歳を取るほど「読まない人」と「読む人の冊数」増加…米属性別読書性向をグラフ化してみる

2012/04/17 06:50

読書アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年4月4日、電子書籍を中心に、アメリカの読書性向に関する調査報告書【The Rise of E-Reading】を発表した。モバイル端末、特に電子書籍リーダーの登場・普及で大きな変化をとげている、アメリカの読書の現状をかいまみられる貴重なデータが、多数盛り込まれている。今回はその中から「アメリカにおける書籍の属性別読書性向」にチェックを入れることにする。

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今調査は16歳以上のアメリカ合衆国国内に住む人を対象とし、2011年11月16日から12月21日にかけて、RDD方式で抽出された電話番号に対し、電話による音声インタビュー形式で英語及びスペイン語で行われたもので、有効回答数は2986人。対象電話は固定電話が1526人、携帯電話が1460人(そのうち固定電話非保有者は677人)。国勢調査結果に基づくウェイトバックが行われている。また今調査全体のうち一部項目では同様の調査スタイルながらも「18歳以上」「2012年1月20日から2月19日」「有効回答数は2253人」による(より現在に近い)取得データを用いたものもある。こちらを用いている場合は逐次その旨言及する。

なお今調査では特記無き限り、「紙媒体としての書籍」の購読以外に「電子書籍を読む」ことも「読書」と見なしている。日本では一部で「電子書籍を読むのは読書とは呼ばない」とする意見もあり、今件データの確認・他調査結果との比較時には注意が必要である。

先日【米国で進む「本離れ」に歯止めをかけるのが電子書籍? 米書籍購読傾向をグラフ化してみる】で示した通り、電子書籍も含め過去1年間に「アメリカで本を一冊でも本を読んだ人」の割合は78%。

↑ 過去一年間の「書籍の」読書数(2011年、電子媒体含む)(必要部分のみ再構築)
↑ 過去一年間の「書籍の」読書数(2011年、電子媒体含む)(必要部分のみ再構築)

これを世代別に見ると、若年層ほど「本を読む」人の割合は大きいことが分かる。65歳以上では32%が「直近1年間で1冊も本を読んだことが無い(あるいは無回答)」と答えている。

↑ 過去1年間の書籍読書経験者(電子書籍含む)(2011年)
↑ 過去1年間の書籍読書経験者(電子書籍含む)(2011年)

このデータだけでは「アメリカにおける高齢者の書籍離れ」などとの陳腐なキャッチコピーをつけられそうだが、「読まない人」がシニア層に多い一方、「読む人の購読冊数」もシニア層が多いという、興味深い傾向を示している(要は二極化している)。次のグラフは属性別の「各属性全体に対する平均(読まない人も含む)購読冊数・中央値購読冊数」を示したものだが、世代別では30-49歳層を底に、それより上下の世代で増加する動きを見せている。そして最多冊数層は65歳以上。

↑ 過去1年間の書籍読書数(平均値と中央値)(2011年、属性全員対象)(冊数)
↑ 過去1年間の書籍読書数(平均値と中央値)(2011年、属性全員対象)(冊数)

男女別では女性の方が購読冊数は多い。そして世代別では若年層がやや高め、中堅層に至るまで冊数は減り、以降再び購読冊数は増える。もっとも多い65歳以上層では「読まない人」も含め年間で平均23冊・中央値でも12冊の本が読まれている。

デジタル系アイテムの普及率では良く「高学歴・高年収程高い値を示す」となりがちだが、読書冊数に限れば「学歴差異はある」「年収差異はさほど無い(低年収ではやや少なめ)」の傾向を見せる。電子書籍も紙媒体書籍も、価格の上でのハードルはさほど高くないこともあり、年収による差異はそれほど大きく無いように見える(※別途解説するが「書籍を読む・読まない」別では明確な差異が出ている)。

昨今では電子書籍リーダーも低価格化し、さらにそのリーダーで閲覧できる書籍も安価なものとなり、無料のものも増えている。そして紙媒体の書籍のようにかさばることも無い。電子化した書籍の浸透で、これら属性別の書籍読書数にどのような変化が生じるのか。アメリカはデジタル系文化では日本を先行する事例が多いだけに、今後の動向が気になるところだ。


■関連時記事:
【米国で進む「本離れ」に歯止めをかけるのが電子書籍? 米書籍購読傾向をグラフ化してみる】

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