「安保は日本の平和と安全に役立つ」8割近く(最新)

2018/03/14 05:09

2018-0313日本の戦後における外交・政治・軍事さらには経済の面で大きな役割を果たした条約の一つに「日米安全保障条約」がある。その条約に関して内閣府が2018年3月12日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査によると、77.5%の人が日本の平和と安全に役立っていると答えていることが明らかになった。役立っていないとの否定的意見を持つ人は15.7%に留まっている。また日本の安全を守るとの観点では、現状の日米安保体制の維持が望ましいとする意見が81.9%に達しており、安保の撤回と自衛隊のみによる国防や、安保撤回に加え自衛隊も縮小すべきであるとの意見は少数に留まる結果が出ている(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成30年1月調査)】)。

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「日米安保は日本の平和と安全に役立っている」8割近く


今調査に関する調査要項は先行記事【自衛隊への好印象度89.8%(最新)】を参照のこと。

「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」、通常は「日米安全保障条約」「日米安保」と呼ばれる日米間の条約は、両国の同盟関係の根幹となる条約として知られている。また、両国間の関係50周年を記念して在日米軍司令部からオリジナルの解説漫画が刊行されたことは、以前【在日米軍司令部、日米同盟50周年を記念したオリジナル漫画第4部を公開】などでお伝えした通り(※2015年時点では掲載は終了している。解説は米大使館サイト内の【在日米軍発行のマンガ「わたしたちの同盟永続的パートナーシップ」について】でも確認できる)。

その安保条約について、「日本の」平和と安全に役立っているか否かを5段階評価で聞いたところ、「役立っている」「どちらかといえば役立っている」を合わせた肯定派は77.5%を占める結果となった。逆に否定派(「どちらかといえば役立っていない」「役立っていない」の合計)は15.7%に過ぎない。

↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役だっていると思うか(2018年)
↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役だっていると思うか(2018年)

属性別に見ると、女性の否定感、高齢層の留保感(「分からない」の回答率の高さ)がやや強いように見受けられる。軍事的な話には拒否反応を示しやすい属性でもあることから、この動きは当然といえる。「役立っている」との強い肯定意見率は大よそ若年層ほど低めで高齢層ほど高い。

また否定派は50代まではほぼ同率、60代以降は「どちらかといえば役立っていない」が減る代わりに「役立っていない」が増えるという、印象的な動きをしているのも注目に値する。同年齢階層では「役立っている」との意見も増えていることから、まさに意見の対立度合いが強いものとなっているのだろう。

経年推移を見ると、湾岸戦争時に大きな動き、具体的には否定派の増加・肯定派の減少が確認できるが、それ以外は大よそ肯定派の増加が継続している。否定派は大きな動きを見せず、ほぼ横ばいのまま推移している。

↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役立っていると思うか(経年推移)
↑ 日米安全保障条約が日本の平和と安全に役立っていると思うか(経年推移)

2012年の調査結果では肯定派がはじめて8割を超えた。2015年ではさらに増加を示し、過去最高の82.9%に達した。この動きは見方を変えると「分からない」、あるいは判断留保の人の割合が減ってきたことを意味する。時間の経過とともに安保の意味合いが浸透し、はっきりと判断をする、特に肯定する人が増えてきたと考えるのが妥当ではある。

直近の2018年では前回調査から肯定派が減り、否定派が増えている。公開値だけでは具体的思惑を推し量ることは難しいが、北朝鮮情勢や中国の具体的行動のような、日本周辺状況に関して抑えが利かなくなっている実情を見て、安保ではその威力が足りないのでは、平和維持には役立っているとは言い切れないからこそ、現状のような危機感が生じているのではないかとの認識が増えた結果である可能性は否定できない。

日本の安全を守るための選択肢、とは!?


日米安保が日本の平和と安全に寄与すると考えている人は漸増している。それでは安保体制以外に日本の安全を守るための方法論としての選択肢は無いのだろうか。現状維持も含めていくつかの選択肢を提示し、回答者の考えとしてはどれが適切かを選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ 日本の安全を守るための方法(2018年)
↑ 日本の安全を守るための方法(2018年)

先の日米安保の肯定派が、ほぼ「現状維持」にスライドした形で、得票率もほぼ同等な値が出ている。次いで多いのは「安保を撤回して自衛隊のみで日本の安全を守る」との回答だが、どの属性でも1割に満たない。「安保撤回・自衛隊も縮小か廃止」(この状態でどのようにして安全を守るのかは設問では設定されていない)の回答者は数%程度しか無く、最大値を示している属性の60代でも4.7%。「分からない」との回答も1割に満たない。

属性別傾向を見ると、男女別では日米安保の肯定・否定とほぼ同じ動向だが、年齢階層別では大よそ若年層ほど現状維持(日米安保体制の維持)への支持率が高い。日米安保への有益さへの肯定度合いは「役立っている」との強い肯定率に限れば高齢層の方が高いことと併せて考えると、ねじれ現象が起きているようにも見える。若者は「安保はそれなりに役立ってる。撤回は問題外」、高齢層は「安保は大変役に立っている。撤回すべきか否かは分からない」というところか。

今件の経年推移を見ると、戦争・軍事関連の大きな出来事があると「現状体制」への反発が強くなることが見て取れる。また近年につれて現状維持への意向がより強くなる動きを示しているのが確認できる。

↑ 日本の安全を守るための方法(経年推移)
↑ 日本の安全を守るための方法(経年推移)

昨今では「非武装化」的な意見は漸減し、むしろ「自衛隊のみ」の意見が増加する兆しもあったが、2009年を頂点として再び減少。ぶれの範囲内での動きと評価できる。「現状維持」が8割を超えていることから、大勢の意見は「日本の平和・安全には日米安保の現状維持が一番」であると判断してまず問題は無いだろう。


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