ビデオソフトの購入動向をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/04/22 19:30

映像ソフト(ビデオソフト、DVDやBD(ブルーレイディスク))業界に関する動向を推し量れる、【日本映像ソフト協会】が毎年発表している市場調査情報「ビデオソフト市場規模及びユーザー動向調査」には、多種多様なデータが盛り込まれている。今回はその中から、直近の2011年におけるビデオソフトの購入動向を中心にデータをグラフ化し、状況を眺めて行くことにする。同業界の動向の一端を推し量れるはずだ(【ビデオソフト市場規模及びユーザー動向調査 2011(PDF)】)。

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今調査は2012年1月にインターネット経由で2011年に関する動向を16歳-69歳の男女に対して尋ねたもので、有効回答数は1200人。性別・年代別・都道府県別構成比を住民基本台帳に基づいて割り付け、さらにビデオリサーチ社によるACR(Audience and Consumer Report)調査結果を用いて、同世代の一般個人によるデータとして推計するよう補正を行っている。

今調査結果報告書に併記されているデータによれば、ビデオソフト(DVD&BD、特記無い場合は以下同)の市場規模は2006年-2007年にやや変わった動きが見られるものの、全般的にはセル(販売)・レンタル(貸出)共に縮小傾向にある。これは以前【映像ビデオ市場の推移をグラフ化してみる(2011年分反映版)】で解説した通り。

↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)
↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)(再録)

このような状況下で、該当年1年間でビデオソフトの購入やレンタル経験があったか否かを尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 1年間のビデオソフト(DVD&BD)購入・レンタル状況
↑ 1年間のビデオソフト(DVD&BD)購入・レンタル状況

2011年においては「購入レンタル共に無し」「レンタルだけ」の割合はほぼ変わらず。「購入だけ」の人が増えた分、「購入レンタル共にあり」の人が減っている。市場にまったくタッチしない人に変化がないのは幸いだが、レンタル層が減っているのは気になるところ。

それでは購入者においては、どのような購入性向の変化を見せているのか。それぞれの年において、該当年を含めてこれまで一度でもビデオソフトを購入した経験がある人に、該当年と前年を比べた上で購入枚数の変化を聞いたのが次のグラフ。

↑ 調査年における1年間のビデオソフト(DVD&BD)の購入枚数増減(2009-2011年)(購入経験者対象)(該当年の前年と比べて)
↑ 調査年における1年間のビデオソフト(DVD&BD)の購入枚数増減(2009-2011年)(購入経験者対象)(該当年の前年と比べて)

2009年から2010年にかけては「去年買ったが今年は買わず」の割合が10ポイント以上増え、購入を控える人が激増したことが分かる。2011年はやや減少したもののそれでも半数近くには違いなく、買い控えが続いている事が分かる。

2011年では購入した人においても、2010年と比べて「購入枚数増加」回答者率は減り、「購入枚数減少」回答者率は増えている。金額はともあれ、購入枚数では2010年以上に2011年は個人平均・総数共に減っていることが推測できる(実際その通りで、ブルーレイはわずかに増加(平均2.8枚→3.1枚)しているものの、DVDは大きく減少(平均5.1枚→3.4枚)していることが確認できる)。

ではなぜ購入枚数が減ったり、買わなくなったのか。それをかいま見れるのが次のグラフ。「増えた人」「減った人(「買わなくなった人」含む)」に、その理由を聞いた結果のうち上位5位ずつを抽出したのが次のグラフ。

↑ ビデオソフトの購入枚数が増えた理由・減った理由(上位5位ずつ、それぞれ枚数が増えた人・減った人対象)(2011年)
↑ ビデオソフトの購入枚数が増えた理由・減った理由(上位5位ずつ、それぞれ枚数が増えた人・減った人対象)(2011年)

増えた人の理由の上位は「特定のソフトが欲しい」「ネット経由」「値下がり」など、特定コア層の事由によるもの、そして環境の変化によるところが大きい。他方減った理由の上位には、購入対象ソフトの減少(対象そのものが減った以外に、対象を見出す意欲そのものが減った)や金銭的な余裕が無くなったことなど、「熱が醒めた」様子がうかがえる(「お金の余裕-」も結局は、お金のやりくりをしてまで「欲しい」と思わせるだけの魅力を感じなくなったことを意味し、間接的に「醒めた」と解釈できる)。

要は、「好きな人」は一層買い増しをするようになり、一部は環境整備の恩恵で購入を決意する。「醒めた人」「コアで無い人」は購入枚数を減らし、あるいは買わなくなった。環境による購入性向の変化の一方で、購入層の二極化が進んでいると見ると、道理が成り立つ。



一枚目のグラフを読みなおすと、2010年から2011年においては、セル・レンタル市場共に縮小している(セルは前年比マイナス5.9%、レンタルはマイナス4.9%)。購入者において、「去年より減った人」が「去年より増えた人」の2倍近いのだから、これは仕方の無い話。レンタルはレンタルで、二つ目のグラフを見る限りでは、レンタルをする人自身が減っている。

そして詳しくは後日改めて解説するが、昨年の記事でも言及した「ヘビーユーザーによる市場けん引」について、ヘビーユーザーそのものの減少や、ヘビーユーザーの購買力の低下が確認されている。一般ユーザーが後ずさりをし、ヘビーユーザーも数を減らすと共に勢いを鎮静化させてしまっている。これでは市場縮小も仕方が無い。

エンタメ性の強い業界・市場において、リアクションが大きい・短期的な効果があるなどの理由から、あまりにも濃い(ロイヤリティの高い)一部消費者に傾注し過ぎてしまい、結局中期的に見て市場そのものが縮小するという流れを見せる事例が多々ある。あるいはビデオソフト市場もそのような流れに足を踏み入れている可能性が出てきた。

もっとも「広く浅く」を行うための「ライトユーザー」の少なからずが、ソフト購入以上にハードルの低い、インターネット関連サービスに多々流れている現状では、よほど工夫をしないと「末広がりの展開」は難しいのかもしれない。

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