欧米日で大きく異なるスマートフォンの利用性向

2012/03/13 06:45

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色んなモバイル2012年3月12日に【EUより米の方が女性比率は高め…欧米主要国のスマートフォン保有者の世代区分など】でも解説したように、世界各地に調査パネルを持つ米国の調査機関comSCOREは同年2月23日、モバイル端末、中でもスマートフォン関連の調査結果を発表した。今リリースには主要国のモバイル端末事情に関する注目すべきデータが多数盛り込まれている。今回はその中から、「スマートフォン保有者の機能利用性向」について見て行くことにする(【発表リリース】)。


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調査対象母集団や調査方法については先日の「EUより米の方が女性比率は高め…欧米主要国のスマートフォン保有者の世代区分など」にて説明済み。詳しくはそちらを参考にしてほしい。

一般の携帯電話以上に、スマートフォンには多種多様な機能が搭載されている。さらにアプリケーションを動かすことで、多角的な利用が可能となる。今件では一般携帯電話及びスマートフォンの双方利用者に、自分の利用端末でどのような機能を使っているかを尋ねている(資料上に明記は無いが、1か月単位で「使ったか否か」を尋ねた結果の3か月分平均値と見て良いだろう)。

↑ 携帯電話の利用性向(一般携帯・スマートフォン双方)(2011年10-12月平均)(comScore MobiLens)
↑ 携帯電話の利用性向(一般携帯・スマートフォン双方)(2011年10-12月平均)(comScore MobiLens)

まず最初に目に留まるのは、欧米、特にEUでの「テキストメッセージ(SMS)の送信」率が高く、日本が低いこと。そして逆に「電子メール利用」では日本がダントツに高いこと。これは以前【対モバイルのスマートフォン率、欧米4-5割・日本は2割足らず】【モバイル端末のネット率、米英5割強・日本は3/4超】でも示した通り、日本の一般携帯電話がスマートフォンに近い高性能を有しており、海外ではSMSに相当するものが、日本では電子メールとして浸透したことが原因(料金体系の問題も小さくない)。また、その高機能性を活かし、「写真撮影」の回答率も日本は高め。

SNSやブログなどのソーシャルメディアへのアクセスはアメリカが一番値が高く、EUはやや低め。日本はさらに低い。ゲームも日本が一番低く、これはやや意外な結果ともいえる(見方を変えれば、それだけ「スマートフォンでのゲームプレイ率は高い」ともいえる)。

元資料でも言及されているが、全般的に日本は他国と比べてビジネスライクな利用項目で高い値を示している(例えば「天気情報取得」「検索利用」「ニュース取得」「金融情報・株価情報取得」)。これらも日本で使われている携帯電話の多くが、厳密にはスマートフォン区分では無いものの、欧米のシンプルな携帯電話(通話+SMS程度)では無く、専用アプリの利用やグラフィック表示機能、GPSなどを有し、スマートフォンに近い高性能を示しているがための結果といえる。

携帯電話への期待や社会生活、文化の違いも影響しているが、それ以上に各国の携帯電話の進化・普及事情がそれぞれの国における「携帯電話全般」の利用性向を大きく左右している。現行の携帯電話の機能に満足している人の多さから、(一般定義における)スマートフォンへの移行が他国と比べて遅れ気味な日本だが、今後普及率が高まれば、主にソーシャルメディアやゲームへのアクセスなど、エンタテインメント部門での利用率の上昇も十分ありえよう。

同時に、今の「スマートフォンに近い高性能」を持つ一般携帯ですらビジネスコンテンツを使いこなしているのだから、スマートフォンの普及と共に、さらにビジネス系の利用性向も高まりを見せるかもしれない。


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