1年半で電子書籍は4倍近く…米書籍読者の購読スタイルの変移をグラフ化してみる

2012/04/19 12:10

電子書籍アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年4月4日、電子書籍を中心に、アメリカの読書性向に関する調査報告書【The Rise of E-Reading】を発表した。モバイル端末、特に電子書籍リーダーの登場・普及で大きな変化をとげている、アメリカの読書の現状をかいまみられる貴重なデータが、多数盛り込まれている。今回はその中から「本を読むスタイルとしての『電子書籍』の浸透を示す指標の一つ」にチェックを入れることにする。

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今調査は16歳以上のアメリカ合衆国国内に住む人を対象とし、2011年11月16日から12月21日にかけて、RDD方式で抽出された電話番号に対し、電話による音声インタビュー形式で英語及びスペイン語で行われたもので、有効回答数は2986人。対象電話は固定電話が1526人、携帯電話が1460人(そのうち固定電話非保有者は677人)。国勢調査結果に基づくウェイトバックが行われている。また今調査全体のうち一部項目では同様の調査スタイルながらも「18歳以上」「2012年1月20日から2月19日」「有効回答数は2253人」による(より現在に近い)取得データを用いたものもある。こちらを用いている場合は逐次その旨言及する。

なお今調査では特記無き限り、「紙媒体としての書籍」の購読以外に「電子書籍を読む」ことも「読書」と見なしている。日本では一部で「電子書籍を読むのは読書とは呼ばない」とする意見もあり、今件データの確認・他調査結果との比較時には注意が必要である。

日常的に特定の行動をしているか否かを見極める手段の一つとして、問合せをした前日にそれをしたかを尋ねるやり方がある。今件では「前日に(媒体は問わず)書籍を読んだか」について聞いているが、経年での変移はほとんど無く、大体1/3強の人が該当する結果となっている。

↑ 昨日何らかの形で書籍(紙・電子・音声問わず)を読んだ人(米)
↑ 昨日何らかの形で書籍(紙・電子・音声問わず)を読んだ人(米)

それらの人に「具体的にはどのタイプの書籍を読んだか」を聞いた結果が次のグラフ。(3回前の)2006年時点ではほとんど電子書籍は無かったためか、直近2回分のみ紙・電子・音声の3スタイルでの書籍の利用性向の値が取得されている。

↑ 日常的に書籍を購読する対象(昨日、何らかの媒体で書籍を読んだ人対象)(複数回答)(昨日、具体的に使った媒体)(米、2010・2011年)
↑ 日常的に書籍を購読する対象(昨日、何らかの媒体で書籍を読んだ人対象)(複数回答)(昨日、具体的に使った媒体)(米、2010・2011年)

普段から読書をする人にとって、その対象が圧倒的に紙媒体の書籍であることに違いは無い。音声本(Audiobook)は少数派。そして電子書籍は2010年6月の時点ではわずか4%でしかなかったのが、2011年12月の時点では15%にまで急増している。多くの読書好きの人にとって、電子書籍が急速に浸透しつつあるようすがうかがえる。

詳細な値は非公開だが、レポートのコメントでは「2011年12月にかけて、大卒、高年収、30-49歳の属性で急速に電子書籍の利用率が高まりを見せている」との言及が確認できる。いずれも電子書籍に限らず、デジタル系の技術・ツールでは大きな値を示す典型的な階層で、積極的に電子書籍リーダーを導入し、活用しているようすが容易に想像できる。

書籍を読む行為そのものの頻繁さには、現時点では大きな変化は無い。今後電子書籍リーダーが普及し、「本を読む」スタイルの変化に大きな影響が出てくるにつれ、読書性向そのものにどのような動きが見られるのか。そして電子書籍の普及に伴い、紙媒体の購読性向はいかなる変化を見せるのか。気になるところではある。


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