地デジ導入前後のテレビ本体購入性向をグラフ化してみる

2012/04/06 07:05

2012年2月17日に総務省統計局が公開した【家計調査報告(家計収支編)平成23年(2011年)平均速報結果の概況】をベースとし、先日から【年金生活をしているお年寄り世帯のお金のやりくりをグラフ化してみる(2011年版)】にあるように、昨年の「家計調査報告(家計収支編)」を元に書きあげた記事の内容更新、そして今回の発表資料で目に留まった動きなどを基にしてグラフ作成と事象の検証を行っている。今回は同レポート内「最近の家計消費の特徴(二人以上の世帯)」から、「世帯におけるテレビの購入数量の動き」について見て行くことにする。

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【間もなく切り替え・ローソンで「地デジ化移行」周知展開】にもある通り、2011年7月5日付をもって(被災三県の岩手県、宮城県、福島県を除く)全国地域における、地上テレビ放送のアナログ放送のデジタル放送への完全移行が行われた。これに加えてテレビ買い替えを促進する意味合いもあった「家電エコポイント制度」の運用も寄与し、テレビの買い替え需要はこの数年大きくふくらんでいた。

一方で家電エコポイント制度は何度も修正されて現場・利用者の混乱を呼び、さらに【テレビ市場、大・縮・小】などでも指摘しているように、地デジ切り替え後のテレビ本体需要の反動的減少や、切り替えの際の「テレビ離れ」的な動きもあり、テレビ本体需要は単に「大きくふくらむ」ばかりでなく、上下に揺れ動く形での変動を起こしている。

次のグラフは2009年-2011年における、二人以上世帯のテレビ新規購入(現時点で保有している、ではない)数量の前年同月比、そして具体的な平均購入台数を示したもの(台数は100世帯当たり)。色々なイベントや思惑に翻弄されながら、大きな動きを見せている。

↑ テレビ購入数量対前年同月増減率(二人以上世帯)
↑ テレビ購入数量対前年同月増減率(二人以上世帯)

↑ テレビ購入数量(台、100世帯あたり、二人以上世帯)
↑ テレビ購入数量(台、100世帯あたり、二人以上世帯)

2009年の時点から「地デジ切り替え」の運動は行われており、それなりにテレビの買い替え需要は発生していた。家電エコポイント制度の開始も、需要底上げのトリガーになっていたのが分かる。そして2010年になると翌年の切り替えを間近に控えてさらに購入機運は高まるが、2010年12月の「家電エコポイント制度の変更」が大きな冷や水となる。

2011年に入ると購入需要そのものは高めのままだが、2010年との差では低い水準に留まり、ようやく地デジ切り替え直前になって「駆け込み需要」的な買いが入ったのが確認できる。そして地デジ切り替え以降は(切り替え前の高需要との比較ということもあるが)、低い水準のまま維持している。

テレビのリモコン地デジ導入前後に購入されたテレビは新型で、耐久度も高めであること、買い替えが必要な技術革新・イベントは(少なくとも現時点では)見受けられないことから、この数年でテレビを買い替えた世帯が今後買い替えを行うのは、5年・10年単位での先の話となる。さらにこの買い替えブームのさなかに、テレビ台数の整理統合化(例えば一世帯に数台あったテレビを一台にまとめる)が進んでおり、台数そのもののニーズの減退も想定される(若年層のテレビ離れ……厳密には「据え置き型テレビ」離れもある)。

毎月発表される景気ウォッチャー(直近では【2012年2月分の景気ウォッチャー調査結果は現状上昇・先行き上昇】)や各小売業界のレポートでも、地デジ導入後のテレビ本体の販売動向が厳しいとの話が繰り返されている。高齢者のテレビ需要の高さは相変わらずだが、若年-中堅層の減退は今後の「家電としてのテレビ業界」にとって、頭痛のタネとなるに違いない。


■関連記事:
【年齢階層別のテレビ普及率をグラフ化してみる(2011年データ反映版)】

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