日本の石炭事情をグラフ化してみる(エネルギー白書2011版)

2012/03/21 07:20

石炭資源エネルギー庁は2012年3月12日、エネルギー白書2011のHTML版を公開した(【エネルギー白書2011】)。これに伴い、以前【各国のエネルギー自給率をグラフ化してみる(エネルギー白書2010版)】をはじめとした、白書前年版を元にした記事の更新を行う事にする。今回は日本の石炭事情を絡めた記事について更新を試みる。【世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2010年分反映・EIAデータ版)】【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】などと合わせて読むと、さらに理解が深まるはずだ。

スポンサードリンク


参照した具体的な場所は「第2部 エネルギー動向 第1章 国内エネルギー動向 第3節 一次エネルギー動向」と【第2部 エネルギー動向 第2章 国際エネルギー動向 第2節 一次エネルギー動向】。なお「エネルギー白書2011」では震災の影響を受け、「2010」とは大きく構成が異なっており、昨年までの白書から記述が簡略化・削除されているものがある。そのため今件記事でも、前回と同じグラフを生成できない場合もある。

まずは日本が「石炭の他国からの輸入」という観点でどのような立ち位置に居るかの確認。日本は世界最大の石炭輸入国となっている。

↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量(2009年見込み)(億トン)
↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量(2009年見込み)(億トン)

↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量によるシェア(2009年見込み)
↑ 主要輸入国・地域における石炭輸入量によるシェア(2009年見込み)

これは後述するように、日本が大量の石炭を燃料・原料として使う一方、ほとんど国内での生産がなされていないため。

昨年のデータと比較すると、中国がその輸入量を大幅に増じており(数年前まではむしろ輸出国だった)、順位も6位から2位に上げている。別系統の情報源を元にした2010年分では(【世界各国の石炭埋蔵・採掘・輸出入量などをグラフ化してみる(2010年分反映・EIAデータ版)】)輸入量についてほぼ日本と肩を並べており、近い将来に世界最大の輸入国となる可能性が高い。

続いて日本の石炭供給量の推移。工業化の進展と共に石炭の消費量も増え、総計は右肩上がり。一方で採算性の問題などから国内炭田は次々に閉鎖され、生産量も減退。2010年では99.4%までを輸入産に頼る結果となっている(2011年分の白書では「鉄鋼精錬用などの原料炭」「火力発電用の一般炭」の区分はされていない)。

↑ 日本の石炭供給量の推移(100万トン)(年度)
↑ 日本の石炭供給量の推移(100万トン)(年度)

データが公開されている期間でもっとも古い1965年度では、石炭の輸入比率は23.8%。これが1960年後半から急上昇を続け、1988年には9割を超えている。これは石油へのエネルギー需要の転換、割安な輸入炭との価格競争に国内生産炭が打ち勝つことが出来なかったため。2005年度には125万トン/年にまで減少してしまうが、その後の原油価格の高騰を受けて減少はストップ。詳しく「原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める」に記述しているが、少しずつ増加の兆しを見せていた。しかし2009年には再び減退。直近の2010年では115万トン/年に減少している。



以前【天然ガスが伸びてます…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる(「2010-2011」対応版)】でも解説したが、日本国内に限っても天然ガスと共に石炭は再び注目を集めつつある。

↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)
↑ 日本の一次エネルギー消費推移(全体比)(個別折れ線グラフ)(再録)

石炭は採算効率と共に環境負荷対策が、生産・利用の際の要となる。今後の状況を鑑みると、これらの改善化への投資増加による、さらなる状況の改善化を願いたいところだ。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー