「安保は日本の平和と安全に役立つ」8割超え・過去最大を示す(2015年)(最新)

2015/03/12 11:25

日本の戦後における外交・政治・軍事さらには経済の面で大きな役割を果たした条約の一つに「日米安全保障条約」がある。その条約に関して内閣府が2015年3月9日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査によると、8割を超える82.9%の人が日本の平和と安全に役立っていると答えていることが明らかになった。役立っていないとの否定的意見を持つ人は11.5%に留まっている。また日本の安全を守るとの観点では、現状の日米安保体制の維持が望ましいとする意見が84.6%に達しており、安保の撤回と自衛隊のみによる国防や安保撤回に加え自衛隊も縮小すべきであるとの意見は少数に留まる結果が出ている(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成27年1月調査)】)。

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「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」、通常は「日米安全保障条約」「日米安保」と呼ばれる日米間の条約は、両国の同盟関係の根幹を成す条約として知られている。また、両国間の関係50周年を記念して在日米軍司令部からオリジナルの解説漫画が刊行されたことは、以前【在日米軍司令部、日米同盟50周年を記念したオリジナル漫画第4部を公開】などでお伝えした通り(※2015年時点では掲載は終了している。解説は米大使館サイト内の【在日米軍発行のマンガ「わたしたちの同盟永続的パートナーシップ」について】でも確認できる)。

その安保条約について、「日本の」平和と安全に役立っているか否かを5段階評価で聞いたところ、「役立っている」「どちらかといえば役立っている」を合わせた肯定派は82.9%を占める結果となった。逆に否定派は11.5%と1割強に過ぎない。

↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役だっていると思うか(内閣府調査)(2015年)
↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役だっていると思うか(内閣府調査)(2015年)

属性別に見ると、女性・若年層の否定感、高齢層の留保感(「分からない」の回答率の高さ)がやや強いように見受けられる。軍事的な話には拒否反応を示しやすい属性でもあることから、この動きは当然といえる。もっとも20代では否定派は5.6%+1.2%の6.8%に留まり、肯定派が世代別では一番多い(88.8%)のも特徴的である。

経年変化を見ると、湾岸戦争時に大きな動き、具体的には否定派の増加・肯定派の減少が確認できるが、それ以外は大よそ肯定派の増加が継続している。否定派は大きな動きを見せず、ほぼ横ばいのまま推移している。

↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役立っていると思うか(経年変化)(内閣府調査)
↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役立っていると思うか(経年変化)(内閣府調査)

前回調査の2012年では肯定派がはじめて8割を超えた。今回の2015年ではさらに増加を示し、過去最高の82.9%に達している。この動きは見方を変えると「分からない」、あるいは判断留保の人の割合が減ってきたことを意味する。時間の経過と共に安保の意味合いが浸透し、はっきりと判断をする、特に肯定する人が増えてきたと考えるのが妥当ではある。

日本の安全を守るための選択肢、とは!?


日米安保が日本の平和と安全に寄与すると考えている人は漸増している。それでは安保体制以外に日本の安全を守るための方法論としての選択肢は無いのだろうか。現状維持も合わせいくつかの選択肢を提示し、どれが適切かを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 日本の安全を守るための方法(内閣府調査)(2015年))
↑ 日本の安全を守るための方法(内閣府調査)(2015年)

先の日米安保肯定派が、ほぼ「現状維持」にスライドした形で、得票率もほぼ同等な値が出ている。次いで多いのは「安保を撤回して自衛隊のみで日本の安全を守る」との回答だが、どの属性でも1割に満たない。「安保撤回・自衛隊も縮小か廃止」(この状態でどのようにして安全を守るのかは設問では設定されていない)の回答者は数%%程度しか無く、最大値を示している属性の50代でも6.1%。「分からない」との回答も1割に満たない。

属性別傾向を見ると、男女別では日米安保の肯定・否定とほぼ同じ動向だが、世代別では若年層ほど現状維持(日米安保体制の維持)への支持が多い。日米安保への有益さへの肯定度合いは高齢層の方が高いことを合わせて考えると、ねじれ現象が起きているようにも見える。若者は「安保はそれなりに役立ってる。撤回は問題外」、高齢層は「安保はとても役に立っている。撤回すべきか否かは分からない」というところか。

今件の経年変化を見ると、戦争・軍事関連の大きな出来事があると「現状体制」への反発が強くなることが見て取れる。また近年につれて現状維持への意向がより強くなる動きを示しているのが確認できる。

↑ 日本の安全を守るための方法(内閣府調査)(経年変化)
↑ 日本の安全を守るための方法(内閣府調査)(経年変化)

昨今では「非武装化」的な意見は漸減し、むしろ「自衛隊のみ」の意見が増加する兆しもあったが、直近2回の調査結果では再び減少。ぶれの範囲内での動きと評価できる。「現状維持」が8割を超えさらに増加する動きを示していることから、大勢の意見は「日本の平和・安全には日米安保の現状維持が一番」と判断してまず問題は無いだろう。


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