上位国リストからギリシャが消える、最上位はポルトガルに(国債デフォルト確率動向:2012年3月)

2012/03/15 12:10

国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化した記事(2010年12月17日分)で説明したように、経済動向を推し量るのを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2012年3月分として、15日時点での数字をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


国公債のデフォルト確率を表すCPD(5年以内のデフォルト可能性)そのものの細かい定義、データの取得場所、そして各種概念は一連の記事まとめ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説済み。そちらを参照してほしい。

今件のグラフは日本時間で2012年3月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。今回は先月分と比べ、大きな違いが確認できる。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2012年3月15日時点)

常に一番左で80-90%台、つまり5年以内にデフォルトする確率が8-9割程度と市場から認識されていたギリシャが、きれいにグラフから消えている。CMA Market Dataの該当ページには説明は一切ないものの、先日ギリシャ国内の意見がようやくまとまったCAC(ギリシャ債務交換において発動された集団行動条項)に関し、ISDA(国際スワップ・デリバティブス協会)では【ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の支払いが発生するとの判断を示した(ロイター)】との報道がなされている。そして【ISDAのギリシャ関連の専門ページ】でもこの事実は確認できる。つまりギリシャについては「11位以下になるほど値が低下した」のではなく「発動したため100%となり、記載するに及ばず(記載の意味が無い)」と判断されたものと考えるのが妥当だ。ギリシャは債務の整理統合再構築が成された後、状況次第では再び顔を見せることもあるだろう。

今回のギリシャのデフォルト認定によるCDS発動では、大きな影響は無いとの見解で市場・金融関連企業の意見は一致しており、少なくとも入札が行われる3月19日までは、市場はむしろ「ハードルを一つクリアした」との判断を下している。結果として関連する諸国のCPD値もおおむね下げているのが分かる。グラフ中には無いが、イタリア、フランスなどのヨーロッパ諸国のCPDも大きな減少が確認されている。

ギリシャの暴動を伝えるニュースギリシャ国内では今回の支援決定とそれに伴うCACに対する反発は根強く、一部には「ヨーロッパの支援はギリシャに革命への道を後押ししているに過ぎない」との意見も聞かれるほど。今回のアクションで同国の対外債務の整理は一つの山を超えることになるが、巨額の債務を抱えることになった体質と財務状態の改善はまだこれからの話。そしてCPDの問題そのものへの最終的な影響は3月19日の入札を待つ必要がある。「来月のグラフは新たな局面を見せるかもしれない」とは先月の言だが、これをそのまま今回も使わざるを得ない。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2011年第4四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt Credit Risk Report、PDF)】で確認できる。それによると、CPDは11.2%・格付けはaa-で順位は20位。2011年第3四半期の値がCPD値11.3%・格付けaa-・順位18位なので、状況は改善、世界各国との相対的なリスクは増加したことになる。少々妙な結果だが、世界のリスク改善に日本が乗り遅れていると考えれば、納得はいく。

今回のギリシャ問題の進展が、世界の金融・経済情勢にどのような影響を与えるのか。2012年第1四半期リスクレポートが完成する頃には、ある程度の方向性が見えていることを期待したい。


■関連記事:
【昨今の国債・公債のリスク増大の動きをグラフ化してみる】
【「豚ちゃん(PIGS)」の次は「おバカさん(STUPID)」!? 財政危機国家の略語たち】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー