「社会に貢献する企業」の商品、少々高くても買う? 日本は消極姿勢

2012/03/29 12:00

社会貢献活動ニールセン ジャパンは2012年3月28日、企業の市民活動(企業は利益を追及するだけでなく、社会の公器としての立場から、各方面で社会的責任、特に地域社会への貢献を果たさねばならないとする考え方を具象化するための各種行動)に関する世界規模での調査結果を発表した。それによると、日本は他の諸外国と比べて「企業市民活動」に対する評価が低い傾向にあることが分かった。同行動をした企業の商品を購入したいか、そのような行動をしている企業の商品なら価格が高めでも良いかとの問いの双方において、日本は他地域と比べて肯定的意見が低い結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2011年8月31日から9月16日にかけて、アジア太平洋、欧州、ラテンアメリカ、中東、アフリカ、北米の世界56か国の15歳以上の消費者に対して行われたもので、有効回答数は総計で2万8000人以上。各国の世代・性別構成別に割り当てられ、インターネットを利用する消費者を代表するようにウェイトバックがかけられている。

「企業市民活動」を実施するには多かれ少なかれそれなりのコストが生じるため、当然企業としては利益(売上では無い)が減少する可能性がある。そこでまずは、「企業市民活動」(の一環として「社会還元プログラム」)を実施している企業の製品やサービスを、そうでない企業商品と比べて、より購入したくなるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。青系統が肯定派、赤系統が否定派だが、どの地域も多分に肯定派が多い結果が出ている。

↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスを購入したいか
↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスを購入したいか

とはいえ、細部を見ると大きな違いも見えてくる。例えば中東やラテンアメリカ地域では「非常にそう思う」の回答率が3割近くを占め、「どちらとも言えない」が2割前後でしかない。強い意志での肯定が見えてくる。逆に日本は他地域と比べて強い肯定意見が極めて少なく、「どちらとも言えない」という中間的意見だけで半数近くを占めている。

これをもう少し分かりやすくするため、強い肯定=2・肯定=1・どちらともいえない=0・否定=-1・強い否定=-2の係数を割り振って指数を算出した結果が次のグラフ。ゼロに近づくほど中庸意見、プラスが大きいほど肯定、マイナスが大きいほど否定の意識が強くなる。

↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスを購入したいか・購入希望指数
↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスを購入したいか・購入希望指数

全項目がプラスのため、少なくとも「肯定意見」でまとめられていることに違いは無い。一方で日本は他地域と比べ、値が低い=肯定の強度が弱いことが分かる。マイナス値でも無いので、表現を変えれば「購入の是非の意志決定において、日本では企業の市民活動には肯定的だが関心は薄い」と考えれば良い。ヨーロッパも意外に無関心派が多いのが目に留まる。

単純に買う・買わないでは無く、対価を少々上乗せしても良いかという設問でも、傾向はほぼ同じ。むしろ消費者側の目はいくぶん厳しいものとなる。

↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスなら多めに支払っても良いか
↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスなら多めに支払っても良いか

↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスなら多めに支払っても良いか・支払度数
↑ 社会還元プログラムを実施している企業の製品やサービスなら多めに支払っても良いか・支払度数

こちらではむしろヨーロッパの方が厳しい目で見ていること、そして一つ目の「買う・買わない」以上に新興国の肯定意見の強さが認識できる結果となっている。

この傾向についてレポート側では何の説明もないが、具体的な「企業市民活動」の例示項目の多くに、新興国でより積極的に行われている・生命に直接係ることがある様子を見るに、「自分自身の生活に身近なテーマであるか否か」が多分に影響しているものと思われる。視点を変えれば、ある程度アピールをしない限り、消費性向の点で評価を受けるのは難しいことになる。

やや世知辛い感もあるが、これはこれで仕方あるまい。何しろ知らなければ、判断すら出来ないのだから。

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