アメリカでもさほど変わらず…米インターネット「非」利用者の、その理由

2012/04/21 07:15

インターネットアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年4月13日、アメリカにおけるモバイル端末経由も含めたインターネットの普及状況や、整備環境に伴って生じる格差などを絡めた調査報告書【Digital differences】を発表した。中長期に渡る利用率の変化や利用性向、さまざまな条件下で生じるデジタルデバイド、インターネットに絡んだ人々の心理傾向を推し量れる、興味深いデータが多々見受けられる。今回はその中から「インターネットを使っていない人による、使わない理由」にチェックを入れることにする。

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今調査(最新部分)は2011年4月26日から5月22日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の大人に対して、電話による音声インタビューで英語・スペイン語により行われたもので、有効回答数は2277人。電話番号はRDD方式で抽出されたもので、回答者が回答に用いた電話のうち固定電話は1522人、携帯電話は755人(うち固定電話を持たない人は346人)。調査結果に対しては国勢調査に基づいたウェイトバックが行われている。

先日【米インターネット利用率推移をグラフ化してみる】で触れたように、アメリカにおける大人のインターネット利用率は75%-79%台で推移している。今回直後に取り上げる期間2010年5月時点では79%。

↑ インターネット利用率推移(米、18歳以上)
↑ インターネット利用率推移(米、18歳以上)(再録)

それではこの「インターネット利用率」にカウントされない「インターネット未・非利用者」は、いかなり理由を持って利用していないのだろうか。複数の原因が考えられるが、そのうちもっとも大きな・重要な要素について答えてもらった結果が次のグラフ。

↑ インターネットを使わない最大要因(アメリカ、18歳以上、使わない人限定、2010年)
↑ インターネットを使わない最大要因(アメリカ、18歳以上、使わない人限定、2010年)

最大理由はそもそも論として「興味が無い」というもの。今やインフラとして必要不可欠なものに近い域まで達したインターネットだが、不必要との認識を抱く人も多数おり、それが「インターネットは要らない」としてアクセスを拒む最大原因となっている。

次いで多い原因が「パソコンが無い」「コストが高過ぎる」という金銭的問題。いわば経済力がデジタルデバイドを創り上げてしまっている。次いで難易度、有効な価値を見いだせず「時間の無駄」と思ってしまうなどが続く。

主要項目を大義で大別したのがグラフの右側だが、心境的に「自分がインターネットを使うのは妥当なのか」という自問自答に、イエスという答えを見つけられなかった人が半数近くを占めている。経済的な問題などでは無いことから、啓蒙次第では多分に「やってみたらやっぱり良かった」という形になる人が多分に居るものと思われる。【「なぜインターネットを利用しないのか?」その理由を探ってみる】で呈した、日本の同様の状況下における調査結果と大きな違いは無い。

なおレポートでは興味深い、いくつかの傾向に関する言及がある。いわく「インターネットを使っていない人のほとんどは、『以前から一度も使っていない人』である。さらに同居する家族の誰もがインターネット未利用者である場合が大部分を占めている」「非利用者のうち約1/5は、インターネットや電子メールが何たるものかについて、十分理解している」「将来インターネットや電子メールを使ってみたいと考えている、現時点で非利用の者は、1/10程度いる」などである。多くの人は少なくとも世帯内環境に恵まれず、固くなに拒否している動きを示している。インターネット利用率の動きが頭打ちなのも、この「現在未利用者の拒絶感の強さ」が一因なのかもしれない。



レポートでは参照事例として2000年当時の、類似設問による結果も指摘されている。普及率が大体5割程度だったころの話で、アクセス料金も割高、アクセス環境を持つ人もさほど多くなかった時代ということもあり、今と比べると色々と興味深い結果が出ている。

↑ インターネット非利用者による、インターネットへの感想(米、2000年)
↑ インターネット非利用者による、インターネットへの感想(米、2000年)

非利用者においても「ネットを使うと便利そうだな」という認識は多分にあるものの、「別に無くても困るわけじゃない」「所詮遊びだし」「難しいし危ないしお金もかかり過ぎる」という考えが蔓延していたのが分かる。

直近のネット非利用者の間でコストに関する言及が減っているのは、ひとえに技術進歩と各方面の努力のおかげ。今度はインフラの整備と、社会全般への対応で広範囲に興味関心を持ってもらうことにあると思われる。

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