去年よりはやや改善…大学生の今年1月末時点での就職内定率は80.5%・前年比3.1ポイントのプラス

2012/03/17 06:45

厚生労働省は2012年3月16日、2011年度(2011年4月1日-2012年3月31日)大学等新卒者の就職内定状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2012年2月1日(1月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の割合)は80.5%だったことが明らかになった。これは昨年よりは3.1ポイント改善されたものの、一連の調査結果が公開されている1997年度分以降、過去3番目の低い値を示している(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職内定状況】も発表されており、それによれば高校新卒者の就職内定率は86.4%となり、昨年同期から2.9ポイントの上昇を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2012年2月1日時点で大学の就職内定率は80.5%。前年同期と比べて3.1ポイントのプラスとなる。さらに今「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の調査が開始された1997年度分以降においては、冒頭でも触れているように、昨年2011年1月末の77.4%・2010年1月末の80.0%を上回っているものの、過去3番目の低い値を示している。

↑ 中卒-大卒の就職内定率(2012年1月末時点と2011年同時期)
↑ 中卒-大卒の就職内定率(2012年1月末時点と2011年同時期)

元々短期大学の就職内定率は低い傾向にあるが、今年は幸いにも他の学歴同様に多少ながら上昇した。とはいえ、就職を希望している人の1/3が「就職したいのに就職先が見つからない状態」と厳しい状態なのが分かる。もっとも就職率の高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる(2011年版)】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。また今回では文部科学・厚生労働両省で定められた、中学卒業予定の学生に対する内定開始期日(2012年1月1日以降)を過ぎているため、中学卒業予定者のデータも盛り込まれているが、昨年同様厳しい状態にある。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2012年1月末時点と2011年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2012年1月末時点と2011年同時期)

昨年同時期と比べていずれも高い値を見せている。そして今回においては国立が女性、私立は男性が、より高い内定率なのが確認できる。

直近9年間における内定率推移をグラフ化すると、次の通りとなる。昨年・一昨年よりは改善しているものの、引き続き厳しい状態にあるのがうかがえる。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

このグラフからは、リーマンショックの影響を受けた2009年3月卒分(の12月1日現在データ)から、就職率が落ち込みを見せているのが容易に把握できる。そして2010年3月卒分で各期間とも勾配が大きなものとなり、今回データではようやく反転上昇の兆しを見せているのが分かる。



高卒者の内定率もわずかに上昇している。内容を確認すると高校新卒者においては、

・求人数は20.1万人。前年同期で6.6%増
・求職者数は16.6万人。前年同期で1.3%増
・就職内定者は14.3万人。前年同期で4.8%増

という値となっている。求人数が大幅に増え、求職者は微増。結果として(高卒者側から見れば)就職状況はやや改善の動きを見せている。求人倍率は1以上(1.21)と、「求人数>>求職者数」ではあるが、企業と求職者のマッチングを考えれば、未だに厳しい状態に違いは無い。

また【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】でも指摘しているが、中高生は正社員以外(非正規雇用)の雇用形態比率が大きいことから、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性も多分に考えられる。さらに【3年で中卒者は2/3、高卒者は4割が離職…学歴別・就職後の離職状況をグラフ化してみる(2011年版 子供・若者白書)】で指摘している通り、中高卒は大学卒と比べて短期間での離職率が高い傾向にある。一概に諸手を挙げて喜ぶのは、時期尚早のようだ。

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