カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)

2012/04/20 12:00

先日【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる(2012年分対応版)】で、内閣府の【消費動向調査】にて2012年4月17日に公開された2012年分最新情報を元に、携帯電話(スマートフォン含む)の買い替え年数の動向について検証した。今回はその手法を踏襲する形で、「カラーテレビの買い替え年数」についてまとめておくことにした。

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消費動向調査では年1回3月分において、他の月よりは細かい内容を調査している。その中に「第6表 主要耐久消費財の買替え状況」という項目がある。これは「対象品目を買い替えしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果であり、直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。

今回は「カラーテレビ」の買い替え年数を抽出する。保有台数項目では「ブラウン管」「薄型(液晶、プラズマなど)」に区分されているが、買い替え状況では単に「カラーテレビ」とだけ記述されている。今件は後者なので、カラーテレビの種類までは問われていない。

世帯区分は「単身世帯」と「一般世帯(二人以上世帯)」、そしてそれを合わせた「総世帯」の3つが用意されているが、長期時期系列データが保存されているのは「一般世帯」のみ。そこでまずは「一般世帯」における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)

直近3年間(各年は3月調査であることに注意)は年数が短縮傾向にあり、多分に2011年7月の地デジ化が影響している動きに見える。しかし中期的な動向を見るとテレビの買い替え年数は9年前後で安定しており、この3年間の流れも上下の変動幅に十分収まる範囲でしかなかったことが確認できる。テレビの高性能化、多機能化、モデルチェンジの期間短縮にも関わらず、買い替え年数に変化が無いのは、売り手からすれば頭の痛い話。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ カラーテレビ話買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身/一般世帯)

2010年をのぞけば、「単身世帯」の方が買い替え期間が短い。そして2011年-2012年にかけての変移は「単身世帯」の方が大きく、地デジ化直前(あるいは直後)でギリギリになってのテレビ買い替えを行った割合は、「単身世帯」の方が大きかったことがうかがえる(2011年は3月時点。地デジ化まではあと4か月ほど時間がある)。

次のグラフは「一般世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去5年間の買い替え年数推移をまとめたもの。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、一般世帯)(属性別)

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)

直近3年間では地デジ対応もあり、そしてギリギリまで待って(地デジ周りが無ければもう少し長期間使えたテレビを)買い替えたためか、「単身世帯」も「一般世帯」も短縮幅に違いはあれど、少しずつ買い替え年数を縮小している。ところが「一般世帯」の若年層に限り、逆に大きく伸びる動きを見せている。同じ若年層でも単身世帯は買い替え年数を縮めており、妙な動きではある。

この「一般世帯」の若年層の動き、単年だけなら特異値・イレギュラーの可能性もあるが、4年間継続した動きであることから、何らかの意味を持つものと考えられる。しかし今データだけではそれ以上の分析は難しい。

最後に「買い替え理由」を「一般世帯」「単身世帯」それぞれについて見たグラフ。2008-2009年では比較的高かった「上位品目への買い替え」が2010年に落ち込み、2011年以降は再び高まる動きを見せている。

↑ カラーテレビ買い替え理由(一般世帯)
↑ カラーテレビ買い替え理由(一般世帯)

↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)
↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)

携帯電話と比べて「住所変更」を原因とする理由は、やはり大きさの違いにある。わさわざかさばる荷物として運ぶ位ならば、引越しの際に買い替えてしまおうというものだ(携帯電話ならば本体だけならポケットに収まる)。また今年に近づくに連れて「その他」の事由が増え、2012年では過半数が該当するのは、ひとえに地デジ化によるもの。2012年(3月)の時点では地デジ化は完了しており、手持ちのテレビが古い場合は(専用チューナーを使わない限り)テレビ番組の視聴が出来なくなってしまう。

やや気になるのは、地デジ化の直前である2011年(3月)よりも、2012年(3月)の方が「その他」事由による買い替えが多いこと。2011年3月時点では7月の地デジ化を前にしながらアナログ放送テレビを視聴し続け、ギリギリになって買い替え、2012年3月の回答時点で「その他の理由で買い替えました」との回答者が多数いたことがうかがえる。



テレビ関連の技術が漸進し性能がアップしても、最初のグラフにもある通り、買い替え期間はほとんど変化が無い。テレビ本体の提供側は半ば空回りしている感はある。よほどの進化でも無ければ、手持ちのテレビで十分だと判断してしまうのも納得は行く。いわゆる「3Dテレビ」もその「よほどの進化」を期待された面もあったが、テレビの販売動向を見る限り「空振り三振」に終わった感は否めない。

テレビここ数年の地デジ切り替えによるテレビ買い替え需要は、今件でも買い替え年数の短縮化という形でちらほらと現れている。「今のテレビでは(チューナーをつけない限り)視聴できなくなる」とあれば、前に買い替えをしてからあまり時間は経っていないが買い替えざるを得ないと判断して当然の話。

しかし見方を変えれば、この数年間の動きは【テレビ市場、大・縮・小】にもある通り、本来今後行われるはずだった買い替え需要を先取りした形となる。チューナー利用で視聴している人のデジタル対応テレビへの買い替えや、引越しなどに伴う新規購入を除けば、テレビの買い替え需要は今後しばらく随分と冷え込むことになる。さらにはテレビが必要となる最大の理由「テレビ番組」の質の変化も見逃せない。

今後テレビの買い替え年数はいかなる変化をとげるのか。「買い替え理由」の動きと共に、来年以降の動向を注意深く見守りたい。

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