映像ビデオ市場の推移をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/04/20 06:50

日本映像ソフト協会は2012年4月12日、映像ソフト(ビデオソフト、DVDやBD(ブルーレイディスク))に関する2011年の動向を網羅した市場調査報告書【ビデオソフト市場規模及びユーザー動向調査 2011(PDF)】を発表した。今回はその報告書を元に、以前2010年分のデータを元に分析した記事のうち、映像ビデオ市場の推移をグラフ化したものの情報更新版を構築することにした。

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まずはビデオソフト(DVD&BD、特記無い場合は以下同)の市場規模。「セル」は販売、「レンタル」は貸出を意味する。収録されているデータを見る限り、2006年-2007年にやや変わった動き(セル市場の増大)が見られるものの、全般的にはセル・レンタル共に縮小傾向にある。

↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)
↑ ビデオソフト(DVD&BD)市場規模推移(億円)

特に2008年あたりからの急落ぶりは、【縮み、変容する市場…音楽CDなどの売れ行きと有料音楽配信の売上をグラフ化してみる(2011年版)】で示した音楽CDの売れ行きと酷似しており、非常に興味深い。メディアの変質と共に景気の後退が大きな要因と推測される。

↑ 音楽ソフト・有料音楽配信の売上推移
↑ 音楽ソフト・有料音楽配信の売上推移(2005年-2011年)(再録)

やはりエンタメ系のメディアでは2007年-2008年が大きなターニングポイントと見て問題はなさそうだ。コンテンツの質や方向性では無く、鑑賞媒体・ツールの変化が、市場に大きな影響を与えているものと推測される。

今資料ではレンタル・セルという提供方式、そしてDVD・BDというフォーマット方式別に(2010・2011年の2年分だけだが)データが収録されている。昨年の記事で取り上げた範囲と重複する部分を除き、都合3年間に関して金額、そしてそれぞれのDVD・BD比率を示したのが次のグラフ。

↑ セル・レンタルのフォーマット別市場規模(億円、2009-2011年)
↑ セル・レンタルのフォーマット別市場規模(億円、2009-2011年)

↑ セル・レンタルのフォーマット別市場規模(比率、2009-2011年)
↑ セル・レンタルのフォーマット別市場規模(比率、2009-2011年)

市場規模が減退しているのは一つ目のグラフで確認できるが、2009年-2011年においては2010年のレンタル市場激減が大きなインパクトとなったのが分かる(もっとも一枚目のグラフでも、よく見れば赤い部分=レンタル市場の急速な縮小化は確認できるのだが)。また、セル・レンタル両サイド、特にセル方面でBD化が進んでいるのが実感できる。

詳しくは機会をあらためて紹介するが、今資料の別項目では「購入されたビデオの多分が、大量購入をする少数の『ヘビーユーザー』によるもの」という結果が出ている。ヘビーユーザーだからこそ、画質にはこだわりを持つためにBDを積極購入する。それゆえに、BDの比率が急上昇している、一方レンタルはさほどこだわりを持たないため画質を気にしない視聴者が多く、BDの浸透率は今一つ……と考えれば納得がいく。

また「レンタルユーザーは映像ソフトへのこだわりが薄い」という仮説は、この数年急激にレンタル市場が縮小している実態にもマッチする。わざわざレンタルせずともテレビ放送で間に合えばよい、時間を設けて見る余裕が無い(時間・お金的に)など、今調査別項目にある「レンタルビデオのレンタル枚数が減った人の理由」上位項目を見れば、「借りなくても特段問題は無い」とレンタルしなくなる人が増加し、市場が縮小するのも当然といえる。



セル市場はヘビーユーザーへの偏り、レンタル市場は他のメディアやエンタメとの競争力の(相対的)低下。ビデオソフト市場はセルとレンタルでそれぞれ別の問題を抱えながら、総計で縮小の一途をたどっている。この傾向は1年前の2010年分データから大きな変化は見受けられず、継続しているように見える。

急激に変化する周辺環境に対応し、いかに利益の出るビジネスモデルを確立する、あるいは既存モデルとの融合を図るか。ビデオソフト市場において試行錯誤するのに残された時間は、さほど多くない。

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