災害派遣と国防…自衛隊の存在意義、これまでとこれから(2015年)(最新)

2015/03/11 08:25

軍事的能力をはじめとする様々な能力を有する自衛隊は、他の公的機関以上の責務を持ち、また期待を受けている。昨今では震災時においてその能力を十分に発揮した災害対応や、昨今の周辺環境の変化に伴い期待されている国内の治安維持や国の安全の維持確保が特に注目されているが、それ以外にも自衛隊の存在理由は多種多様に及ぶ。今回は内閣府が2015年3月9日付で発表した自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査から、国民が考えている自衛隊の存在理由、そして今後力を入れるべきだと思っている点を確認していくことにする(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成27年1月調査)】)。

スポンサードリンク


今調査に関する調査要項は先行記事【自衛隊への好感度92.2%・調査以来最高値を更新(2015年)(最新)】を参照のこと。

実際法的などの面での定義では無く、回答者自身の認識として、現在における自衛隊の存在理由について、複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの人が同意を示したのは「災害派遣」だった。8割以上の81.9%が同意を示す形となった。東日本大地震・震災における活躍ぶりで改めて評価されたと考えて良い。震災直後となる前回調査からはいくぶん値を落としたものの、ほぼ同率と判断できる高値となっている。

↑ 自衛隊の存在理由(複数回答)(内閣府調査)(2012-2015年)
↑ 自衛隊の存在理由(複数回答)(内閣府調査)(2012-2015年)

次いで多くの人が回答したのは「国の安全の確保(周辺海空域安全確保、島嶼部への攻撃対応等)」。こちらが74.3%に達している。これまで定期便的に展開されていたロシア機に加え、頻度とリスクの上で急増した中国機の領空及び近接空域への侵犯行為や、領海への侵入行為、竹島や尖閣諸島などの状況を受け、自衛隊の存在理由・意義を再確認した・させられた人が多数に及んだと考えられる。次いで「国内治安維持」「国際平和協力活動への取り組み」が続き、一段下がる形で「弾道ミサイル攻撃への対応」「民生協力」などが並んでいる。

もっとも、広い範囲で「外敵の侵略から国を守る」という観点では、直接的な表現の「国の安全の確保」以外に間接的な平和環境の整備も有益に違いない。その事実を考えれば、その他の項目も皆、自衛隊本来の意義が大いに評価されていることに変わりは無い。

前回調査からの変移を見ると、差し引きされた項目が多く比較が難しいものの、「国内治安維持」の回答率が増加していることが分かる。先の珊瑚礁周りの事案・報道が影響したのだろうか。

一方、「これまで」ではなく「これから」の意義、言い換えれば今後どのような面に力を入れて行くべきとの点でも、トップ2は「災害派遣」と「国の安全の確保(周辺海空域安全確保、島嶼部への攻撃対応等)」で変わるところが無い。

↑ 自衛隊が今後力を入れていくべき面(複数回答)(内閣府調査)(2012-2015年)
↑ 自衛隊が今後力を入れていくべき面(複数回答)(内閣府調査)(2012-2015年)

「これまで」と比べ順番にほぼ変化は無い。現状の存在理由の認識がそのまま、今後も重点を置いてほしいとの希望につながっている。他方現状ではほぼ無きに等しい「宇宙空間の安定利用への貢献」(だからこそ「存在理由」では項目に挙げられていない)が7.9%の回答率に留まっているあたり、同項目への注目の低さを再確認させられる。

「現状」「今後」双方の項目で目に留まるのは、「災害派遣」の相変わらずの高値と共に、「国内治安維持」の値が前回から大きく増加したこと。自衛隊が活躍する場面における国内での治安維持への期待の高まりは、「国の安全の確保」の高さと合わせ、昨今の国際情勢(特に周辺環境)に対し、緊迫感を覚える人が増えているのが推測できよう。


■関連記事:
【日本の高さは竹島・尖閣が原因か…戦争やテロのリスク、国民はどれほど懸念しているか(2010-2014年)(最新)】
【安倍外交をアジア・アメリカはおおむね評価、反発するは中韓のみ】
【震災対応、自衛隊への評価は9割を超える】
【「自衛隊の活動」7割強…被災三県が勇気づけられたこととは】
【自衛隊最高評価…公的機関への信頼度をグラフ化してみる】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー