米モバイルニュース事情をグラフ化してみる(端末種類編)

2012/03/31 06:45

スマートフォン操作アメリカの調査機関として名高い【Pew Research Center】は2012年3月19日に同社公式サイトにて、デジタル・非デジタル双方におけるアメリカでのニュースメディアの動向と展望に関する報告書【State of the News Media 2012】を公開した。現状、さらには将来への展望を同社の調査結果、公的情報や他調査機関のデータを合わせてまとめ上げた「米デジタルニュース白書」で、貴重なデータが数多く記されている。そこで先日から【タブレット機でニュースを読む人は約1割…アメリカのニュース取得状況をグラフ化してみる】の例にある通り、気になる要項について抽出やグラフの再構築などを行い、現状を概要的にでも把握すると共に、今後の記事展開の資料構築も兼ねるようにしている。今回はアメリカにおけるモバイル端末(スマートフォンとタブレット)とニュースの取得に関する部分を、いくつかの数字・グラフと共にかいつまんでみることにする。

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調査対象母集団の詳細などは2012年3月の記事「タブレット機でニュースを読む人は約1割…アメリカのニュース取得状況をグラフ化してみる」などで確認のこと。

「タブレット機でニュースを読む人は約1割…アメリカのニュース取得状況をグラフ化してみる」で解説したように、今調査母体では4割近くの人がスマートフォンを持ち、1割強がタブレット機を保有している。そして両端末でも半数前後の人が、その端末でニュースを取得している。

↑ 主要デジタル機保有とニュース取得状況(米、2012年1月)
↑ 主要デジタル機保有とニュース取得状況(米、2012年1月)(再録)

この値はあくまでもそれぞれ単体に対する回答。例えば「スマートフォンを持っている」と回答した人がタブレット機も保有している場合もあるし、パソコン(PC、以下同)保有者がスマートフォンとタブレット機双方も持っているかもしれない。そこで、いくつかのパターンに分けて、PC・スマートフォン・タブレット機の重複保有状況について聞いた結果が次のグラフ。

↑ デジタル機保有状況(米、2012年、重複あり)
↑ デジタル機保有状況(米、2012年、重複あり)

少々分かりにくい図かもしれない。一番左の「52%」なら、「PC保有者の52%」はスマートフォンも持っているのを意味する。この時、同時にタブレット機を持っている・いないは考慮されない。また、「調査母体全員の52%」ではないことに注意。

調査母体のタブレット保有比率は16.9%なので、PC保有者の方がタブレット機保有「率」は高いことになる。また、PC以上にスマートフォンとタブレット機との相性は良いのが分かる。

そしてここだけ「調査母体全体比」なのだが、「PCもスマートフォンもタブレット機も全部持っている」人が13%いるのが分かる。タブレット機の保有率が16.9%だから、保有者の多くは「全部持ち」という実態が浮かび上がってくる。

さてそれらモバイル端末を用いたニュース取得だが、やはりパソコン経由の割合が高い。モバイル端末ではややタブレット機が高いものの、5割程度でしかない。

↑ 各ハード保有者における「そのハードからの」ニュース取得者率(米、2012年)
↑ 各ハード保有者における「そのハードからの」ニュース取得者率(米、2012年)

機動力こそ低いが、画面は広く操作もしやすく回線も安定している。通信料金への心配も(モバイル端末程は)必要無い。昨年末からのKindle Fireをはじめとした廉価版タブレット機の普及で、タブレット経由でのニュース利用者が増加するかもしれないとの観測もあるが、今データを見る限りでは劇的な変化はなさそうだ。

直上のグラフはそれぞれの端末のあるなしだけで尋ねた結果だが、複数の端末を持っていた場合、ニュース取得率はどのように変化するのだろうか。

↑ デジタル機でのニュース取得兼用状況(米、2012年、重複あり)
↑ デジタル機でのニュース取得兼用状況(米、2012年、重複あり)

一つ前のグラフと見比べて見れば分かるように、複数機種を持っている人は他方の機種でもニュース取得を行っている。例えばPCでニュースを観ている人のうち(PC「保有者」ではないことに注意)1/3強はスマートフォンを持ち、そのスマートフォンでニュースを閲覧していることになる。

興味深いのは「全機種保有者」。PC・スマートフォン・タブレット機すべてを持つ人の4割近くは、頻度はともあれ全機種でニュースを観ていることになる。【タブレット機は魔法のツール…米タブレット機利用者のニュース購読上の変化をグラフ化してみる】などにもあるように、タブレット機とニュースの相性の良さが思い返される。

しかしながら上記にもある通り、ニュース取得の際に複数の環境がある場合、PCを優先的に使う人は多い。

↑ 各機器利用によるニュース取得者における「ニュース取得の際にメインで使っている」機器(2012年、米)
↑ 各機器利用によるニュース取得者における「ニュース取得の際にメインで使っている」機器(2012年、米)

各項目は該当端末を持っているか否かだけで区分しており、PC保有の是非は尋ねていない。そしてPCを持っていない人は当然ニュース取得の際に使えるはずもないので、実際には「PCとそれ以外のモバイル端末を持ち、ニュース取得をしている人」の半数前後は、たとえモバイル端末があってもニュース取得のメイン端末としては使っていないことが分かる。

またスマートフォンとタブレット機、双方を持つ人の場合、PCを挙げる人を除けばほぼ同率で「ニュース取得にもっとも良く使う」と答えている点も興味深い。



日本ではタブレット機の普及はまだ始まったばかりで、「PC」「スマートフォン」「タブレット機」の三者鼎立的な状況には程遠い。とはいえ、スマートフォンの普及動向と同じように、そう遠くないうちにタブレット機もまた、10%、20%の普及率を数えて行くことになるものと思われる(廉価かつメジャーな機種の登場がカギとなる)。

それに合わせ、デジタル端末に対するニュースの配信・取得事情も大きな変化をとげるに違いない。さらに例えば今件のように「PCとタブレット機双方を持つ人」のような、複数端末保有者への対応も気になるところだ。

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