性別・世代・学歴・年収別…米属性別読書性向の詳細

2012/04/18 06:45

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読書アメリカ合衆国内の調査機関として著名な【Pew Research Center】は2012年4月4日に同公式サイトにおいて、電子書籍を中心とした同国の読書性向関連のレポート【The Rise of E-Reading】を公開した。モバイル端末、なかでも電子書籍リーダーの登場・普及で大きな変化の真っただ中にある、同国の読書の現状を把握できる貴重なデータが、いくつも盛り込まれている。今回はその中から「アメリカにおける書籍の属性別読書性向の詳細」にチェックを入れることにする。


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調査要項は先行する記事【テクノロジーは読書のアプローチに…デジタル機器と米の読書性向との関係】で解説している。

なお今調査では特記無き限り、「紙媒体としての書籍」の購読以外に「電子書籍を読む」ことも「読書」と見なしている。日本では一部で「電子書籍を読むのは読書とは呼ばない」とする意見もあり、今件データの確認・他調査結果との比較時には注意が必要である。

先日【歳を取るほど「読まない人」と「読む人の冊数」増加…米属性別読書性向】で解説したように、今調査母体では歳を経るほど本を読む人の割合は減る一方、読む人の購読冊数も増加する、要は二極化する傾向が明らかにされている。

↑ 過去1年間の書籍読書数(平均値と中央値)(2011年、属性全員対象)(冊数)
↑ 過去1年間の書籍読書数(平均値と中央値)(2011年、属性全員対象)(冊数)(再録)

それらの動向も合わせ、属性別の購読傾向をもう少し細かく、「読書をする・しない」「している人はどのくらいの冊数を読んでいるのか」別にグラフ化したのが次の図。

↑ 属性別書籍購読傾向(米、2011年、年間購読冊数区分)
↑ 属性別書籍購読傾向(米、2011年、年間購読冊数区分)

性別では女性の方が「ヘビーな読者」が多く、これが全体の購読者率、そして平均読書冊数を押し上げている。世代別では歳を重ねるに連れて「ライトな読者」が増加するが65歳以上で激減。これが購読者率を大きく引き下げる原因。一方で「ヘビーな読者」は世代と共に増加する傾向を示しており、これが以前の記事にもあるように「高齢者ほど読者率は低いが、平均読書冊数が多い」という動きを示す原因となっている。

学歴・年収別では他のデジタル機器の傾向同様に、高学歴・高年収ほど購読者率は高く、購読者の中でも「ヘビーな読者」の割合は大きくなる。ただし学歴ほど年収における「ヘビーな読者」の増加度合いは大きくなく、これが年収差における平均読書冊数の差が付きにくい一因といえる。



なお詳細な値は提示されていないが、レポートのコメント部分では「中堅・ヘビーな読者はライトな読者と比べ、電子書籍リーダーを持っている人の割合が多い」(インターネット利用の有無、携帯電話所有の是非との関連性はあまり無い)との話が寄せられている。このことから「電子書籍リーダーで多くの本を読むようになった」「本を読むのが好きな人は積極的に電子書籍リーダーを活用している」双方の可能性が考えられる。

いずれにせよ、読書の活性化と電子書籍リーダーは浅からぬ関係があると見て間違いない。書籍以外の電子書籍を読むことも「読書」と見なした場合、ではあるが。



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