自衛隊への好感度92.2%・調査以来最高値を更新(2015年)(最新)

2015/03/09 14:25

内閣府は2015年3月9日、自衛隊・防衛問題に関する定期世論調査の結果を発表した。それによると自衛隊に対する好感度は前回調査の2012年分からさらに更新する形で調査開始の1969年以来最大の値を示し、「良い印象」に区分される回答割合は92.2%に達したことが分かった。世代別では大よそ高齢層ほど、強い形での「良い印象」を持つ傾向が確認できる(【自衛隊・防衛問題に関する世論調査(平成27年1月調査)】)。

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特に高齢層で好意的意見多し


今調査は2015年1月8日から18日にかけて、層化二段無作為抽出法によって選ばれた20歳以上の日本国内に在住する日本国籍を持つ人に対し、調査員による個別面接聴取法で行われたもので、標本数は3000人、有効回答数は1680人。有効回答者の男女構成比は806対874。世代構成比は20代が161人、30代が250人、40代が265人、50代が246人、60代が387人、70歳以上が371人。

「全般的に見て」陸上・海上・航空すべてを合わせた自衛隊そのものに、回答者が良い印象を持っているか、それとも悪い印象を持っているかに関して、「良い」「どちらかといえば良い」(以上「良い派」)「わからない」(意見留保派)「どちらかといえば悪い」「悪い」(以上「悪い派」)の5段階評価で尋ねたところ、全体では92.2%の人が「良い派」に該当する回答を示した。「悪い派」は4.8%に留まっている。

↑ 自衛隊に対する印象(2015年、内閣府調査)
↑ 自衛隊に対する印象(2015年、内閣府調査)

男女別ではやや男性の方が、世代別では高年齢ほど良い印象を示している。特に70歳以上はほぼ半数に相当する49.6%が強度の好意的意見を持っている結果が出ている。また「良い」が「どちらかといえば良い」を唯一上回る属性でもある。若年層になるほど強度の好意的な回答は減るが、その分弱度の好意回答は増え、「悪い派」の動向にはさほど変化はない。

その「悪い派」だが、いくぶん30代から40代で弱度の悪印象が高めに出ていることから大きめな値が出ているものの、それでも1割を切っていることに違いは無い。女性、高齢層では多少「分からない」の回答率が大きいが、こちらもまた少数に留まっている。

この「良い派」「悪い派」の動向について、前回調査(2012年1月実施)の結果と比較し、「良い派」から「悪い派」をそのまま引いた値と、「分からない」の回答率それぞれについて、その変化を見たのが次のグラフ。「良い−悪い」の値がプラスならその属性は3年間で好印象派が増え、マイナスなら悪印象派が増えたことになる。「分からない」がプラスなら評価を留保する人が増え、マイナスならば自衛隊などに対する評価を固めた人が増えたことを意味する。

↑ 自衛隊に対する印象(属性別、2012年→2015年の変移)
↑ 自衛隊に対する印象(属性別、2012年→2015年の変移)

30代から40代にかけて好感度がやや後退した感があるが、20代は大きく伸び、50代以降も好感度はアップしている。特に20代、50代と70歳以上は意見留保派も減った上で「良い派」が増えている動きを示しており、明確な意志の表明の上で自衛隊などへの印象を良くしていることが分かる。

自衛隊への印象の経年変化をたどる


最初のグラフにある通り、性別・世代で多少の差異はあれど、青系統色=「良い派」が圧倒的なのがひと目で分かるが、これは経年データの上でも特筆すべき傾向。「良い派」「悪い派」に単純化した上で、1969年以降の推移をグラフ化したのが次の図。

↑ 自衛隊に対する印象(内閣府調査)
↑ 自衛隊に対する印象(内閣府調査)

「良い印象」がイレギュラー的に減り、「悪い印象」が増えた年を調べると、軍事関係で大きな歴史的出来事が起きているのが分かる。繰り返しテレビや新聞でそれらの事象が報じられ、多かれ少なかれ直接に関連する形で、あるいは文言では語られなくとも印象的に自衛隊との連動イメージ(概して悪い方)が刷り込まれ、結果として調査にも反映する面があったものと思われる(2009年の減少はリーマンショック直後であることから、景気悪化などから生じた社会体制への不満が飛び火したものと思われる)。

一方、前回調査分となる2012年の調査結果における「良い印象」の大幅な上昇は、言うまでもなく東日本大地震・震災における自衛隊の活躍によるところが大きい。無論縦横無尽の活動を行ったのは自衛隊だけでは無いのだが、今調査では自衛隊への印象のみを聞いており、このような結果が出て当然の話。

他方今回の2015年分調査結果では、震災から4年近くが経過し、やもすると震災後の自衛隊の活動ぶりへの印象が薄れている面もあるものの、さらに「良い派」が増えている。これは詳細は別機会によるが、近隣諸国の軍事的圧力の増大や政情不安定化に伴い、国防の観点で必然性を認識した人が増えたのが一因だと考えられる。

また中長期的に見ると、自衛隊の印象は概して良い方向に移行する動きなのが分かる。現状認識・認知がなされ、浸透が進んできたということだろう。

今後は震災対策で損耗した各方面の備品などの充足整備はもちろんのこと、実績や意義、責務に見合うだけの環境整備が求められるのは言うまでもない。


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