基本は現金・クレカ…二人以上世帯の代金支払い方法の移り変わりをグラフ化してみる

2012/03/12 12:00

電子マネー2012年2月22日に金融広報中央委員会の「知るぽると」が発表した【家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2011年)】および【家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯](2011年)】では、主にお金のやりくりから見た、一般世帯の動向を推し量れる数多くのデータが開示されている。今回はその中から「二人以上世帯における、お金の決済手段とその移り変わり」について焦点を当てることにする。

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調査対象母集団の詳細や項目名の定義などは2012年3月の記事【金融資産を持たない世帯、二人以上は3割近く・単身は4割近く】などで確認のこと。なお今回の「お金の決済手段とその移り変わり」は「二人以上世帯」と「単身世帯」で大きな差異があるため、「二人以上世帯」に限定して話を進めていく(差異が生じる理由は後述)。

商品を買ったりサービスを利用する際に、対価としてお金を支払わねばならないのは、世の中の常識。一方で最近では、直接現金で支払う以外にクレジットカードや「おサイフケータイ」のような電子マネーが使われる機会も多くなった。今回はそのような「日常的支払の場面における資金決済手段」について尋ねている。

まずは直近2011年における、金額別主要決算手段。4つの選択肢のうち「主なもの2つ」を答えてもらっているので、事実上「何を使っているのか」に等しい結果となっている。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、二人以上世帯)

二人以上世帯の場合、小口決済でも電子マネーなどが使われる状況はあまり無い。大体が現金支払い。金額が大きくなるに連れ、クレジットカードの比率が高くなる。5万円を超えると現金以上の使用率にまで上昇する。

ここで、電子マネーの利用頻度の低さに首をかしげてしまいそうになる。そこで質問用紙を確認すると、文言には「あなたのご家庭では、日常的支払-」とある。つまり世帯構成員一人ひとりのプライベートベースではなく「世帯全体の家計として」との認識で回答している可能性が高い。

クレジットカードを家族全体の買い物に使う事はあっても、基本的に個々の持ち物である電子マネーを「家庭全体向けの」買い物に使うことは多くない。電子マネーは「家計全体のお財布」では無く、「世帯構成員一人ひとりのお小遣い・お財布」的な要素が強いからだ(無断に自分のおサイフケータイで、妹の漫画雑誌や家族全員の夕食の材料を買われたら、怒らないはずが無い)。そのように考えれば、二人以上世帯で電子マネーの「日常的支払」比率が低いのも納得がいく(必然的に家庭(世帯)の支払い=個人の支払いとなる単身世帯では、電子マネーの利用頻度も高い結果が出ている)。

二人以上世帯では現金とクレジットカードが主流で、電子マネーなどはあまり使われない。これが基本となるが、時代の流れと共に少しずつ変化も見受けられる。

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「現金」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「クレジットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)
↑ 金額別主な資金決済手段(2つまでの複数回答で「電子マネー・デビットカード」回答率)(支払金額別)(二人以上世帯)

データが公開されているのは2007年から2011年の5年分。その5年の間で現金の利用は逓減し、クレジットカードや電子マネーの利用が少しずつ増加しているのが分かる。特に電子マネーは2010年以降急増しており、携帯電話・スマートフォンの「おサイフケータイ」普及が大きなトリガーとなったことは容易に想像できる。また、その時期にクレジットカードの少額決済において利用頻度は落ちておらず(むしろ増加中)、現金の比率が減少していることから、「おサイフケータイが現金の代わりに(少しずつながらも)使われ始めた」ことが分かる。

この「現金」から「おサイフケータイ」への流れは、単身世帯では、より大胆な動きが確認できる。これについては機会を改めて見て行くことにしよう。



なお「日常生活における買い物」ではなく、公共料金などの定期的な支払では、口座振替が主流。ただし、ポイント制の恩恵(利用金額次第でポイントが加算され、ポイントが貯まると色々なサービスを受けられる仕組み)を受けることもあり、クレジットカードの利用が漸増している。

↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、二人以上世帯)
↑ 公共料金等の定期的な資金決済手段(2つまでの複数回答)(2011年、二人以上世帯)

現金比率にほとんど変化が無いこと、口座振替の値が漸減していることから、現金支払いをする対象はそのまま、そして口座振替の手口が一部クレジットカード支払に切り替えられているようだ。一方で回答値の合計が増えていることを考えると、以前は口座振替「だけ」を使用していた人が、口座振替に加えてクレジットカードも併用するようになった事例も考えられる。いずれにせよ少しでも特典を得ようという、賢い選択をしている動きが見受けられる。


■関連記事:
【電子マネーの活用度を探る…二人以上世帯の電子マネー利用度が高い品目をグラフ化してみる】

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