少額は現金、そして電子マネー…単身世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる

2012/03/13 06:50

現金金融広報中央委員会の「知るぽると」が2012年2月22日に【家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2011年)】【家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](2011年)】を発表したが、この資料ではお金のやりくりから見た、世間一般の世帯における動向を推し量れる数多くのデータが盛り込まれている。今回はその中から「単身世帯における、お金の決済手段とその移り変わり」について焦点を当てることにする。

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調査対象母集団の詳細や項目名の定義などは2012年3月の記事【金融資産を持たない世帯、二人以上は3割近く・単身は4割近く】などで確認してほしい。「お金の決済手段とその移り変わり」は「二人以上世帯」と「単身世帯」で大きな差異があるため、今回は「単身世帯」に限定して話を進めていく。

商品を買う、あるいはサービスを利用する際に、対価としてお金を支払わねばならないのは、世の中の常識。一方で最近では、直接現金で支払う以外にクレジットカードや「おサイフケータイ」のような電子マネーが使われる機会も多くなった。今回はそのような「日常的支払の場面における資金決済手段」について尋ねている。

まずは直近2011年における、金額別主要決算手段。4つの選択肢のうち「主なもの2つ」を答えてもらっているので、事実上「何を使っているのか」に等しい結果となっている。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、単身世帯)

単身世帯の場合、小口決済では電子マネーの利用率が3割近くに達する。5000円以下でも約1/6が使っている。また、クレジットカードの利用率も高く、二人以上世帯では5万円超でようやく「現金利用率をクレジットカード利用率が超えた」のに対し、単身世帯では1万円超えで早くも超えている。

これら二人以上世帯との差は、ひとえに単身世帯が「世帯全体の家計」=「回答者本人のお財布」であることによるもの。クレジットカードや電子マネーの場合、利用の際に「個人の私財を使う」か「家計全体の出費とする」かでもめる、あるいは区別がつけられずに混乱する場合がある。ところが単身世帯の場合、本人の私財は同時に自らの世帯の資金でもあり、(わざわざ別口座で勘案している人を除けば)気にする必要は無い。従って、クレジットカードも電子カードも気軽に使い倒せる次第。

もっともそのような状況下にある単身世帯でも、電子マネーはまだ副次的手段であり、現金が多分に使われていることに違いは無い。そして電子マネー以上にクレジットカードが大いに活用されているのも、二人以上世帯と同じ。

時代による変遷を見ると、参照できるデータが2007年以降のものでしかなく、仕方が無い面もあるが、2007年の時点で電子マネーがすでに比較的多くの人に使われていることが確認できる。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(単身世帯)

2007年の時点ですでに2割強の単身世帯者が、小口決済でおサイフケータイをはじめとする電子マネーを多用している。そして主に5000円以下の支払いで漸次利用率は増加し、直近の2011年までの5年間で、1000円以下は8.1ポイント・5000円以下では5.5ポイントもの増加が確認できる。「小銭代わりの電子マネー」は単身世帯にとって、第二の「小銭」的立ち位置を確かなものとしつつある。

一方現金は、主に少額決済の面で利用率を減らしている。クレジットカードも増加しており、「現金」から、「電子マネー」や「クレジットカード」への流れを主なものとし、支払い対象などの場面によって、払い方を変えるライフスタイルの変化が見て取れる。



なお「日常生活における買い物」ではなく、公共料金などの定期的な支払では、口座振替が主流。ただし二人以上世帯と比べると、口座振替の利用者が少ない分、クレジットカード利用者が多いのが目に留まる。

↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、単身世帯)
↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、単身世帯)

これは前述の通り、「個人のクレジットカード口座」と「家計全般の口座」が同じであり、それならば利用することで特典を得られるクレジットカードを使った方が良いとする判断の結果。現金の利用率は二人以上世帯とほぼ変わらず、口座振替の減少分がそのまま電子マネーなどの利用者に移行しているのが分かる。

世帯構成員個人の私財を預かる「お財布」と、家族全体の家計をあずかる「お財布」が同じか別物か。ここに、電子マネーやクレジットカードの利用性向の違いが表れているといえる。

電子マネーにしてもクレジットカードにしても、有効な活用方法を実践できれば、お得な点も多い。いかに便益を引き出せるか、単身世帯はもちろん二人以上世帯でも、色々と考えてみることをお勧めする。

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