顕著に見えるシニア層の音楽離れ…世代別の「音楽との付き合い方」を探る(2012年発表)

2012/04/15 19:30

以前【CDや着うたフルなどの世代別シェアをグラフ化してみる】で記したように、日本レコード協会が2012年2月10日に発表した【 2011年度「音楽メディアユーザー実態調査」】を元に、音楽にまつわる消費者のさまざまな動向を確認しながら、【「着メロ」「着うた」などの有料音楽配信販売数と売上をグラフ化してみる(2011年版)】などのような音楽市場の動向を裏付けしたり、消費者の行動を再確認している。今回は資料の中から「世代・経年における音楽との関わり合いに対する姿勢、考え方の違い」の確認を行うことにする。

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今調査は12-69歳の男女(中学生は親の代理回答)に対して2011年8月・10月に実施されたもので、有効回答数は4960人。8月はインターネットアンケート、10月はグループインタビュー方式。性別・世代別・地域別にほぼ均等に回答を集めた後、国勢調査を元にウェイトバックを行い、各種統計では修正後の値を用いている。

音楽に対する興味関心の有る無し、その気持ちをどのような行動に移すかについては人それぞれ。音楽業界関係者にとっては、その「それぞれ」がどのような状況なのかは非常に気になるところ。今件ではその動向について尋ねている。

音楽との付き合い方について新曲への関心の度合いや対価の支払いの面から、大きく次の4つに区分。もっとも当てはまる選択肢を選んでもらった。

・有料聴取層:
「音楽を聞くために、音楽商品を購入したり、お金を支払ったりしたことがある」

・無料聴取層:
「音楽にお金を支払っていないが、新たに知った楽曲も聞いている」

・無関心層(既知楽曲のみ):
「音楽にお金を支払っておらず、以前から知っていた楽曲しか聴いてない」

・無関心層:
「音楽にお金を支払っておらず、特に自分で音楽を聴こうとしていない」

全体的な経年動向としては少しずつ「音楽にお金を払う層」が減り、「既知の曲のみを聴きまわす」「音楽そのものに無関心」の人が増えているようすが分かる。

↑ 該当期間における音楽との関わり合いでもっとも当てはまるもの(各年3-8月)
↑ 該当期間における音楽との関わり合いでもっとも当てはまるもの(各年3-8月)

対価を支払わない層でも新曲に興味を持ってくれれば、今後「魅力ある、対価を支払う価値があると認識した新曲」に対し、「有料聴取層」に転じる可能性がある。しかし「新曲にすら興味を持たない」場合、何か特別なきっかけが無ければ新たな対価発生の可能性は薄い(既知曲のリバイバルなどなら可能性はある)。その観点でグラフを見直すと、市場の活性化を期待できない層(右側二つ)が漸増している状況は、あまり好ましいとは言えない。

これを世代別に区分したグラフで見ると、特に50代以降で「音楽(市場)離れ」が進んでいるのが分かる。

↑ 該当期間における音楽との関わり合いでもっとも当てはまるもの(各年3-8月)(属性別)
↑ 該当期間における音楽との関わり合いでもっとも当てはまるもの(各年3-8月)(属性別)

学生から40代位までは全般的に音楽への興味関心も高く、経年による音楽離れも大した割合では無い(それでも漸減しているが)。しかし50代以降になると元々40代までと比較して音楽(特に新曲への)関心が薄く、直近に至ってさらに音楽離れが進んでいるようすがうかがえる。とりわけ2011年では「新曲離れ」が加速しており、既存の手持ちの曲で満足したり、音楽そのものの関心が薄らいでいるのが見て取れる。

この「シニア層の音楽離れ」の傾向は(同層が比較的大きな可処分所得を持つことと合わせ)協会側でも危機感を覚えたのか、今回の「音楽メディアユーザー実態調査」では大きな項目「エルダー層に関する分析」を設け、細かな分析が行われている。なかなか鋭い、目を引く結果もある(例えば”50-60代は、映像等の特典にも反応が弱い。エルダー層が興味を持てる「ヒット作品」や「きっかけ」の提供が必要”など)ので、興味を持った人は一読することをお勧めしたい。


■関連記事:
【世代・性別で色々異なる音楽入手ルートをグラフ化してみる】

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