震災後の心境変化、時間経過と共に薄れるもの・高まるもの

2012/04/07 19:30

ビジョンライフネット生命保険は2012年3月28日、東日本大地震・震災後における意識や行動の変化に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、震災直後に覚えたさまざまな心理・意識変化について、今年に入ってから度合いが薄れる(震災以前の度合いに戻る)傾向にあることが分かった。一方で「人生のビジョンや使命感への強さ」については逆に、震災直後よりも今年に入ってからの方が、わずかではあるが明確化する傾向を見せている(【発表リリース】)。

スポンサードリンク


今調査は2012年2月14日から20日にかけて携帯電話を利用したインターネット経由で20-59歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は6000人。世代構成は20代・30代・40代・50代で均等割り当て。男女比は1対1。

【震災で強まる社会参加意識、「自らの社会貢献」項目では男女逆転現象も】などにもあるが、東日本大地震・震災という大規模災害を直に、間接的に体感したことで、人々は心理面でも大きな衝撃を受け、それに伴い心境にも小さからぬ変化を見せている。

↑ 社会参加意識の変化(当てはまる派=「当てはまる」「やや当てはまる」の合計)(質問は震災後に一括)
↑ 社会参加意識の変化(当てはまる派=「当てはまる」「やや当てはまる」の合計)(質問は震災後に一括)(再録)

それではこの「変化」について、震災直後と今年に入ってから(≒約一年経過)では、強度にどのような違いが生じているだろうか。震災前よりも「より重要視」「より大切」「より強く」感じたか否かについて、「当てはまる」「やや当てはまる」の合計(=「当てはまる」派)の動きを示したのが次のグラフ。

↑ 意識度合いの変化(震災前と比べて)(「より重要視」「より大切」「より強く」感じたか。「当てはまる」「やや当てはまる」の合計値)
↑ 意識度合いの変化(震災前と比べて)(「より重要視」「より大切」「より強く」感じたか。「当てはまる」「やや当てはまる」の合計値)

下がり具合に差異はあれど、ほぼすべての項目で「震災直後」よりも「今年」の方が低い値を示している。色々な見方が出来るが、心理上の平常心を取り戻しつつある(震災以前に戻りつつある)と解釈するのが妥当だろう(無論各項目を軽視する意味では無い。震災前後で比較して、強く自覚しているか否かである)。

唯一違う動きを示しているのが「人生のビジョンや使命感への強さ」。元々「強く感じた」派はさほど多くないのだが、震災直後よりも今年に入ってからの方が高い値を示している。左側の各項目への一時的な強い思いから自分自身の生きる意味、存在意義、そして将来自分に何が出来るのかという、「これから」に関する想い・目的意識が、哲学的思考にまで昇華したという解釈もできる。

この「人生のビジョンや使命感への強さ」の動向を詳しく見たのが次のグラフ。

↑ どの程度当てはまるか(人生におけるビジョンや使命感をハッキリと感じた)
↑ どの程度当てはまるか(人生におけるビジョンや使命感をハッキリと感じた)

「当てはまらない」、そして「どちらともいえない」層にほとんど変化は無い。一方「あまり当てはまらない層」が減り、その分「やや当てはまる」「当てまはる」層が増加している。「当てはまらない」層に該当していた人がそのまま「やや当てはまる」「当てまはる」に移行することはあまり考えにくく、往々にして心理的変化は少しずつ・段階的に生じる傾向にあるのを考えると、「当てはまらない」の一部が「どちらともいえない」、そして「どちらともいえない」の一部が「やや当てはまる」「当てはまる」という形で、ところてん式に移動したものと考えるのが自然な流れ。

大きな衝撃を経験し、無常感を覚え、自らを思い返し、結果として「自分が何を為すべきなのか」を悟り、人生の糧(かて)に出来る機会はさほど多くない。数ポイントの増加ではあるが、「時間の大切さ」「家族の大切さ」など個別の社会的な認識を経て、自分なりの結論に達し、「何のために自分が今、ここにいるのか」を認識した(と少なくとも自分では思っている)人が増えたのだろう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー