ニュースとソーシャルメディアの関係をグラフ化してみる

2012/03/28 12:00

ソーシャルメディアアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年3月19日、デジタル・非デジタル双方におけるアメリカでのニュースメディアの動向と展望に関するレポート【State of the News Media 2012】を発表した。現状と将来展望をPew Research社の調査結果と公的情報や他調査機関のデータを合わせてまとめ上げた、いわば「米デジタルニュース白書」のようなもので、貴重なデータが数多く盛り込まれている。そこで先日から【タブレット機でニュースを読む人は約1割…アメリカのニュース取得状況をグラフ化してみる】のように、気になる要項について抽出やグラフの再構築などを逐次行い、現状を少しでも把握すると共に、今後の記事展開の資料構築も兼ねるようにしている。今回はTwitter(ツイッター)やFacebook(フェースブック)に代表されるソーシャルメディアと、ニュースとの関係について、いくつか内容をかいつまんでみることにする。

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今レポートは大きく「公的機関など他機関の調査結果」と「Pew Research Centerの調査結果」(いずれもアメリカ国内)で構成されている。後者については2012年1月12-15日・19-22日・26-29日にかけて、RDD方式で選ばれた番号による電話による口頭調査で、英語にて18歳以上に対して行われたもので、有効回答数は3016人。そのうち1809人は固定電話で、1207人は携帯電話で回答している。携帯電話回答者のうち605人は固定電話を保有していなかった。また調査結果は2011年3月時点の国勢調査結果によるウェイトバックがかけられている。

【ツイッターとソーシャルメディア、それぞれのニュース媒体としての使われ方の違いとは】【7割強は「他メディアと同じようなニュース」米ソーシャルメディアとニュースの関係】などにもあるように、「生活に密着しているか否か」との視点で見た場合、類似点が多いニュースとソーシャルメディアは、親和性の高い・相性の良い存在同士といえる。

そして同じソーシャルメディアでもTwitterとFacebookでは、「ニュースの取得」という点でも、それぞれの特徴にあった使われ方をしているのが分かる。

↑ Facebook/Twitter利用者のうち、該当メディアでニュースを取得している人における、「ニュース記事へのリンクのチェック」としてもっとも多用している対象(米、2012年)
↑ Facebook/Twitter利用者のうち、該当メディアでニュースを取得している人における、「ニュース記事へのリンクのチェック」としてもっとも多用している対象(米、2012年)

Facebookの方が個人を特定しやすく、また実物を知っている・会っている対象と意志疎通をしている場合が多い(何しろ原則、肖像画も実名も公開での利用なのだから)。従ってFacebookでニュースを取得する人は、より安心感の強い友達や家族からの情報を多くチェックする。一方ツイッターではニュース媒体やニュース関連以外の組織からの(見方を変えれば専門家や専門機関からの)情報を多用する人も多く、ある意味ではバランスが取れた状態ともいえる。

「Facebookを使ってニュースを取得する人は、ごく身近にいる人からの情報を取得することが多い」。これは見方を変えると「他の手段でも入手しうる」「汎用性の高い情報」であることを意味する(身内同士のデジタル井戸端会議、とでも表現できよう)。ある特定のニュースに対してもし仮にFacebookを使っていなかった場合、他のメディアからそのニュースを取得しえたかいなかを聞いたところ、56%は「はい」と答えている。

↑ もしそのメディアを使っていなかったら、他のメディアからそのニュースを取得していた?(米、2012年)
↑ もしそのメディアを使っていなかったら、他のメディアからそのニュースを取得していた?(米、2012年)

一方でTwitterの場合は43%でしかない。

箇条書きに要件をまとめると次の通りとなる。

●Facebook
・リアルでも知っている人からのニュースを多用
・井戸端会議的な「テレビでやってた」「新聞で見たけど」的な雑談系、ハードルの低いニュースを見聞きする
・Facebookで無くともそれらのニュースは容易に取得可能だが、Facebookなら各方面の情報が一度に習得できるので、時間・手間の両面で「楽」に把握できる
・仮にFacebookで見聞きしていなくとも、本人から直接、あるいは他の媒体から容易に取得し得た内容
・汎用的ニュース取得がメイン

●Twitter
・リアルでも知っている人からだけでなく、リアルでは知らない人からもニュースを積極取得
・雑談系ニュースの他に、よりハードルの高い、専門的・マニア的なニュースをも取得する(フォローの相手次第)
・Twitterで無いと取得できない、あるいは取得が遅れる情報もある
・フォローする人次第で汎用的にも専門的にもニュースを取得できる

FacebookもTwitterもニュースの取得のためだけのメディアでは無いが、同じソーシャルメディアでも利用性向・特性が違うため、「ニュース取得」という切り口で見ても大きく使い方・取得情報の特性が違ってしまうことになる。同じ「ソーシャルメディア」を利用した「ニュースの取得」(逆の立場から見て「配信」でも良いが)でもFacebookとTwitterとでは大きく性格が異なることを、知っておく必要はあるだろう。もっとも最近では、両者間の書き込みの自動転送の仕組みが進んでおり、使い方次第では「少なくとも発信側では」違いが薄れつつあるが。



もっとも、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア経由でニュースを取得するという使い方は、デジタルメディアでニュースを読む人全体から見れば、まだ少数派でしかない。

↑ よく使うニュース取得サイトやサービス(米、2012年)(デジタル上でニュースをよく取得する人限定)
↑ よく使うニュース取得サイトやサービス(米、2012年)(デジタル上でニュースをよく取得する人限定)

これを仮に「良く使う」ではなく「使うことがある」にした場合、ソーシャルメディアの比率は52%にまで上昇する。しかしニュースサイトは92%、検索は85%となり、やはりソーシャルメディアでのニュース取得は少数派でしか無い。

ソーシャルメディアは「ソーシャル」なメディアであり、「ニュース」のメディアとしてはその一部分の要素でしか無い。Twitterのようにある程度絞り込みができる場合もあるが、やはり現状では専門的なサービスにはかなわない。例えるなら、コンビニで買い物をするか、専門店に足を運ぶか、その違いというあたりだろうか。

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