減少する固定電話での通話、そして携帯でも…米若年層の電話による通話事情をグラフ化してみる

2012/04/11 07:00

固定電話アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年3月19日、アメリカ国内に住む子供達と携帯電話(スマートフォン含む)、そして電子メール・SMS(ショートメッセージサービス=テキストメッセージ)の使用動向に関する調査結果【Teens, Smartphones & Texting】を発表した。今回はその中から、「固定・携帯電話を使った通話状況」に関する項目を見て行くことにする。

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今調査は2011年4月19日から7月14日にかけて、アメリカ合衆国内に住む12-17歳の男女とその両親に対して、電話での通話(英語とスペイン語)を用いて行われたもので、有効回答数は799人。分析上の値では国勢調査の結果に従ったウェイトバックが行われている。

固定電話はもちろん、携帯電話(スマートフォンもしかり)もその名前の通り、本来、主な機能は音声による通話にある。携帯電話はその機動性・インターネットへのアクセス機能がフルに活用され、昨今では「デジタル情報端末」としての意味合いが強く、忘れ去られがちな話ではあるが、電話は「電話」には違いない。一方固定電話は携帯電話の便宜性もあり、次第にその立場を弱くしていることは否めない。【「固定電話のみ」世帯は1割前後に・…アメリカにおける電話の種類別世帯普及率推移をグラフ化してみる】の通り、アメリカでは固定電話の無い世帯が増えている。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、年齢階層別による回答)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(米、年齢階層別による回答)(再録)

それでは今件調査母体の若年層では、固定電話・携帯電話による音声通話の利用頻度は、どのような変移を見せているだろうか。まずは固定電話の動向について。

↑ 固定電話を使って友達と話す頻度(米、12-17歳)
↑ 固定電話を使って友達と話す頻度(米、12-17歳)

もっとも古い2006年11月時点では9割以上の人が(頻度はともあれ)固定電話を使って友達と通話をしている。ところが直近の2011年7月では7割を切っているのが確認できる。「しない」は「固定電話が無いので出来ない」も含めており、最初のグラフの結果と合わせて考えると、多分に「固定電話そのものが無いので、固定電話を使って友達と話す頻度はゼロ」と回答している人がいるのが分かる。

「固定電話を使って友達と通話をする」人の割合は漸減し、さらに「毎日」「週数回」のような高い頻度での通話者比率が大きく減っているのが分かる。とりわけ2011年7月は半減しており、若年層にとって「固定電話での通話」が重要視されなくなっている。多分にモバイル端末などによるSMSや電子メール、ソーシャルメディア経由でのやりとりが代替しているものと想像できる(【平均1日167件・中央値は60件…米若年層の携帯電話を使ったメッセージのやり取り動向をグラフ化してみる】)。まさに「SMSで話す暇も無い」状態。

携帯電話の普及浸透ぶりは先日【3/4強がモバイル持ち、そのうち3割はスマートフォン…米未成年者携帯事情】で伝えた通り。通話そのものが盛んなままなら、固定電話の代替品として携帯電話の利用頻度は上昇するはず。だが携帯電話を使った音声通話では、少々興味をそそられる動きが確認できる。

↑ 携帯電話を使って友達と話す頻度(米、12-17歳)
↑ 携帯電話を使って友達と話す頻度(米、12-17歳)

確かに2009年までは携帯電話による通話頻度は漸増している。携帯電話の普及率そのものも増加しているので、使う手段を持つ人も増えるから、当然の話といえる。ところが「携帯電話本体の普及率は減っていない、むしろ上昇している」にも関わらず、2011年では通話頻度は横ばい、むしろ頻度を落とす動きが確認できる。

携帯電話で音声通話中2011年の「漸減」の動きはまだ調査1回分でしかなく、単なるイレギュラー値の可能性もある。とはいえこれまで4回分確実に下がっていたこと、そして固定電話側でも2011年は大きく減退していたことを合わせて考えると(前回調査から2年のブランクがあるとはいえ)、「通話」という行為そのものに大きな変移があったことが予想される。

携帯電話所有率は横ばいから漸増、そしてSMSの利用率・利用頻度は上昇し、インターネットのインフラも整備され、ソーシャルメディア経由での意思疎通も容易になった。これらの状況を合わせると、「SMSやソーシャルメディアで意思疎通ができるので、固定電話はもとより携帯電話経由ですら、音声通話には及び腰・面倒くさくなりつつある」と考えるのが妥当といえる。また対象が「友達」というのも、「通話をするほどのものではない」と判断させる大きな要因。

次回調査分が発表されるであろう来年の今ごろには、今回発表分の値がイレギュラーなものなのか、それとも通話動向の大きな流れの片りんだったのかが判明するはずだ。

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