お金の余裕、聴きたい曲が無い、そして機種変で…音源ファイル購入数減少原因を探る(2012年発表)

2012/04/19 06:45

以前【CDや着うたフルなどの世代別シェアをグラフ化してみる】で記したように、日本レコード協会が2012年2月10日に発表した【 2011年度「音楽メディアユーザー実態調査」】を元に、音楽に関連した消費者のさまざまな動向を確認しながら、【「着メロ」「着うた」などの有料音楽配信販売数と売上をグラフ化してみる(2011年版)】などのような音楽市場の動向を裏付けしたり、消費者の行動を再確認している。今回は資料の中から「携帯電話やスマートフォンの保有者において、音楽ファイルの購入曲数が減った人における、その減少理由」について見て行くことにする。

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今調査は12-69歳の男女(中学生は親の代理回答)に対して2011年8月・10月に実施されたもので、有効回答数は4960人。8月はインターネットアンケート、10月はグループインタビュー方式。性別・世代別・地域別にほぼ均等に回答を集めた後、国勢調査を元にウェイトバックを行い、各種統計では修正後の値を用いている。

「携帯電話・PHSのみ保有」「(携帯電話の有無はともかく)スマートフォン保有」「携帯・スマートフォン双方とも非保有」それぞれの人に、音楽聴取の状況についてもっとも当てはまるパターンを答えてもらったのが次のグラフ。

↑ 有料・無料聴取層構成比(2011年)
↑ 有料・無料聴取層構成比(2011年)

・有料(&無料)聴取層:
「音楽を聞くために、音楽商品を購入したり、お金を支払ったりしたことがある」(「&無料」とは全部が有料では無く、無料のサービスを用いることもあるという意味)

・無料聴取層:
「音楽にお金を支払っていないが、新たに知った楽曲も聞いている」(原則無料のみ)

・無関心層(既知楽曲のみ):
「音楽にお金を支払っておらず、以前から知っていた楽曲しか聴いてない」

・無関心層:
「音楽にお金を支払っておらず、特に自分で音楽を聴こうとしていない」

スマートフォン所有者の絶対数はまだ少数派だが、音楽に対する積極性・市場への金銭的貢献率は高い。そこで携帯電話のみ所有者とスマートフォン所有者それぞれに区分した上で、「昨年の同時期と比べて『音楽ファイル(着うたフルや音楽配信)の購入曲数』が減った人」に限定し、その理由を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ 昨年同時期に比べて音楽ファイルの購入曲数が減った原因は?(減少者限定)(2011年)
↑ 昨年同時期に比べて音楽ファイルの購入曲数が減った原因は?(減少者限定)(2011年)

「携帯のみ保有者」では上位項目に挙げられているのは「お金が無い」「買いたい曲が減った」「携帯で音楽を聴く機会が減った」。一方スマートフォンでは機種変によるハードルもあり、最上位項目として「以前(普通の携帯電話で)使っていた配信サービスが使えなくなった」が挙がり、次いで「端末で音楽を聴く機会が減った」「買いたい曲が減った」の順となる。

個々の項目にはそれぞれモバイル端末への音楽ファイル展開に関する問題点が提起されているが、上位陣のラインアップを見ると次の通りにまとめることができる。

・購入者の金銭的余裕が減っている
・携帯やスマートフォンで音楽を聴くというスタイル離れ
・対価支払いに値する曲が減っている
・(スマホ)環境の変化にシステムが対応していない
・(スマホ)無料楽曲や動画視聴に心と時間を奪われている

特に購入性向が高い(だからこそ「金銭的な余裕が無くなった」の回答率も低い)スマートフォンユーザーにおいて、「配信サービスの未対応」「評価購入に値する曲の減少」の高回答率は、(曲の提供側である業界にとって)頭の痛い話。今後スマートフォンの利用者はさらに増加し、市場の活性化も期待できる(【「着メロ」「着うた」などの有料音楽配信販売数と売上をグラフ化してみる(2011年版)】)にも関わらず、その機会を逃しているからだ。

購入を考えたくなる、質の向上が図られた曲の提供は視聴者のニーズや作り手の技能、そして販売戦略の問題もあり、改善策を一朝一夕に作り上げるのは難しい。一方システムの改善や提供は「何をしなければならないか」が明確化しており、ハードルはさほど高くない。費用対効果の検証もあるが、需要はあるのだから、早急な対応を願いたいものだ。

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