ダイヤルアップからブロードバンドへ…米世帯内インターネットのブロードバンド化推移をグラフ化してみる

2012/04/22 06:50

インターネットのブロードバンドアクセス米国大手調査機関の【Pew Research Center】は2012年4月13日同公式サイトにおいて、同国内でのモバイル端末経由も含めたインターネットの普及状況、整備環境の過程で生じてくる格差などをまとめたレポート【Digital differences】を公開した。今回はその公開データの中から「自宅からのインターネットアクセスにおけるブロードバンド化」にチェックを入れ、精査を行うことにする。

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調査対象母集団に関する詳細は2012年4月21日に掲載した【アメリカでもさほど変わらず…米インターネット「非」利用者の、その理由】で解説済みなので、そちらで確認してほしい。

先日【米インターネット利用率推移をグラフ化してみる】で触れたように、アメリカにおける大人のインターネット利用率は75%-79%台で推移している。今回直後に取り上げる期間2010年5月時点では79%。

↑ インターネット利用率推移(米、18歳以上)
↑ インターネット利用率推移(米、18歳以上)(再録)

この「インターネット利用」は回線種類とスピードで区分すると、電話回線によるダイヤルアップ方式と、ADSLやケーブル、光ファイバーなどによるブロードバンド方式の2種類に大別される。もちろん後者の方が高速でアクセスが可能。今継続調査のデータでは、2000年6月時点で「自宅からインターネットへアクセスできる人は37%」「そのうちブロードバンドは3%、残りの34%はダイヤルアップ」という状況だった。

↑ 自宅内からのインターネットアクセス回線(米、18歳以上)
↑ 自宅内からのインターネットアクセス回線(米、18歳以上)

ところがインフラの普及とコストの低下、そして映像技術の進歩による「ブロードバンドのメリット」に注目が集まることで、ブロードバンドは急速に浸透を続けて行く。2004-2005年にはダイヤルアップとの比率が逆転。現在ではダイヤルアップの利用者はごく少数に限られている。

それでも少なからぬ人は、現状でもダイヤルアップ回線を用い、自宅からインターネットにアクセスしている。少々データは古いものとなるが、2009年時点で「なぜブロードバンド化しないのか」と尋ねた結果が次のグラフ。経済的問題がトップについている。

↑ 自宅にブロードバンド環境が無く、ダイヤルアップでつなげている理由(米、2009年4月)
↑ 自宅にブロードバンド環境が無く、ダイヤルアップでつなげている理由(米、2009年4月)

ついで「魅力を感じない」「周囲がまだ未開通」などありがちな項目が続いている。一方で2010年・2011年と今項目の調査後でもさらにダイヤルアップ利用者は減少し、自宅からのインターネット利用者におけるブロードバンド率は上昇する一方。逐次提供コストの低減、魅力を覚えるコンテンツ・サービスの増加(高解像度動画配信の配信など)・周囲環境の整備などが整ってきたことをうかがわせる。

最後に直近(2011年)における、属性別「自宅からの」ブロードバンドアクセス率。

↑ 自宅からのブロードバンドアクセス率(米18歳以上、2011年、属性別)(全世帯に占める割合である事に注意)
↑ 自宅からのブロードバンドアクセス率(米18歳以上、2011年、属性別)(全世帯に占める割合である事に注意)

性別上の差異はほとんど無く、他の属性はデジタル系サービス・アイテムにありがちな「若年層」「高年収」「高学歴」ほど高率という結果が出ている。ただし先日の「米インターネット利用率推移をグラフ化してみる」で掲載した、インターネットそのものの利用率(自宅からだけではないことに注意)と比べると、世代間格差はほぼ同率だが、年収・学歴格差ではより大きな差異が開いているのが分かる。

↑ インターネット利用率(自宅からだけでは無い事に注意)(2011年、米、18歳以上)(属性別)(再構築版)
↑ インターネット利用率(自宅からだけでは無い事に注意)(2011年、米、18歳以上)(属性別)(再構築版)

ブロード環境化を果たせない最大理由に「コストの問題」が挙げられていることから、「年収」=「お金」が大きなハードルとして立ちはだかっているがため、「年収」上の差異が大きく出ているものと考えられる。そして「学歴」は、直接的には高学歴ほど高年収の職に付きやすいこと、間接的にはブロードバンド化でより容易に知的好奇心を充足できることなどから、「学歴」上での差異が大きいものと思われる。



インターネットにアクセスできない状況からアクセスできる環境に移ることで、世界は大きく開けて行く。そしてブロードバンド化を果たすことで、さらなる世界の深淵を推し量れることになる。例えるなら、歩きでのみの移動に自転車が使えるようになり、さらに自動車が使えるほどの違いとなって現れる。

いわゆるデジタルデバイド、デジタルギャップの解消のためにも、ブロードバンド化の浸透をさらに推し進めてほしいものだ。

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