世帯持ちで減り、一人身で増える貯蓄割合

2012/03/14 12:10

貯金金融広報中央委員会の「知るぽると」は2012年2月22日、【家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2011年)】【家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](2011年)】を発表した。発表資料では主にお金のやりくりの視点から見た、一般世帯の動向を推し量れる数多くのデータが開示されている。今回はその中から「手取り収入からどの程度の額を貯蓄したか」について焦点を当てることにする。

スポンサードリンク


今調査は直近のものについては「二人以上世帯」が2011年10月7日-11月14日に層化二段無作為抽出法で選ばれた「世帯主20歳以上で世帯員2人以上」世帯に対して訪問・郵送の複合・選択式で行われたもので、有効回答数は3800人。「単身世帯」は2011年10月14日から27日にかけて、「20歳以上70歳未満、単身で世帯構成」世帯に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2500人。過去もほぼ同形式で行われているが、「単身世帯」調査は2007年以降に限定されている。

金融資産の保有世帯率はすでに【金融資産を持たない世帯、二人以上は3割近く・単身は4割近く】で解説した通り。最近は金融資産を持たない世帯が増えている。

↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(2001-2011年)
↑ 金融資産保有率(単身・二人以上世帯)(2001-2011年)(再録)

金融資産は臨時収入も含め、手取りからの蓄積で構築されていく(中には遺産などイレギュラーに取得される場合もあるが)。それでは具体的に、手取りの中からどれぐらいの額を貯蓄しているのだろうか。5%区切りでその度合いを尋ねた結果が次のグラフ。単身世帯は2007年以降のデータしかないので、二人以上世帯とは分けている。

↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(二人以上世帯)
↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(二人以上世帯)

↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(単身世帯)
↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(単身世帯)

単身世帯では経年の変化はほとんど無し、むしろ貯蓄比率が増加しているように見える。一方で二人以上世帯では、明らかに貯蓄しなかった世帯・貯蓄をしても貯蓄する割合が減っている(赤系統の色が薄い=貯蓄割合が低い層が増えている)のが確認できる。現実問題として、可処分所得が減退して(貯蓄する余裕が無くなって)いることは、すでに別記事(【収入と税金の変化をグラフ化してみる(2010年分反映版)】など)で解説した通り。

「具体的には平均でどれほどの額が貯蓄されているのか」を直感的に把握するため、貯蓄しなかった人も含めた平均の「手取りに対する平均貯蓄割合」の推移を示したのが次のグラフ。例えば2011年の単身世帯は13.0%なので、貯蓄した人・しなかった人も合わせ、平均で手取りの1割強ほどが貯蓄に回されている。

↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(貯蓄しなかった人も含めた平均割合)
↑ 年間手取り(臨時収入含む)からどれくらい貯蓄したか(貯蓄しなかった人も含めた平均割合)

二人以上世帯は「貯蓄をしなかった人」の割合が増加していることもあり、貯蓄割合は漸減。一方で単身世帯は計測期間が短いものの、5年の間で1ポイントほどの増加が確認できる。夫婦世帯は余力が小さくなり、単身世帯は備えを強化している、というあたりか。

今グラフは「定期収入・臨時収入を合わせた年の手取り」に対する割合。当然ながら臨時収入だけて勘案すると、貯蓄性向は2倍前後に跳ね上がる。

↑ 臨時収入からどれくらい貯蓄したか(臨時収入が無かった世帯は除き、貯蓄しなかった人も含めた平均割合)
↑ 臨時収入からどれくらい貯蓄したか(臨時収入が無かった世帯は除き、貯蓄しなかった人も含めた平均割合)

二人以上世帯は約2倍、単身世帯は2倍強と、単身世帯の方が臨時収入における貯蓄性向の増加割合は大きい。額面では無くあくまでも割合での話だが、貯蓄に関しては若干ながらも単身世帯の方が余裕がありそうだ(見方を変えれば「貯蓄をしなければ」という切羽詰まった心境にあるとも受け取れるのだが)。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー