率(世代と年収・学歴)(米、18歳以上、各属性内でスマートフォンを持っている人の割合)
↑ スマートフォン保有率(世代と年収・学歴)(米、18歳以上、各属性内でスマートフォンを持っている人の割合)

若年層(10-20代)は年収や学歴の差異に関わらず、高い保有率を維持している。また中堅層(30-40代)は一定以上の年収や学歴を持つと、若年層とほぼ変わらぬ保有率を示しているのも興味深い。



レポート内今記事対象項目では、他にも注目すべき言及が確認できる。携帯電話やスマートフォンを所有し、それらの端末からインターネットにアクセスできる環境を有している人でも、そのうち「それらモバイル端末経由でのネットアクセスをメインとしている人」は1/4に過ぎない。残りの3/4は固定回線によるパソコンからのアクセスを、インターネット利用のメインとしている。

スマートフォン一方、「モバイル端末でのネットアクセスがメイン」としている1/4の人のうち、約1/3は「自宅にパソコンがあったとしても、そのパソコンによるインターネット環境はブロードバンドでは無い」と回答している。それらの人にとって、モバイル端末は事実上唯一の「ブロードバンドによるネットアクセスへの窓口」に他ならない。

安価で整備しやすいモバイル端末(特にスマートフォンやタブレット機)が、ブロードバンド環境への門戸を広げていく。【アジア太平洋主要国のブロードバンド普及率をグラフ化してみる】などで解説した、新興国でのインターネット環境の急速な浸透を後押しする要因の一つ。今件はこれが(一部ではあるものの)アメリカでも起きていることをうかがわせる内容であり、非常に興味深い傾向といえよう。

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