スマートフォンは子供にとってインターネットの窓口…所有端末別・米未成年者のネットアクセス手段

2012/04/09 12:00

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学校のPCルームアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年3月19日、アメリカ国内に住む子供達と携帯電話(スマートフォン含む)、そしてメール・SMS(ショートメッセージサービス=テキストメッセージ)の使用動向に関する調査結果【Teens, Smartphones & Texting】を発表した。今回はその中から、「子供自身が所有しているモバイル端末別の」インターネットへのアクセスに使う機器に関する項目に注目していくことにする。


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今調査は2011年4月19日から7月14日にかけて、アメリカ合衆国内に住む12-17歳の男女とその両親に対して、電話での通話(英語とスペイン語)を用いて行われたもので、有効回答数は799人。分析上の値では国勢調査の結果に従ったウェイトバックが行われている。

今調査母体で携帯電話(一般携帯(いわゆるフィーチャフォン)以外にスマートフォンも含む)を所有しているか否かについて確認したところ、所有率は77%、3/4強に該当することが分かった。また、そのうち約3割はスマートフォンの所有者。

↑ 携帯電話を持っているか(米、12-17歳)(2011年4月-7月)
↑ 携帯電話を持っているか(米、12-17歳)(2011年4月-7月)(再録)

↑ 所有携帯電話はスマートフォンか否か(所有者限定)(米、12-17歳)(2011年4月-7月)
↑ 所有携帯電話はスマートフォンか否か(所有者限定)(米、12-17歳)(2011年4月-7月)(再録)

そして直近一か月では9割近くの子供がパソコン経由で、5割近くがモバイル端末(携帯電話全般=一般携帯とスマートフォン双方)でインターネットにアクセスしている。この場合、本人の所有機器で無くても良いので、両親や兄弟、友達から手段を借りたり、図書館や学校などでの利用形態も含まれることに注意。

↑ 直近1か月間においてインターネットを使った機器(米、12-17歳)(2011年4月-7月)
↑ 直近1か月間においてインターネットを使った機器(米、12-17歳)(2011年4月-7月)(再録)

それでは個々の子供達におけるモバイル端末の所有状況で、インターネットへのアクセスはどのような違いを見せるのか。スマートフォン保有・一般携帯電話保有・携帯そのものの非保有に区分した上で、個々の母体のうち何パーセントが提示した選択肢の機器でインターネットにアクセスしたのかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ 直近1か月間においてインターネットを使った機器(対各機種所有者比率)(米、12-17歳)(2011年4月-7月)
↑ 直近1か月間においてインターネットを使った機器(対各機種所有者比率)(米、12-17歳)(2011年4月-7月)

例えばスマートフォンを所有している子供のうち92%は、携帯電話(この場合自前のスマートフォンと見てよいだろう)を使ってインターネットにアクセスしている。

一方で一般携帯(フィーチャーフォン)の場合は4割でしか無い。一般携帯の中にはインターネットへのアクセス機能を持たない機種も多く、あったとしてもパソコンなど別のアクセス環境が使えるのなら、そちらを使う場合が多々考えられ(その方が何かと操作しやすい)、4割という低い値も納得できる。その動きは「デスクトップ・ノートパソコンでのアクセス」の値が、スマートフォン所有者より一般携帯電話所有者の方が高いことからも裏付けられる。

注視すべき点をもう二点挙げるとすると、一点目は「iPadなどのタブレット機」。スマートフォン所有者の利用率が他の区分と比べてかなり高い。以前【3G・4Gか、Wi-Fiか…米タブレット機などのネットへの接続方法】でも触れたが、iPadなどのタブレット機はWi-Fiでネットに接続する機会が多く、その接続事情はスマートフォンでもさほど変わらない(要は3G・4Gなどの回線では通信料が高額なものとなり、アクセス速度も心もとない)。Wi-Fiアクセスの環境が整った場所でスマートフォンを利用している場合が多いことを考えると、同じ環境でタブレット機も(保護者や兄弟が)使っていて、それを貸してもらう・共有するパターンは多分に考えられよう。

デジタルキャップ解消のために……図書館の活用もう一点は「直近一か月間、インターネットにアクセスしなかった」事例。スマートフォン所有者はゼロ、一般携帯電話所有者は3%に留まっているのに対し、モバイル系端末を持たない子供は16%に達している。モバイル端末の非保有が経済的事由に限る訳ではないが、多分に【アメリカの子供間で生じるデジタルギャップ】でも解説している、「経済格差によるデジタルギャップ」の片りんを見せつけられた感は否めない。


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